どうも、最近オクターバーに興味津々な萩原悠です!
Revol Effectsの安いオクターバーを買ってからというもの、
「じゃあいいオクターバーってどう違うんだろう……」
と思って試奏したのが始まりです。
でいきついたのがエレハモ。ELECTRO-HARMONIX社のポリフォニックオクターブジェネレーター、
略してPOGです。
現行品ではPOG2と、小型タイプのnanoPOGとあるけれど……
どう違うんだよぉおお!!!!
ってことで、
このページでは主にPOG2の紹介をしながらも、
nanoPOGとの比較もしていきたいと思います。
エレハモ POGとは
そもそもPOGとはなにか。
ELECTRO-HARMONIX社が開発したPolyphonic Octave Generator、
略してPOG。
つまりポリフォニック検出を可能にしたオクターブ生成機ってとこです。
オクターバーというエフェクターの歴史は割と古いけれど、
それまでは単音で弾いた場合のみ検出してくれる仕組みでした。
だってそうでしょ、周波数を検知してオクターブ下の周波数を生み出してくれるんだから、
複数の周波数が同時に来たらそりゃもうパニックですよww
音と周波数って結構複雑な関係で、倍音ってのがあってひとつの音を鳴らしただけでも複数の周波数が出てるんですよ。
その中から正しい音を検出してたわけだから、単音専用のオクターバーだって結構すごいことしてたわけです。
そんな中登場したPOGはついにポリフォニック、
つまり和音にも対応したってことで大ヒットしたのがこのPOGです!
そんなPOGは今では複数のモデルを展開し、
- POG2
- MicroPOG
- nanoPOG
と3種類です。
MicroPOGとnanoPOGはもはやほとんど変わらないようなので、
今日はPOG2とnanoPOGの比較をしていきたいと思います。
POG2
ELECTRO-HARMONIX / POG2
→サウンドハウス ¥30,800-
→サウンドハウス ¥30,800-
こちらがnanoじゃない、フルサイズのPOGです。
現在は第二世代機になっているのでPOG2ですね。
こいつはもはやオクターバーの化け物です。
もうほんと、ここまで色んなこと出来るのはすごい。
機能を紹介していきましょう!
2オクターブ下、2オクターブ上が生成出来る
これすごいですよね、1音弾いたら上下に2オクターブずつ、つまり5オクターブ同時になるわけです。
ピアノ鍵盤で表してみようか?
赤いとこだけ弾いたら青い音も全部鳴るってことやで?
しかも、ポリフォニックで生成されるんやで?
ドミソシ(Cmaj7)とか弾いたらもはやこれやで?wwwww
壁だ……もう音の壁だよ……。
これは実際に試走してみてわらった。
オクターバーで5オクターブ作ったあとに強めに歪ませるともうこれは鋼鉄の壁。
もうどれが原音でどれがエフェクト音でどれが倍音なのか全くわからない暴力性。
かっけぇ。
けど……使い道はあまり多くないwww
アタックタイムを調整出来る
POGはとにかく音が鳴るの速くて綺麗なので、
逆にちょっと不自然ってこともあるんですよね。
本来オクターバーはエフェクト音がちょっと遅く感じるものです。
だからアタックの部分だけは原音だけがでててその後ろのオクターブ下なり上なりが鳴るという流れが通常です。
となったときに、この速すぎるアタック感はオクターバーというエフェクターのくくりの中でちょっと異質になってしまいます。
これこそがPOGの特徴だとも言えますが、これだとちょっとシンセっぽくなってしまってギターっぽくないという意見もあります。
そんなときに!
このアタックタイムを調整出来るってのはかなり便利!
自然なオクターブサウンドにしたければアタックをちょっと緩めに。
むしろその不自然さが欲しいとあればアタックを最速に。
そんな色んな使い方が出来ます。
nanoPOGだとこの調整が出来ず、アタックが最速で固定されています。
なので、ちょっと独特なサウンドにしかならないとも言えますね。
ローパスフィルターがかけられる
これ面白い!
エフェクト音にだけフィルターがかけられます!
フィルターってなんだろうと思ったら、な〜んだ、書いてあるじゃん!
ローパスフィルターでした!
エレハモの超技術によってめちゃくちゃ高音質にエフェクト音を生成出来るようになったけれど、これだとやっぱりちょっと不自然。
ってことで、高音域を削って少しマイルドにしますよというのがこのフィルターです。
スライダーで調整出来るのはどのくらいの周波数から上をカットするかということ。
オクターバーにフィルター搭載だなんて、そんな玄人好みな機能そんなに使うかなぁと思ったけど……
よくわからない人こそ使った方がいいですね!
ちなみにこのローパスフィルターをさらに面白く活用する方法として、Qというボタンがあります。
これを段階的に押していくと色が変わっていくのですが、それにつれてフィルターの強調具合が変化します。
イコライザーのQと同じような変化かなと思ったけれど、これは完全にレゾナンスの使い方です!
