ファンタム電源+48vとは【使い方と送り方と注意点】
どうも、PAやら録音やらのエンジニアもしてます萩原悠です!
みなさん、コンデンサーマイクは正しく使えていますか?
コンデンサーマイクは高音質で繊細な音も取れますが、
ファンタム電源ってのが必要なんですよ!
でもファンタム電源ってなんだ?
どうやって使うんだ?
必要なものは……
そんなコンデンサーマイク初心者のために、
ここではファンタム電源とはなにかについてをお話しましょう。
Contents
ファンタム電源とは

ファンタム電源とは、
コンデンサーマイク内のプリアンプを稼働させるために必要な電源
です。
……これでわかるかしら?笑
わからない方のために、
ファンタム電源の説明をする前にちょっとだけコンデンサーマイクの説明をば。
コンデンサーマイクは、ダイナミックマイクと違って非常に小さく繊細な音も収音出来ます。
というのも、内部にコンデンサーを有していて……
難しい話をできるだけ省くと、
内部の電極に電気を貯めるために電源が必要なんです!
それが!
ファンタム電源!(めっちゃ雑!)
PHANTOM +48v

ファンタム電源のオンオフスイッチのお近くに”+48v“とか書いてあるものがあって、
もしやファンタムっていろんな種類があるのかと思われがちですが、
ファンタム電源と言えば+48vのみです!
細かい理由とかは気にしないでください!
逆に、ファンタムと書いてないで+48vとだけ書いてある機材もありますので、
それはつまりファンタム電源のオンオフスイッチだと思ってもらって間違いないです。
ファンタムはどこからやってくるのでしょう
↑LOVE2000風。(10代の方は無視してください。)
ファンタム電源を送るってったって、
どうやって送るのでしょうか。
コンデンサーマイクに電源ケーブルを繋ぐような端子は見当たらず、
あるのはマイクケーブルを繋ぐ端子のみ……
マイクケーブル……マイクケーブル!!?
ファンタムはXLRキャノンケーブルの中を通っている

そう、マイクケーブルの中を通っているのです!
これは驚き。
マイクケーブルはマイクが拾った音を次の機材へ運ぶのが塩とですが、
その逆、機材からマイクに電源を伝えるという役割も果たしているのです!
音響ケーブルと電源ケーブルを並行に這わせるとノイズが発生するという常識から考えると、
同じケーブルの中を並走してるだなんてビックリですが、
AC(交流電源)とかDC(直流電源)とかの話が理解すると問題ないということがわかります。
でも今はこの話は飛ばした方がいいでしょ?笑
見えないところからやってくる電源、
それはまるで幻、そう、だからPhantom(ファントム)という名がついているのです。
日本語では”ファントム”ではなく”ファンタム”と言うことがほとんどですが、
語源は”phantom of the opera(オペラ座の怪人)”のPHANTOMと同じです。
XLRキャノンケーブルでなければいけない
ケーブル選びの注意ですが、
基本的なマイクケーブルであれば問題なくファンタム電源が送れます……が、
そもそもこの“マイクケーブル”の定義のお話になってきます。
ギター用シールドとどこが違うんだろ……
厳密には違うけれど簡単に言うと、端子の違いです。

一般的にマイクに使うのはXLR端子という形状のものが両端に使われているキャノンケーブルというものです。
ファンタム電源はこの中のピンを介してマイクへと運ばれます。
つまり、片方がギターシールドみたいにフォン端子になってるケーブルでは使えませんし、
マイク入力はあるけれど標準フォン端子しかない機材からはファンタムが送れません。
今サラッとすごい大事なこと言いましたからね、あとでもう一度まとめておきましょう。
ファンタム電源を発生させる装置
ファンタム電源は、専用の装置が必要なわけではありません。
結構いろんな機材からファンタム電源を送ることが出来ます。
たとえば……
ミキサー


PAミキサーのほとんどはファンタム電源を送る機能を備えています。
ミキサーによってチャンネルごとに個別に送れたり”1ch-8chまとめてオンオフ“みたいな男気系なものもあってちょっとめんどくさい……。

