どうも、正にFANTOMに憧れてた世代の萩原悠です!

ROLANDから新たに発表になりました、ワークステーションシンセサイザー”FANTOM“!!

軽く触ってきたのでレビューします!

最新音源エンジンZEN-Coreによるアナログシンセ的なアプローチ、

V-Pianoテクノロジー音源による超リアル生ピアノサウンド。

豊富で使い易い機能と万能すぎる入出力。

これが新時代のデジタルオーディオワークステーションだ!

Fantom 00

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ファントムとは


そもそも、何故今回の最新シンセサイザーがそんなに話題になっているかというと、

2000年代前半、デジタルシンセサイザーで出来ることが大幅に増えて行った時代、

まさにそのときにリリースされたRolandのフラッグシップシンセサイザー。

それがFantomという名前だったのです。

そのFantomが復活したってんだからそりゃみんな大騒ぎですよ!


最新Fantom






それがコチラです!

なんか、Rolandっぽくないデザイン!

それもそのはず、今回Rolandはその歴史上初めて、社外のデザイナーにデザインを依頼。

Studio LogicのSledgeや、Minimoog Voyager、AndromedaA6などのデザインを担当したAxel Hartmann氏とのコラボデザイン。

たしかにかっこいいわ!

また、これまでFantom GとかFantom XとかFantom Sとかの名前でしたが、

最新のファントムは”Fantom“です。

これに鍵盤数違いのラインナップなのでFantom6(61key)だとかFantom7(76Key)だとかFantom8(88Key)だとかの名前になります。





で、そんな満を持して出てきたFantomの最新モデルは果たしてどんな特徴があるのでしょうか!

Fantomの特徴





とりあえずさらりと一通り触らせてもらえたので、Fantomの特徴、押しポイントをまとめてみましょう!


SCENEという概念


Fantom 4
Fantomの基本的な概念として、Scene(シーン)という構造で全体が動いています。

ひとつのSceneの中に16のZone(音色)を持たせることができ、

それぞれに音量やパン、鍵盤域の設定が可能です。

Fantom 12
Sceneはそれらの16のZoneと、シーケンスパターンやエフェクトなどを一括管理するプロジェクトファイルのようなものです。

これらをタッチディスプレイで選択しながら音色を切り替えて演奏をしていくというのが基本的な使い方になると思います。

Fantom 10
Sceneを移動するときに音切れはなくディレイやリバーブなどが不自然に切れてしまうこともありません。

鍵盤を押したままSceneを切り替えると押し続けてる鍵盤だけは前のSceneの音と設定を維持し、

新しく弾く鍵盤は変更後のSceneの音が鳴ります。

音色を素早く切り替えて曲を演奏しなければいけないキーボーディストにとってめちゃめちゃ頼もしい仕様です!



ZEN-Core





今回最新Fantomの一番のウリと言ってもいいかもしれません。

ZEN-Coreという新しい音源を搭載しています。

Fantom 15
これまでRolandの最高音源と言えばINTEGRA-7などに用いられているSuperNATURALサウンドエンジンでした。

今回Fantomの最新フラッグシップモデルがリリースされるということで、

当然このINTEGRA-7が搭載されるのかと思っていましたが、

ZEN-Coreという聞きなれない音源。

どうやらJD-XAなどに使われているVA(Virtual Analog)技術を元に、

更にアナログらしい音とレスポンスを作れるようになったという新音源です。

従来のPCM音源との見事に融合し、生音系でもクオリティの高いサウンドが膨大に収録されています。

音色数は次項で紹介するピアノ音源と合わせて3500を超えるとのこと!

数で言うとINTEGRA-7が6000超えで見劣りするけれど、

実はINTEGRA-7に入ってる中でSuperNATURAL音源はその半分以下くらいだったので、

ZEN-Coreクオリティのが3000となると、数で物足りなくなることはないはずです!


V-Piano





Rolandの電子ピアノ部門の技術の結晶であるV-Pianoテクノロジー音源

個人的にはサンプリングピアノ音源の中で今一番素晴らしいんじゃないかと思ってます。

元々V-Pianoというテクノロジーの名をそのまま製品にしたV-Pianoという電子ピアノがありましたが、

その音源部分をがっつり受け継いでいるというわけです。


フィルター





今回Fantomをいじってて一番面白いなと思ったのは、

フィルターがかなり強力になっていることです!

専用のADSRノブをいじることによりリアルタイムにグリグリと操作できるのはもちろんのこと、

Fantom 14
その設定がリアルタイムに大型ディスプレイに表示され、

レゾナンスをキツめにするとガッツリと発振します。

Fantom 16
ZEN-CoreVirtual Analogをうまく取り入れて進化させたというのを一番感じる点ですね。

本当にアナログシンセをいじってるみたい!

シンセサイザーのシンセサイザーたる所以を楽しめます!

61key,76keyはハイエンドセミウェイテッド鍵盤


88keyはPHA-50鍵盤


88KeyモデルのFantom8だけは鍵盤自体の材質が違います。

それがRoland自慢のPHA-50鍵盤

Rolandの家庭用電子ピアノの上位機種や最強ステージピアノRD-2000のみに使われている鍵盤で、

プログレッシブハンマーアクションの略称であるPHAの、50というバージョンです。

前モデルのPHA-40と比べてもより自然なタッチになっていて、

ワークステーションシンセサイザーでこの弾き心地であればピアニストも納得してしまうはずです!

