どうも、作曲家兼ギター講師してます、萩原悠です!

最近は生徒さんのギター選びの相談に乗ることも多く、中古ギターの相場や選び方なども改めて考える機会に恵まれました。

以前楽器屋で販売の仕事をしていた頃の経験も合わせて、このページに書き記しておこうと思います!

みなさんの楽器選びの参考になりますように。

なにかありましたら相談してくださいね!



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ネック


Used 13
まず大前提として覚えていてほしいこと、ギターのネックは曲がるのです。

思えば棒状の木であるネックに6本の弦をピンと張ってればそりゃ歪んできますわな。

それを防ぐために……というか、曲がったネックを真っ直ぐに調整するために、ネックの中には金属のロッドが入ってます。

それを回していくことによってネックの反りを直していくわけですが、ロッドには限界があります。

ロッドの限界まで回してしまうとそれ以上にはネック調整が出来ません。

ネック調整が出来ないということはネックの曲がり、反りを直せないわけで、ほぼ楽器としてはオシマイ状態です。

ネック自体を交換するって手もあるけれど、それではそもそも音も弾き心地も全然違ってきてしまうので最後の手段ですな。


フレット



フレットという部分、ここも長く使われたギターは消耗していきます。

具体的には、弦がぶつかる部分が摩擦で削れていくってことですね。

削れていくとその部分が谷状に凹んでいき、高さが低くなります。

しかし問題なのは高さが低くなることではなく、高さのバランスが崩れることなんです。

とあるフレットはよく使うから溝が深くなり、その隣のフレットはあまり使わないから高いまま。

こういう現象が起こると弦がビビってしまったり、正しい音程で鳴らなくなってしまいます。

これを直すためにフレットのすり合わせという作業があるのですが(素人が出来るものではない)、これにも限界があります。

限界まですり減らしてしまったらあとはフレットの交換で、費用は数万円かかります。

つまり、フレットの減っているギターほど安い値がついているというわけです。


ガリ



ガリというのは、ノブなどを回したときに出るザザっ的なノイズのことです。

本来正常な状態ならボリュームノブを回しただけじゃノイズなんて出るわけないんだから!

ただ、これは割と簡単に直るケースが多いです。

試奏したギターが全体的に気に入ったけどガリノイズだけがなぁ……

ってときは、店員さんに言ってみましょう(いやむしろ店員さんから言ってくるべきだと思うけれど)。

原因は大体ジャックやポットに埃たまっているだけなので、数分で直してくれるはずです。

家に持って帰ってから気づくと面倒なので、試奏しながらすべてのノブやスイッチをグルグルカチカチしておきましょう。

少しでもザラザラした音を感じたら直してもらってから買いましょうね!


付属品の欠品


Used 3
ギターにはいくつか付属品が存在するものがあります。

というかこのほとんどがアームですね。

ちょいちょいあります、アームなし状態での中古品。

これが最新のフェンダーとかだったらアームだけ買い足せばいいのですが(それでも数千円かかる)、

ヴィンテージ系とか生産終了してるモデルとかだと、全く同じアームを取り寄せることが出来ません。

ちょっと色が違うとか角度が違うとかならまだしも、そもそも穴にはまらないというモデルまであります。

これは絶対に確認するべきです!

あと、ノブがとれたままだとか、エンドピンがないとか、そんなケースもなくはないので……

あ!ケースもね!

ケースなしでの販売ですとか、楽器屋以外だとザラにあるし、楽器屋でも安いモデルとか特殊なモデルとかでは稀にあることです。

必ず確認を!


純正品以外への改造



これがまた難しい問題です。

バイクや車がそうらしいんですけど、ギターも純正品の状態から離れれば離れるほど値段が落ちます。

それはどんなにアップグレードしてあったとしても。

一番よくあるのが、ピックアップが載せ替えられているというケース

この場合、どんなに高いピックアップが乗ってても値段は下がるのですが、これを良しとするかは人それぞれ。

もしかして本家の純正ギターよりいい音になっているかもしれないけれど、

純正のギブソンのサウンドが欲しい方はダンカンピックアップに載せ替えられてたら嫌ですよね。

このあたりは音を聴いたりしながらじっくり悩みましょう!

また、先ほどお話したアームとか、内部のポットとか、ペグが一個だけとか取り換えられていることもあります。

しっかりとした楽器屋なら買い取ったときに判明してることがほとんどで、

「これってどこか改造してたりするんですか?」

と聞いてみましょう!


傷、塗装剥げ、金属パーツ錆び


Used 1
これはまず目で見て素人でもわかるポイントだと思います。

せっかく買うんだからボロボロのギターより綺麗なギターの方がいいでしょう。

ですが、これで値段が下がるので条件次第では傷ありギターも悪くないかもですよ!