最近では1万円代の安価な小型ミキサーでも1or2系統程度のファンタムなら送れます。
マイクプリアンプ

マイクプリアンプからもファンタム電源を送れるようになっています。
マイクプリアンプとは、マイクの微弱な信号を増幅するためのプリアンプです……
あれ、コンデンサーマイクの内部にもそれ入ってなかったっけ?
まぁやってることは実は同じなのですが、とりあえず別モノとして考えてください。
オーディオインターフェイス

宅録する人の最重要アイテムであるオーディオインターフェイス。
マイクが挿せる端子のあるモデルならほぼ必ずファンタム電源が送れます。
つまり、コンデンサーマイクをマイクケーブル経由でオーディオインターフェイスに繋いでファンタムをON!
それだけでOKです!

オススメのオーディオインターフェイスについてはコチラにまとめました!
ファンタム電源最大の注意点
ここで、ファンタム電源を扱う上での最大の注意点をお伝えしようと思います。
それは……
絶対にファンタム電源入れたままケーブルを抜き差ししないこと!
もうこれは絶対に守ってください!!
いいですか、絶対に守ってください!!!
ファンタム電源は電源なんです。
その電源が入ってる状態で、ケーブルを、つまり電源を供給しているケーブルを抜くことは、
動作してるパソコンの電源をいきなり引っこ抜くような超危険行為です!
コンデンサーマイクはとても繊細です。
ファンタム電源入れたままシールドを抜き差しすると最悪壊れます。
なん十万円もするコンデンサーマイクが、こんな簡単なことで壊れます。
まぁ幸い今までこれでマイクを壊したことがないのですが、
わたしが台湾でPAと録音を現地スタッフに教えていたときに私物のノイマンU87をファンタムぶっちされて
「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん!!」
な感じでめちゃくちゃ焦りました。
壊れてなかったのでよしとしましょう。
もう二度とやるなよ!
ファンタムが使えない○○
途中途中でちらちら”こういうときはファンタム使えません“みたいな話が出て来ましたが、
ここで今一度まとめてみたいと思います。
ファンタムが使えないケーブル


意外と落とし穴なのですが、
ファンタム電源は両端がXLR端子のケーブルでしか伝送出来ません。
片方がXLR端子で片方がフォン端子みたいなケーブルでミキサーやオーディオインターフェイスに繋いでもファンタムは送られませんのでご注意を。
逆に言えば、マイクを買ったらこういうケーブルも一緒についてきた場合、
そのマイクはコンデンサーマイクではなくダイナミックマイクだということがわかります。
ファンタムが使えないアンプ
これはあまり現場では考えにくい話なのですが、初心者用のアンプとかにありがちなので一応紹介。
ギターアンプにマイクも挿せるというちょっと便利なものがあります。
例えばこれ、VOXのmini5。
これにはギター入力端子とは別にマイク入力端子というものもあります。

しかし、これギターの端子と同じですよね。
ってことは、XLRケーブルが使えません。
よって、ファンタムも送れません。
こういうアンプはダイナミックマイクしか使えないよ、ということですね。
ファンタムが使えないマイク

ファンタムが使えないマイク……
なんか変な言い方ですが、これはつまりダイナミックマイクですね。
間違ってファンタムを送っちゃっても壊れることはないみたいですが……
あまり気持ちいいとは言えないですね。
しかしミキサーで1-8ch全部に一変にファンタムが送られてしまうような状況もあるので、
そのときは仕方がない、壊れないように祈りましょうww

まとめ:ファンタム電源の取り扱いに注意
そんな感じで、一番言いたいのはこの2つです。(一番なのに2つ!?)
- コンデンサーマイクにはファンタム電源が必要
- ファンタム入れたままのケーブル抜き差しは死刑
です!
みんな覚えておいてね!
ってことで今日はこのへんで。
最後まで読んでくれてどうもありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!



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