どうも、実はローズウッドのアロマをお風呂に垂らして優雅に生活している萩原悠です!

ローズウッドアロマ大好きな件について詳しくはこちらで。


大変な事件が起きました。

いやそれ自体は事件ではないんだけど、そうせざるを得ないくらいに深刻なことになっていたようです。

ギターなどの楽器によく使われている木材ローズウッド全種が、ワシントン条約によって輸出入の規制がかかってしまいました!

LOST ROSEWOOD

スポンサーリンク

ワシントン条約とは


ワシントン条約、通称CITES(サイテス)
Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(後半が略語に活かされてないww)

絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
ーwikipediaより



まぁつまりは絶滅危惧種をみんなで守ろうよっていう約束のことです。

その種の危険度によって”許可がないと輸出出来ない”とか”学術目的でのみ可能(商品にすることは不可)”などランク付けがありますが、

基本的にはこのワシントン条約に登録されてしまうと、登録されていない種より希少ということになります……逆やな、希少だから登録してみんなで守ろうってことになるわけです。


ちなみにワシントン条約の対象動植物にはジャイアントパンダ、シロナガスクジラ、ケープペンギン、オラウータン、セイウチ、サボテンなどがすでに含まれており、
ここに2017年からはローズウッドの3種を含むツルサイカチ属の木材も含まれることになりました。

これによりローズウッドは全ての種が規制対象となります。


ROSEWOOD(ローズウッド)とは


ギター達横600
木材の一種です。

なにに使われているかというと…

楽器に使われることが多いようです。

ギターの指板、左手が抑えるところ、ここが黒っぽいやつはほとんどローズウッドです。(まぁエボニーも結構あるけど、もうここは勢いだ!笑)

そしてアコギのボディ、あれにローズウッドを使っているものも多いです。(ここも勢いだ!orz)

アコギの場合弦を止めてるピンもローズウッドだったりするし、ピッコロとかオーボエとか、リコーダーを含む木管楽器も、マリンバ、シロフォン、カスタネットなどの打楽器もローズウッドを使用しています。

そんなローズウッドが規制されます。

“ローズウッドの木”が規制されたわけじゃないんだぜ。

“一部にでもローズウッドを使ったすべての製品”規制対象なんだぜ!

国内でギターが作れなくなるんじゃないぜ?

国内にギターが入って来なくなるんだぜ?

ギターだけじゃない、楽器だけじゃない。
家具や彫刻、アロマオイルも全部が規制対象なのです!!

そう、これは事件です!!


何故規制されたかの背景


そもそもなんで規制されたのでしょうか。

まぁ簡単に言えば切り過ぎですねw
でもそういう環境問題自体が最大の理由ではないようです。

ローズウッドって他の木に比べて腐食しにくい上に硬いので、加工は大変だけど製品として扱いやすいんですね。

すぐ壊れるタンスとかすぐにカビるテーブルなんて嫌でしょ?w

それでとても需要のあった木材なのですが、それ故にどんどん使って、次第に数も減り、価格は高騰し…そこに目を付けたならず者達が勝手にその辺の木を伐採して勝手に売り飛ばしたそうです。

調べてみたら200億円分くらいだってwwww

想像がつかないwww

こっそり切ってこっそり売り飛ばしたのかと思ったけどこりゃそうじゃねーなw

そんな悪い子ちゃんたちを取り締まるために、今後はちゃんとした証明書がないと国外に持ってってはいけませんよと、そういう条約が出来たわけです。


ちゃんとした証明書があれば大丈夫


ローズウッドの場合はまだとりあえずレベル1のようで、完全に輸出が出来なくなるわけではないようです。

よかった!

全く日本に入って来ないわけじゃなさそうです!

輸出する側がちゃんとした手順を踏んでちゃんと認可を取れば輸出できるようです。

そうか、全滅ってわけじゃないのか!!

今までよりは少なくなりそうだけど、ちゃんと入って来る!

でも認可が必要ということは…

今後価格のさらなる高騰が?


物の値段ってのは割と“どれだけ希少か”によって決まるところがあります。

つまり今後ローズウッド材を使っている楽器は価格が高騰する可能性があります。

価格が上がったってローズウッドを使ったギターの売れ行きが悪くなるわけじゃなさそうだし。


独占商売に似た感じで、いくら高くてもその値段で買うしかないとなったらきっと売れるでしょう。
このローズウッドの規制を知ってる人には。

つまり、誰が損をするのか……

ローズウッドの価格が上がったら


恐らく最初にダメージを受けるのは製造工場でも消費者でもなく、販売店なんじゃないかなぁと思います。

販売店は店にモノを置かなきゃいけないから、仕入れ値が上がってもまぁ買いますよね。
でも消費者はそんなこと知ったこっちゃなく、「思ったより高いから買うのやめよ〜」ってなりますよね。

これは板挟みで潰れるぞ!

まぁきっとそのうち輸出認可を受ける企業も増えてきたら価格の高騰も少し収まると思うので、それまで耐えてもらいましょうね。

ただ、木だからな〜しばらく抑制しててもそんな数年じゃあ木って育たないからなぁ。

一般消費者への影響


条約で規制されたぞー!って瞬間とかは、個人で海外に持っていくのも難しいんじゃないかという噂が流れました。

空港で罰金(一応税金っていうの?w)だとか没収だとか、持って出国は出来ても入国で引っかかる国もあるとか。

でも一応そんなこともないみたいです。

個人で自分の一本を持っていくくらいなら全然問題ないそうです。

ただ海外で大量に仕入れて自国へ持って帰る、とかはちょっとヤバいみたいですね。

サウンドハウスさん頑張って生き残ってください!!!