ローパスフィルターのかかり始めの周波数をどれだけ強烈に目立たせるかを3段階で選択することが出来ます。
目立ちすぎるオクターブ音を削るためのローパスフィルターかと思ったら、
このQの設定でまた違った目立たせ方が生まれます。
なんだそれめっちゃ楽しいー!!!
デチューンがかけられる
まじかよこれ面白いな!
デチューンってのは、入ってきた音をダブらせたのちに片方だけ微妙に音をずらすという機能です。
そうすることによって音に厚みが出せるというわけ!
でもねー、オクターバーでデチューンがかかるとなると、厚みというのとちょっと違うかなぁ。
だって、きれいにオクターブ下とか上とかの音程が鳴るってのがオクターバーの特徴だったのに、
その音程が揺れちゃうんですよ?www
面白いですね、設定次第ではぶっ飛んだサウンドにもなるし、
逆に自然なオクターブユニゾンを作ることも出来ます。
本来デチューンはそれだけでも単体エフェクトとして成り立ってかなり色んな設定がいじれるのですが、
POG2ではスライダーが1つだけなので、デチューンのエフェクト量とピッチのズレ具合の両方が同時にいい感じに変わるようです。
あと、どうやらオクターブ下のエフェクト音にはこのデチューンはかからないっぽい。
オクターブ上だけです。
この辺本当に実戦向けに考えられてるなぁ。
だってオクターブ下を生成して音程ズラしたら本当に深いなノイズになっちゃうもんね。
このデチューンの設定だけでもかなり作り込みが出来るなぁ。
でもその分時間もかかっちゃうと思います。
アタック,ローパス,デチューンは原音にも!
ここまで紹介して来た
- アタックタイム調整
- ローパスフィルター
- デチューン
なんとPOG2では、これらの設定を原音にも活かすことが出来ます!!!
このDRY FXというボタンを押すと段階的に色が変わり、その色によってどのパラメーターを原音にも効かすかが選択出来るというわけ!
なんだか難しかったので説明書を読んでみました。
そしてそこでわかったことを世界一わかりやすくまとめようと思います!
LED | ライト | アタック | フィルター | デチューン |
---|---|---|---|---|
消 | off | off | off | |
赤 | on | off | off | |
緑 | on | on | off | |
橙 | on | on | on |
なんだよそれ!
オクターバーのクセにデチューンと使えるのかよ!
オクターバーのクセにエッジの効いたローパスフィルター(強烈なレゾナンス)がかけられるのかよ!
しかもこんなに色んなこと出来ちゃうのかよ!!
モンスターだ……ホントにPOG2はオクターバーの怪物だよ……。
プリセットを保存出来る
ありがとう!!!!
ホントにありがとう!!!!
そうなんですよ、コンパクトエフェクターなのにここまでいろんなことが出来ちゃったら、
そりゃいろんな使い道で使いたい。
でも毎回イチから設定しなおしってのは大変です。
ってことで、POG2では自分好みのセッティングを8個まで保存しておくことが出来ます!
この曲では1番のプリセット、この曲では5番のプリセット、そんな感じで切り替えておけば1度のライブで
- 通常のオクターブ下(アタックタイム調整済み)
- 壁を作る上下2オクターブの超重厚サウンド(デチューンド)
- ギターソロをちょっとだけきらびやかにする上オクターブ
しかも!
ペダルを踏むごとにプリセットが変わるので、いちいちしゃがみ込んで選択する必要もなし!
最高じゃん!
もうこれマルチエフェクターじゃん!!
モンスターじゃん!!
ちなみに、難点を挙げるとするならばこのプリセットの順番。
1to8で一方通行です。
2番から1番にしたいときは
2,3,4,5,6,7,8,1と7回踏む必要があります。
ので、順番は考えて登録しておきましょう!
手を使ってよければこのつまみでグリグリと上行下行どっちも可能です。
ペダルで操作出来るようにしてくれたんだから、これくらいの不便はなんてことないね!
値段が高いorz
ELECTRO-HARMONIX / POG2
→サウンドハウス ¥30,800-
→サウンドハウス ¥30,800-
これでも以前より安くなったんです!!
(サウンドハウスさんは並行輸入品だから特に安い。メーカーサポートが効かないので注意。)
でもまだ高いなぁ……まぁこれだけのことが出来ればしょうがないんだけども、
ちょっとスパイス的な使い方しかしないとあればちょっとこのお値段は厳しいかもしれません。
でも人と違うアプローチをしたいって方や、
これのうまい使い方を思いついたって方には唯一無二の武器になりそうですね!
実際出来ることの幅や、それぞれの音のクオリティを考えたら4万円も納得です。
ELECTRO-HARMONIX 2014-06-13
デカい
コンパクトエフェクターにしてはちょっとデカいんですよね〜。
サイズは横幅144mm 奥行き119mm 高さ60mmです。
FulltoneのFull-Drive2よりちょっと大きいくらいです。
う〜ん……デカいなぁ。
いやでもいろんな使い方出来るし!