音とあまり関係ない


ピックの擦り傷があったり、どこかにぶつけたような跡があったりしても、音にはなんら影響のないことがほとんどです。

だとしたら、楽器のクオリティとしては結構良いままです、音はいいんです!

外装の傷は中古ギターの値段が下がる要因のひとつなので、傷ありギターはその傷を気にしない人にとってはとてもお買い得です!

実際わたしがレスポールを手に入れたときもそんな感じで、ボディバックにベルトのバックル傷のようなものが多数あったという理由で値段が安くなってました。

しかしわたしは主にレコーディングで使うつもりだったため、傷があったとしても全然問題ない!

しかもボディバックでしょ、全然目立たないよ!

わたしがこのとき買ったのはGibsonのヒストリックコレクションという高級機だったため、ちょっとの傷でも嫌がる人は嫌がります。

レスポールなんて伝統工芸品みたいなものですから。

だからこそ値段が安くなってて、わたしにはラッキーでした!

こういうこともあるから中古って面白いですよね!

傷の程度や場所によって値段が違う


傷や汚れに関してはつまり、見た目の”印象”にどれだけ影響を与えているかという判断のようで、厳密に何センチの傷がいくつだから……とかにはなってないっぽいですね。

同じ傷でもボディトップとボディバックと、どこにあるかで値段は違うということですね。


音に影響あるかもな場合



傷が汚れがあるということだけでは音に影響しません。

“だけでは”ね。

というのも、ボディ全体が汚れ放題に汚れているギターは、それだけで古いギターだということがわかります。

となると内部の劣化やパーツの摩耗とかの可能性があるじゃないですか。

また、大きな傷が無数にあるギターはそれだけ過酷な使われ方をしているということです。

「傷や汚れがあるから内部もどこか悪いはずだ!」と必ず疑えというわけではないのですが、

一応ね、どこか壊れているところがないかなどチェックをする必要がありそうです。


保証


中古品である時点で、メーカー保証はほぼ消滅していると言っていいでしょう。

Gibsonや神田商会の管轄ギターはオーナー登録制だから他の人はサポートを受けられないし、

もし保証書を持ってるだけで効力がある場合でも、だいたい1年保証だったりするので、

中古で次の持ち主の手に渡るころにはとっくに切れてることでしょう。

しかし、一応大手の楽器屋さんなら販売店独自の保証を設けていることがほとんどです。

まぁほとんどが初期不良に対する保証ってことで、

一ヶ月〜三ヶ月くらいですが、シモクラ楽器やイシバシ楽器では1年の保証がついてます。

まぁこの2社は国内中古ギター市場のツートップですからね、さすがです!

だいたい保証内容はネックの調整とか、そういうところになります。

断線したりパーツの消耗とかは対象外ですが、やはり保証をつけてくれているとなると現状にも安心出来るような気がしませんか?

金額


いまさらになって値段のお話です。

これは新品と中古でどちらがお買い得なのかというページでもお話しましたが、

中古品は値段がまちまちです。

というのも、中古品は一概に値段がつけられず、一本一本の状態に依存するからです。

買ったばかりでほとんど新品同様なのに売りに出された中古と、10年間弾き倒された中古、

同じギターでも傷や汚れ、消耗が同じなわけはないですよね?

つまり、このページで書いたすべての項目によって値段が変わってくるんです!

ネック調整のロッドがほぼもう限界ならば値段は安くなるし、

付属品のアームがない、ケースが純正じゃない、配線が改造されている、傷がある、

それらすべてのことが値段を少しずつ下げる要因になります。

でもそれは見ようによってはチャンスで、

ピックアップが別売り1万円のモノに交換されているのに値段は安くなっている、

ペグがちょっと高級なロック式になっているのに安くなっている、

アームなんてぶっちゃけ使えればなんでもいいけど非純正だから安くなっている、

別にオッケーじゃないですか?

現に自分はギブソンのヒスコレを買ったときもヤマハのBBを買ったときも、

多少なりともデメリットを抱えた個体でしたがその分安く買えました。
(詳しくはコチラを参照)


まとめ:中古は奥が深い


さてさて、中古ギターを選ぶときのポイントをまとめてみました。

新品より難しいですね。

メーカーが保証しているスペックじゃないことも多いし、

「これのサンバーストがあればなぁ〜」

なんて色の希望も通りません。

完全にそこにあるその1本を、その状態で気に入るかどうかです。

しかもすべてが一点モノ!

だからこそ中古が奥が深い。

じっくりと吟味したいけどじっくりしすぎると他の人にとられてしまう。

そこにロマンを感じてしょっちゅう楽器屋さんをウロウロしている夢追いおじさんもたくさんいるくらいです。

せっかくのお買い物です、納得いくまで検討すると同時に、

これだ!と思ったら即買いましょうwww


ってことで中古ギターの選び方でした!






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