どうも、自称KORGerの萩原悠です!
一時期働いていたのもKORG、今のメインシンセもKORGのTRITON extremeとminilogue。
そんなわたしが泣いて喜ぶ新製品が2018年NAMMショーにて発表されました!
KORGのアナログシンセサイザーのフラッグシップモデル、
その名も、
PROLOGUE!!
名前がかっこよすぎる……ここへきてプロローグだと……!?
KORG/logueの歴史
今回発表されたprologueの話をする前に、
もう少し遡って別のシンセサイザーのお話をする必要があります。
それは2016年のNAMMショーで発表されたminilogueです。
minilogue
このシンセは“新しいヴィンテージ”という意味不明なコンセプト(笑)の元に作られ、
そして瞬く間にユーザーの心を掴みました。
なんせ、こんなに小型で4ポリの、本物のアナログシンセサイザーだったんだから!
価格も5万円ほどでかなり安い!
しかも内部にはデジタル部分もあって、100のプリセットが内蔵されている上、ユーザープリセットも100個まで保存出来ます!
実際わたしも持っていて、普段の制作に大活躍しています!
そんなminilogueの発売から1年後、新たな製品が登場します。
monologue
名前がうますぎるwww
簡単に言うとminilogueのモノ(単音)版ということになります。
37鍵のminilogueよりも小さい25鍵、
つまりminilogueより更にミニサイズというのはちょっと混乱を招きかねませんが、
そもそもコード演奏をしない、主にベースやリードを弾くためだけなのでこれで十分!
minilogueにない目玉機能として、ドライブつまみがあります。
これによってサウンドをより太く変貌させることが出来るので、monologueを使うなら是非活用してほしいです!
そしてこのmonologueから一年後、ついに姿を現したのが今回紹介するprologueというわけです!
prologue
それがこちら!
prologueです!
nanologueやminilogueとは明らかに違うレベルの作り!
61鍵モデルと49鍵モデルの2ラインナップです!
では、早速prologueの特徴を見てみましょう!
49鍵8ポリ/61鍵16ポリシンセ!
monologueがモノ、つまり単音なのに対してminilogueは4音まで出せる4ポリでした。
そこへprologueは49鍵モデルで8ポリ、61鍵モデルは16ポリシンセとしての登場です!
まじかー!
より自由なフレーズや音作りが可能じゃないですか!
ってことで、どうやら正式な商品名はprologue-8とprologue-16ということになるようです。
3つのオシレーターを同時使用
prologueには、まず2つの独立したアナログオシレーターが存在します。
別々の波形を選択するもよし、掛け合わせてリングモジュレーションとするもよし、
これだけでもかなり幅の広いサウンドメイクが出来ます。
そこへ来て、prologueには新しい第三のオシレーターが搭載されています。
“MULTI ENGINE(マルチエンジン)”と呼ばれるようですが、
複数のオシレータータイプから選択出来るようです!
そのオシレーターとは
- デジタルノイズジェネレーター
- 新設計FMオシレーター(VPM)
- ユーザーオシレーター
デジタルなんだ?
そうです、デジタルオシレーターを搭載しているのです!
ノイズジェネレーター
ノイズジェネレーターはなんとなくわかりますね、
パーカッシブなサウンドメイクやSE(効果音)作りに欠かせないノイズです。
4タイプのノイズ波形を収録していて、そこからフィルターで様々なサウンドを作り出していけるというものです。
新設計FMオシレーター
KORGがprologueのために開発した新しいオシレーターVariable Phase Modulation、通称VPM。
まぁつまりはFMオシレーターです。
FM音源が入ってるんですよ!
やったぜ、FM音源とアナログ音源を1台のシンセで混ぜることが出来る……
え、なにそれ、めっちゃワクワクしますね!
ユーザーオシレーター
最後はなんかとっても投げやりな名前ですが……オシレーター設定を保存しておくバンクかなにかなのかな?
と思ったあなた、甘い!!
その5倍面白いことです。
なんと、今後KORGはオシレータープログラムを公開するようでして、
そしてそれはわたしたちユーザーにも作り出せるようになるそうです!
そりゃプリセットを作るくらい簡単には出来ませんが、
自作のオシレーターをここに読み込ませたり、ウェブ上で誰かが作ったオシレーターをダウンロードして使ったり……
つまりprologueがどこまでも進化するということなんです!
なんだこれ……さすが、“新しいヴィンテージ”ですね。
一応ここには元からウェーブテーブルシンセのオシレーターが1つ内蔵されているそうです!
