どうも、DTMで作曲のお仕事いただきながら、PAも請け負っています、萩原悠です。

そうすると、ボーカルさんたちからマイクについて教えて欲しいというお話をよく伺うんですね。

なので、まずは超スタンダードなマイクからこのサイトにまとめていこうと思います。

SHUREダイナミックマイク

SM58についてレビューします!





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SHURE SM58とは


ボーカル用マイクと言えばこれです。

SM58 03
ボーカルマイクとしての超絶スタンダード、

ライブハウスはもちろん、リハーサルスタジオにも必ず山ほど置いてある、

わたしたちが一番目にする、

一番手にする、

一番口にする(……あれ、これだと食べたみたいだな。歌うって意味で!)


そんなダイナミックマイクがこのSM58です!

もしかしたらライブをやらない人にとっては少し古臭くて時代遅れな印象かもしれません。

大物アーティストは会場が広かったりするため当然のようにワイヤレスですし、

最近はワイヤレスの廉価版も沢山出てるので小さなライブハウスでもワイヤレスの導入が進んでいます。

でもでも!

これが本当のワールドスタンダード。

ボーカルさんには全員1人1本持ってて欲しいくらいです!

さてそれは何故か、

何故スタンダードなのか。

何故1人1本持ってて欲しいとまで言うのか。

そういう切り口からお話しようと思います。

(ここまでがイントロですw)

丈夫


兎にも角にもこの理由!

SM58は本当に丈夫です!

ダイナミックマイクというのは、コンデンサーマイクに比べてはるかに丈夫なのですが、

その中でもSHURE社のマイクはめちゃくちゃ丈夫だということで有名です。

そりゃわたしだって各メーカーのを意図的に壊そうとして耐久テストをしたことなんてのはないですよ。

なので半分は現場で活躍する大先輩たちからの受け売りですが、

やっぱり類似品(後述)とかと比べたら遥かに丈夫で信頼出来ますね。

安い


SHURE ( シュアー ) / SM58
→サウンドハウス ¥9,800-





これが流行った理由の1つとして実は価格の面もとても大きいです。

この丈夫さで1万円だもの!

(正確な値段は販売店によって、時期によって上下します)



プロの現場で使うとか言いながら、値段をケチってるって思った人手あげて!

ちゃうねん。

あなたが1本買うかどうか、

あそこのお店で買うと500円安いぞとか、

秋葉原であと200円値切ろうぜとか、

そういうレベルじゃないんですよ。

プロの現場にはこのマイクが10本とか20本とかあるわけ。

20本だぞ?

それを全部……例えばMD421、通称”クジラマイク“で揃えたとしたら、





それだけで60万円以上の差が付いちゃうわけ。

なので、PAの現場でのスタンダードはSHUREのマイクやCANAREのケーブルで広まったってのはそういうこともあるわけだね。


SM58 ボーカルマイクとして安定の音質


お待たせしました!

ようやく音質に関してです。

SM58の音の最大の特徴は、その豊かでパンチのある中域です。

ボーカル用としてはまさに最適なチューニング。

それにこのマイクはほぼ唇ベタ付け状態で歌われるのを前提としてるから、

近接効果(近いほど低音が強調される)を見越してちょっと低音がカットしてあるのです!

このあたりがボーカル用としての所以です。

正直にいうと

AUDIXのOM5の方が出力高いし(→レビュー)、

同じSHUREでもSMじゃなくてBeta58の方が子音が立つし(→レビュー)、

SENNHEISERのe945とかの方が明るい高域が気持ち良い(→レビュー)。

それでもやっぱりボーカル用のスタンダードといえばこのSM58なんですよ!

グリム交換も楽勝


やっぱりライブハウスやスタジオでガンガン使ってるとどうしても落っことします。

えぇ、マイクはしょっちゅう落っことされます。

でも大丈夫!ちょっとやそっとじゃ壊れません。

でもさすがにグリム、頭の部分のアミアミは凹んじゃったりします。

これを裏からコツコツ押して直して使うんだけども、

やっぱりそれだけじゃどうしょうもないくらいにヘコむときもあります。

わたしのちょっと凹んでますね。
SM58 02
そんなときは、このアタマ部分だけ買い替えましょう!

クルクルと回して外して新しいのをつけるだけ!

簡単ですね、その辺の楽器屋にもひょっこり売ってます。



みんなが使ってるから


SM58はみんなが使ってます。

どこへ行っても使ってます。

それがこのマイクのメリットのひとつにもなってます。

その理由は以下の2つ。

1.PAさんが熟知している


ライブハウスに出演する人は、自分のステージ、自分の音を全て PAさん(音響さん)に委ねます。

PAさんが残念だといくらいい演奏しても残念なステージになります。

なので、できるだけPAさんにはいいミックスをしてほしいものですが……

そんなPAさんもやはり現場の人なので、SM58のことは完全に把握しています。

なんならライブハウスお付きのPAさんならそのマイクの劣化具合まで熟知しているでしょう。

そしたら、任せちゃいましょうよ。

素人に毛が生えたようなバンドマン(めっちゃ失礼!)があーだこーだ言うんじゃなくて、

PAさんが一番やりやすいマイクでお任せしましょ。


2.比較対象になる


これはわたしが

“2016年は毎週機材レビューします”の第一弾に選んだ理由でもあるんだけども、

世の中にあるマイクは大体
(ダイナミックマイクの場合)「SM58と比べて」
(コンデンサーマイクの場合)「U-87と比べて」
という言い方で説明されることが多いです。

本当のスタンダードなのでみんなが知っていて当然。

そうして共通言語になってるわけですね。

なので今後はわたしも「SHUREのSM58よりもxxxxです」とかいう言い方すると思います。

そんなわけで、次の項目へいきましょ!