規制対象種が使われている製品の所持について


「規制になる前に買って今持ってるんだけど、これってなんか罰せられるの?」

いいえ、大丈夫です!

今お持ちの楽器については全然なんの罪にもなりませんので、これからも大事に使ってやってください。
もちろん今国内にあるギターも大丈夫……というか、一般人がなにしようと条約違反になるようなことはそうそう出来ません。

規制されたのちに市場に出回っているので、それを買うも買わないも自由だとわたしは思います。

“絶滅危惧種の木材が使われているギターを買うことは自然破壊の一端を担っている”

とか言うつもりも今のところは全然ありませんし、
やっぱりわたしもメイプル指板よりローズウッド指板のギターの方が好きです。

個人的には鯨の肉はあんまり食べたことないけど、それが好物である人を責めることもしません。
これは環境や他の生物への配慮関心が欠けているというご意見があればコメントなどでいただけたらと思います。


ベイクドメイプルという代替木材の台頭


主にエレキギターにおいて、ローズウッド材は指板によく使われます。
白いネックはメイプル材、黒いネックはローズウッド材かエボニー材が一般的です。

2011年、レスポールでおなじみのギブソン社が、FBIの強行立ち入り調査によりローズウッド材を全部没収されてしまいました。

なんでFBIが動くような事態になったかって?

不当なルートから仕入れてるのがバレたからだよ!!

(絶対先述の”悪い子ちゃん”と関係あるだろwwww)


ってことで、苦肉の索でレスポールなどの指板に新しい木材を使うようになりました。


それがベイクドメイプル

焼きメイプル。

なんか美味しそうやんwwww


もうこんなイメージですよねw


Maplee
ギブソンはベイクドメイプルって名前で発表しましたが、他者も同じようなことをやっています。
ローステッドメイプルサーモウッドがそれにあたり、つまりはメイプルという白い木を焼いて黒くしているのです。

もちろんネックが完成してからバーナーで焦がすわけじゃなくてもっとちゃんと木材の段階で焼いてるんだからね?ww

ギブソン社はやっぱりローズウッドが使えなくなってもレスポールのネックを白色にするなんてことは会社のプライドが許さなかったのでしょう。

実際見た目はすごくよくできていて、見慣れている人が近くでよく見比べればメイプルであることがわかる、それくらいローズウッドっぽくなっているらしいですよ!

“メイプルらしい立ち上がりの速さと明るい高域が自慢の新素材!”
的なこと言ってすごく革命的に宣伝してますが、どう考えても苦肉の策ですね。

ストックしてたローズウッドは全部没収されてしまいましたが、その後また徐々に仕入れが再開してきたらベイクドメイプルは影を潜めてローズウッド指板が復活、今ではすっかりローズウッドを使うようになってきましたが、

なんだかんだ言って色んな荒波を乗り越えてきてるんですね。

ベイクドメイプル、今度機会があったら弾いてみようと思います!



まとめ ローズウッドが貴重である時代が来るのか


1992年に、ローズウッド科の中でもいち早くブラジリアンローズウッド、通称ハカランダと呼ばれる木材がワシントン条約にて規制されました。

ハカランダは結構ランクの高い規制がかかってしまったのでハカランダ製のギターはほぼその瞬間に絶滅しました。
しかしハカランダ事件を乗り越えられたのはひとえに、
“ハカランダはローズウッドより広く使われているわけではない”
ということにつきます。

ローズウッドはもう色んな楽器の色んな部分に使われています。

今回はそこまでランクの高い規制ではありませんので今すぐにどうこうって問題ではありませんが、
恐らく今後はベイクドメイプルのような代替材質がどんどん出てきて、
「へ〜これローズウッド材が採れた時代のギターなんだぁ!」
っていう日が来るのかなぁと思うと、
2017年1月の条約改正はギタリストたちにとって大きな曲がり角の始まりなのかなぁと思ったりするのでした。


追記:案の定在庫不足


※この部分だけ2017年4月末に追記しています。

本格的にローズウッドの規制が始まってから数ヶ月、とりあえず価格の高騰は起きていません。

しかし、メーカーによっては在庫がとても不安定になっているようです。

なので販売店にも特定のモデルが入って来ないし、通販ページでも在庫なし表記が続いています。

一応メーカーによっては5月末に少数入ってくるということも言ってるようですが、はたしてどうなるやら……

追記:Epiphoneがパーフェロー材の使用を開始


※この部分は2017年8月に追記しています。

各メーカーがじわじわと代替木材を使い始めているようです。

Gibsonの子会社であるEpiphoneはローズウッド指板の代わりにパーフェロー材を使うという発表がされました。

追記:日本製Fenderの価格高騰


※この部分は2017年11月に追記しています。

いわゆるフェンジャパ、現在では本家フェンダーに統合されたフェンダーの日本製ラインナップですが、

2年前に始まったクラシックシリーズをあっさり捨てて、トラディショナルシリーズとしてリニューアル展開するそうです。

まぁちょっとだけ仕様は変わったけれど……普通それで10%以上値段上がるかね?

これは憶測ですが、やはりローズウッド問題もひとつ引き金になっているんだろうなと思います。

ローズウッドを使っていない、メイプル指板のギターも同時に上がってるのでなんとも言えない……というかカモフラージュでしょうね!!



また進展があったら追記していこうと思ってます。

そいでは、萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!