ボイスモード
minilogueにもありましたが、prologueにも採用されています、ボイスモード!!
これは、8ポリだったり16ポリだったりする内部の使い方を変えることによってサウンドの質感などを変えるという機能です。
minilogueではかなり力を入れて作られていましたが、proligueでは若干数も凝縮して、主要なものだけが残った感じですね。
それぞれのモードにして、そこからVOICE MODE DEPTHのつまみをいじることによってバリエーションがつけられるという作りのようです。
普段はPOLYモードにしておけばよくて、そうすると8ポリなり16ポリをフルに使うことが出来ます。
DEPTHをいじるとDUOモードになって、1音に対して2音ずつ発音されるようになります。
音はその分太くなりますが、8ポリではなく4ポリに、16ポリではなく8ポリになるという点だけ注意!
MONOモードではモノラルシンセになり、なんならmonologue状態。
恐らくDEPTHを回していくとサブオシレーターが1オクターブ下で鳴るようになるんだと思う!
つまりベースサウンドに便利ってことです!
UNISONモードは全ポリを1音にまとめてユニゾン出力します。
動作としてはモノシンセなのですが、デチューンでちょっと音程をズラして音の太さを出すということが出来そうです!
CHORDモードでは1音弾いただけで4声(多分)のコードを発音するモードです。
minilogueにもあって、ちょこちょこ使ってる機能です。
DEPTHを回していくとコードの構成音が変わっていくと思っていいでしょう。
バイティンバー(prologue-16だけかも?)
prologueはアナログエフェクターとしては異例なのですが、
スプリットやレイヤーなどの音の作り方が出来ます!
そしてそのメインティンバーとサブティンバーの音量バランスを専用のノブで簡単に操作可能です!
レイヤーで重ねるもよし、クロスフェードするもよし、ライブでめちゃめちゃ便利に使えること間違いなしです!
16ポリもあったら確かにこういう使い方も出来ますね。
面白い!!
写真を見る限りprologue-16にしかこのつまみがなさそうなので、多分prologue-8では出来ないんだと思います。
豊富なデジタルエフェクト
シンセの音作りにはエフェクターもかかせません。
prologueはそのあたりも抜かりない!
32bit float処理という、デジタルシンセの中でも上位機種でしか行われてない処理速度でかけられる豊富なエフェクトがサウンドを更に多彩に華やかにしてくれるでしょう!
モジュレーションエフェクトに
- コーラス8タイプ
- アンサンブル3タイプ(恐らくコーラス的なやつ)
- フェイザー8タイプ
- フランジャー8タイプ
- ユーザー設定用16スロット
そして残響系は
- ディレイ8タイプ
- リバーブ8タイプ
を搭載。
モジュレーション系と残響系は別の系統になっているので、同時にかけることも出来ますよ!
アナログコンプ/ブースター(prologue-16のみ)
ああ、KORGさんらしいな。
prologue-16だけらしいですが、完全アナログ回路のブースター/コンプレッサーが搭載されます!
これは以前VALVE-FORCEという名前でシンセにチューブブースターを搭載していたことがありましたが、
それの技術とアイディアの応用でしょう。
これによる音の太さ、存在感は他を圧倒することになるはず!
そんなわたしは未だにVALVE FORCE付きのTRITON Extremeの愛用者です!
しょっちゅう使います。
あれの進化版となったら……もうかけっぱなしにしておきたいww
プログラムソート
prologueはなんと250のファクトリープリセットが用意されていて、そのほかにもう250個のユーザープリセットを登録可能です!
すごいな!
minilogueは100+100だったのに、その2.5倍入ってる!!
いーなーいーなー!
でもそんなにいっぱいあったら音を選ぶのが大変です。
たとえば自分の理想の音を探して片っ端からプリセットを聴くのも面倒だし、
この曲で使うのはファクトリープリセットの100〜160くらいのどこかだった気がする〜とか面倒でしょ?
そんなときに、prologueはうまい具合にデジタルを取り入れてますね。
ソート出来ます!
つまり並び替えができる!
並び方は8種類で、
- プログラムナンバー順
- カテゴリー順
- アルファベット順
- お気に入り登録したものだけ表示
- 使用回数順
- エンベロープの形順
など、かなり使いやすそう!
カテゴリー順とかはPAD系の音、ベース系の音、とかで並ぶわけだし、
エンベロープ順ってのはシーケンスフレーズを作るときのアタックだけの音とかから順番に並んでるということで、
なにより使用回数順に並ぶというのが便利。
つまり履歴みたいなもんですよね?