SHURE社の信頼


そんなこんなで、

このSHUREというメーカーはPA業界で本当に抜群の信頼を得ています。

今紹介しているボーカル用マイクSM58のほかに、

楽器用マイクSM57も世界中どこでも見かける、

完全業界標準なマイクです。

(わたしはSM57の音がすごく好き!)


マイクに信頼を求めるワケ


ちなみに、以前

「寿命が半分で値段が1/4だったら理論上こっちの方が得なんだよね〜」

とか知った風なこと言ってる方がいました。

は?

バカ言ってんじゃないよ!

なにが理論上だよ!

理論的に考えるアタマがあったら、

現場で不具合が起こる確率が2倍になってること気づけや!

限られた時間の中でエンジニアも演奏者もイベント企画者も本気でやってるのに、

機材トラブルでリハが押すとか、

よもや本番中に急に音が出ないとか、

そんなのが起こる確率が倍だぞ?

それで理論上オトクだと?

はぁ、早くエンタメ業界から足を洗えばいいのに!のに!


こんな定番なのにボーカルさんがなかなか個人所有してないワケ


こんなにいいマイクなのに、

こんなに業界標準となってるマイクなのに、

何故か巷で個人所有している人とはほとんど出くわさない。

ヘッドフォンだったらみんなこれ使ってるのに!
900ST



何故SM58はもってる人が少ないのか。

それは、きっと、マイマイクを購入する動機が以下の2つだから。

A. 人とは違うのがいいから。(こだわってる自分カッコいい!)
B. SM58の音に飽きたから。(違いがわかる自分カッコいい!)


カッコの中で茶化しちゃってますが、概ねこんな感じでしょうか。

Aの方はもはやなんでもいいんだなw

Bは……たしかにSM58だとちょっと暗くて野暮ったい印象になるかもしれない。

でもね、それはもしかして歌い方のせいなのでは?

滑舌の悪さをマイクのせいにしてこだわりの1本を持ち込むのもよいけれど……

短所と個性をしっかりと見極めておきたいですね!

ちなみに、そんなわけで、比較対象となるSM58の音もろくにしらないで他のマイクを

「これ結構いいぜ!58よりこっちにしたほうがいいよ!」

とかいうのは恥ずかしい行為なのでご注意!

バリエーション


ちなみにちなみに、このSM58にはちょっとだけバリエーションがございます。

それは、スイッチ付き58のことです!
SM58SE


理論上(←敢えて使うw)スイッチが増えた分回線が増えて、

ちょっとだけ音が悪くなるのかもしれませんが、

わたしには全然わからない!

わたしがPAやるときは、

MCさんにはこのスイッチ付きを渡してました。

好きなタイミングでしゃべれ、喋り終わったらスイッチを切れ。

そうしておかないと、PA側でいちいち切ったり付けたりしなきゃいけなくて、

これが意外と面倒なんです。

いつ喋るか台本通りじゃないこともたくさんあるし。

なので、もしイベントMC用にってんならこうやってOn/Offを切り替えられるSM58SEの方がいいですね!



ちなみにわたくし萩原悠はスイッチ付きも持ってますよ!

SM58 03
ちなみに、どうでもいいんだけど、

このセロハンテープは補強用とかではなく、現場に持ってったときにどれが自分のかの目印ね!

普通スイッチは親指で操作するし、客席からは見えなくていいから手前側に貼ってます。

類似品に注意


クラシックプロ CM5

クラシックプロってのはサウンドハウスの自社ブランドなのでマージンコストとかが省けるのはわかりますが、

どうやったらこんな金額でやってけるのかわかりませんねw

ちなみにこのCM5、わたしも学生の頃はお世話になっていました。

最初はSM58との違いなんて全くわからなかったのでヤッホー!と思ってましたが……

あるとき気づきました。

持ってみたらすごく軽いです。

中身どうなってんだよって感じですねw

そして音がスカスカ。

SM58のウリである中域の盛り感が全くない。

密度が薄い感じですね。


そしてそして、あるとき中の動線が切れましたorz

ハイお疲れ様〜♪

わたしはインターフェイスにつなぎっぱなしですよー


これがうちの子のデフォルトポジション。
SM58 01
パソコンでLINE通話するときとかは大体これを使ってます。

安心の2年保証


SHUREのこの辺のマイクは、

国内の正規代理店を通ってる店で買うと2年間の保証がつきます。

デフォルトで2年付くってのはさすが!

SHUREの製品はそれだけ頑丈さに自信があるのです!

ちなみに、サウンドハウスは正規代理店通ってないので保証つきません。

だから安いんですねー。


まとめ 是非みんなSM58の音を知っていてほしい


はいそんな感じで、長々と語ってきましたがまとめに入ります。

とにかくワールドスタンダードなマイクです。

ボーカルに関してはこのマイクでどのように歌うか、それが基準になってます。

これからも長く音楽をやられる方は、是非一本持っておくとよいのではないでしょうか!

そんな感じで、今日はこれで終わります。



そいでは、萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!