POG2おすすめセッティング
これはもう完全に個人の好み!
でもよかったら試奏のときの参考にしてくれたら嬉しいです。
王道オクターバーサウンドのセッティング
まずは普通に1オクターブ下を鳴らす王道オクターバーとしての使い方ならこんな感じ。
アタックタイムを少し遅らせて、ローパスフィルターでちょっとこもらせて、そしてちょっとだけレゾナンスで色付けをする。
このセッティングならPOGらしい立ち上がりだけれどギターらしいダル重感の両立が出来てるなと思ってめちゃめちゃいい音です。
オクターブ上でリードに煌びやかさを
次にオクターブ上を足すならこんな感じ。
さっきよりもちょっとローパスフィルターは弱めて高域まで明るくしました。
オクターブ上だもんね!
その分レゾナンスは弱めないとめちゃめちゃ目立ってしまうのでちょっとシンセっぽくなってしまうので一段階弱めました。
あとは倍音成分がもうちょっと欲しければホンのすこ〜しだけ2octUPを足すもよし!
それ以外のセッティングは、もはやセオリーのない自由すぎる海なので、むしろみなさんの作り出したセッティングを教えてほしいです!
待ってますー♪
nanoPOGとの比較
ここまでPOG2の魅力について語ってきましたが、
最後に、エレハモ社から出ている現行のオクターバー、nanoPOGとの比較です。
簡単に言えば、
nanoPOGはPOG2の一番基本の部分だけを取り出したエフェクターと言えます。
1oct下,1oct上のみ
POG2では1oct下,2oct下,1oct上,2oct上と上下に2オクターブずつ出せますが、
nanoPOGでは上下に1オクターブずつのみです。
本来これで十分なんですけどね!!
むしろ1オクターブ上を残してくれたってのがPOGらしいなって思います。
この超速度エフェクトはなんならオクターブ上を足すときに真価を発揮するような気がするんです。
シンセっぽいきらびやかな空気感とか、十分すぎるほどPOGサウンドです!
アタック,フィルター,デチューンがない
POG2を怪物エフェクターと言わしめている(言ってるのはわたしだけだが)のはこのアタックタイム、ローパスフィルター、デチューンの機能でした。
しかしそれらの機能がnanoPOGにはなにひとつありません。
なるほど〜。
でもまぁオクターバーとして使うなら別にいらないか。
デチューンとかローパスフィルターなんて普通のオクターバーに入ってるようなもんではありません。
フィルターのレゾナンスがいじれるオクターバーって……みんなそこまで必要?
ただ……アタックタイムだけはいじれた方がよかったかもな〜。
これの調整だけでオクターバーの質感が全然変わるから。
アタックタイムが最速の値で固定なので、ちょっと不自然なくらいに速いんです。
自然な往年のオクターバーサウンドを出すにはnanoPOGだとちょっと高音質すぎてしまうかもしれません。
セッティングの保存が出来ない
POG2では8個もプリセットを登録しておけましたが、nanoPOGだとひとつも保存出来ません。
現在のつまみの位置が全てです。
てかコンパクトエフェクターなんてこんなもんやで。
しかもつまみ3つしかないし。
なので、特にマイナス点にはならないだろうけども一応書いておきました。
ドライアウト/エフェクトアウトが独立している
これは唯一POG2になくてnanoPOGにだけある機能!
nanoPOGにはアウトプット端子が二つあります。
それはエフェクト音を出す端子と原音を出す端子。
それぞれ別々のアウトプットから出すことが出来るので、以降に原音にだけ歪みを足したり、ふたつのアンプに繋いだり完全に左右に振ったり……
アイディア次第で色々なことが出来ます!
もちろんそんなことする必要ないってときは普通にシールド1本でのアウトプットも可能です。
POG2にもしPOG3的な後継機が現れたらこれは採用されるのかなぁ〜でもプリセットでアウトプットセレクトとかはさすがに無理だろうなぁ……頑張ってほしいけども。
割と買いやすいレベルの価格
POG2が4万近くする中、nanoPOGなら3万円以内で買えます。
それでもBOSSのコンパクトエフェクターに慣れてると高く感じるけれど……超高音質高速検出オクターバーやで。
試奏してみれば納得するはず!
まとめ:POGはすげぇ
なんかめっちゃ頭の悪いまとめになってしまったけどwww
やっぱりPOG2はすごいっす。
nanoPOGでも十分いい音なんだけれど、
POG2のマルチに使える変態っぷりはたまらないね!
「あのソロの音はどうやって出したの?」
「じゃああの変なコード音は?」
「全部POG2だぜ!」
言ってみたいですねぇww
あなたの曲を新しい色に染めるELECTRO-HARMONIX POG2、是非みなさんも中毒になってしまえばよい!
ってことで今日はここまで。
最後まで読んでくれてありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!
ELECTRO-HARMONIX 2014-06-13