カラオケって最近自分のIDでログインして履歴とか見れるんですよね?(やったことないけど)
あれと同じ感じ!
もちろんよく使う音色はお気に入り登録”Like”をつけておけばソッコーでアクセス出来ますね!
8×4のライブ用バンク
いくらソートが簡単だとは言え、ライブ中に500個のプリセットをいちいち全部表示させるようなことはめんどくさいです。
え、てか8種類あるって言っておいてまだ6種類しか紹介してないですね。
てことで、残りの2つのうちのひとつ、それがライブ用のプリセットバンク扱いになります!
これは8個の音色をパネルのボタンに登録しておいて、選ぶだけでその音色をよみ出せるというわけです。
こう言った配慮から
「prologueは制作向けだけじゃない、ライブでも使ってくれ!!」
という意気込みを感じます。
あ、ちなみに、残すあと1つのソート方法は……”ランダム”ですwww楽しいwwww暇なときに使いますwww
やっぱりでかいカットオフフリーケンシーw
アナログシンセの演奏の醍醐味って、やっぱりカットオフフリーケンシーをグリグリいじるところですよね。
prologueでももちろん出来ますよ!
えーっとどれかな……あ、ど真ん中にありました。
やっぱりデカい!!www
これ、minilogueでもこれひとつだけデカかったんです。
prologueになってもやはりそこは変わってなかった。
しかもボディのまさに真ん中にあるので、右手でも左手でも楽にアクセス出来ますね!
楽しい!!
相変わらずのオシロスコープ
minilogueがリリースされたときに、ボディ本体に搭載されていて衝撃が走ったオシロスコープ。
prologueでもちゃんとついてます!
今発音されている音の波形がリアルタイムに表示されるので、なんか楽しいですww
minilogueやmonologueでは電源を入れて立ち上げたときにここでミニゲームが出来たけど、
prologueでも出来るんだろうな〜楽しみだな〜!!
日本製のフルサイズナチュラルタッチ鍵盤
やはりフラッグシップモデルということで、鍵盤はついに日本製になりました!
サイズもminilogueやmonologueと違って標準サイズ。
ライブでの演奏性もしっかりと考えられています。
prologueのサイズと重量
prologueは、logueシリーズ初の2ラインナップなので、当然その大きさは違います。
型番 | prologue-16 | prologue-8 |
---|---|---|
横幅 | 874mm | 709mm |
奥行き | 348mm | 348mm |
高さ | 118mm | 118mm |
重さ | 9.1kg | 7.5kg |
こんな感じ、なるほど、見事に横幅だけが違うようですね。
鍵盤はどちらも同じ材質なので、本当に純粋に横幅が違って、それによって重さも変わってくるということのようです。
イマドキのデジタルシンセサイザーは軽量化合戦の最頂点なのでそれに比べたらまぁ重めですが、
きっとprologueが使いたくなってくるレベルの方には全然気にならない重さでしょう!
高校の軽音部でバンドやるために初めて買うシンセじゃないよ!
prologueの発売日と価格
prologueは2018年の2月中旬の発売のようです!
え、もうすぐじゃん!
もう完成してるってことでいいのかな、リリースされたらきっと在庫が少な過ぎてすぐ売り切れになるんだろうなぁ。
現にminilogueのときは1年間くらい順番待ちのようだったし。
価格はprologue-8が18万円、prologue-16が23万円程度のようです。
う〜ん……絶妙な値段設定だなぁ。
5万違うなら8ポリでもいいような気がするけれど、16ポリでバイティンバー……出しちゃうかもなぁ。
まとめ:prologueはユーザーのやりたいことが詰まっている
minilogueでも十分に満足しているわたしですが、
まさかこんな化け物lougeが出てきてしまうとは!
完全にRolandのJD-XAを視野に入れて……いや、正直JD-XAを食っちゃうでしょ。
あちらも20万円級の最新モンスターアナログシンセ(かつデジタルシンセも入ってる)ですが、
やっぱりデジタル色が強かったというか……。
シンセ好きが好きになるアナログシンセはprologueなんじゃないかなぁと。
無機質に並んだノブ、シックなデザイン。
なんか古い感じしてますよね〜ww
そこが好き!!
リリースされたら早速触ってみて、また追記のレポートを書こうと思います!
ってことで今日はこのへんで。
最後まで読んでくれてありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!