16個のPADも搭載


Fantom 7
今回の新型Fantom、ぶっちゃけルックスがちょっとYAMAHAっぽい、もっと言うとYAMAHAのフラッグシップデジタルシンセサイザーMODXに似てるなぁと思っていましたが、

本体パネル右側にあるこの16個のPADを見れば、

あ、やっかりRolandだなぁと思うと思います。

こちらにはポン出しのSEなどを入れておくもよし、ループ素材を入れておくもよし。


そのまま卓に送れるXLRキャノンアウト


Fantom 23
キーボードをスタジオやライブで音出しするときには一度ボーカルとかと同じくミキサーにつなぐ必要があります。

ミキサーまでちょっと長い距離引回すならギターと同じTS端子のケーブルではなくマイクと同じXLR端子の方がノイズが少ないため一般的にはこちらが使われます。

だからライブハウスにキーボード持ち込むとD.I.に繋いでそこでXLRに変換してるわけですね。

それが、Fantomは最初からXLR端子での出力が出来るため、

最初からノイズに強い音声を扱えるというわけです。

便利!

DAWとの連携も良好


Fantom 25
これも最近のRolandシンセサイザーの得意技です。

大手ブランドのDAW(デジタルオーディオワークステーション。宅録用ソフトと思ってもらってOK)とのシームレスな連携が可能で、

たとえばLOGICやCUBASEの各トラックのオンオフや音量などをFantom本体から操作出来ます!

Fantom 13
製作時のコントローラーとしても作業効率が爆上がりするし、

ライブでプラグインシンセサイザーを使うときなんかにも大活躍です!

オーディオインターフェイス機能


Fantom 26
DAWとの連携と言えばやっぱりこれです。

オーディオインターフェイス機能!

USBでパソコンと繋げば、Fantomのインプット/アウトプット端子からパソコンへと音声をやり取りできます。

つまり、ギターのRECとかも

[ギター→エフェクター→Fantom→PC]

という形で録音できちゃうわけですね!

そしてDAW上の音声もFantomのアウトプットからスピーカーへ、

もしくはヘッドフォンで聴くことが出来るため、

別途オーディオインターフェイスを購入する必要がありません!

16ステレオイン/3ステレオアウトという、オーディオインターフェイスとしてもかなり高級機種の仕様。

たとえば、ライブで流す同期をFantomから再生するってことも出来ますね!

改めてラインナップ紹介






Fantomの61鍵モデル。

一番手軽に手にはいるFantomで、

重量は15.3kg

下位モデルのJUNO-DSが5.3kg、FAが5.7kgなのに対してかなり重いですが、

これは鍵盤が上質になっているのと、ボディ自体の丈夫さが格段に上がっていることに由来します。

(一応”パーツが多い”ってこともあるけど、それはおそらく微々たる差)



当たり前ですがこのあとに紹介するFantom7やFantom8に比べてサイズも小さいので、

頻繁に持ち歩き、あまり本格的なピアノアプローチをしないという方にはこのFantom6がおすすめです。


続いては76鍵モデル。





横幅が20cmほど伸びて、奥行きや機能、音色、鍵盤は全く同じ。

つまり本当に鍵盤数だけが違います。

物理的にサイズが変わっているので、重量は17.7kgにアップ。

う〜んちょっと重いかなぁ。

ちなみに76鍵ってのは下はEまで、上はGまでという仕様で、

個人的にはちょっと見にくくてあまり好きじゃないです。

しかもFantom6に比べて随分値段も上がってる気がする……鍵盤数が違うだけなのに……。

そして最後はピアノと同じ88鍵モデルFantom8です。






横幅が更に20センチ広がり、重さはなんと27.7kg……重い。。。

他のFantom6やFantom7と比べて鍵盤自体の質が違うのでそりゃしょうがない、

RD-2000と同じ鍵盤なんだから……

と思ったけど!

RD-2000より重いやん!!

と思ったら、鍵盤の下にこれかなり強めな板が入っているようです。

(外からは見えないよ!)

というのも、やはり鍵盤が重くて全体に左右に大きいので、普通に作っただけだと筐体がたわんでしまうんです。

もちろん目に見えてぐにゃんとはなりませんよ?

でもホンの数ミリのたわみでも演奏者のちょっとしたタッチのニュアンスを大きく左右してしまいます。

これまでのステージピアノユーザーから

「重くてもいいからたわまない楽器を作ってくれ!」

という熱望の声が多かったらしく、

今回FATNOM8でそれを実現。

この部分のせいでこんなにも重いんですね。

ちなみに、強度を増すために奥行きも少し大きくなっています。

まとめ:最新最強ワークステーション


Rolandは長らくこのクラスのデジタルシンセサイザーがない時期が続きました。

KORGがKRONOSを、YAMAHAがMOTIFやMODXを推してる間、

RolandはエントリーモデルのJUNO-DSとそのちょい上モデルのFAだけ。

なんでもかんでもやりたいキーボーディストはRolandじゃ物足りないという風潮でしたが、

ついにここで!

Rolandが本気を出してきました!

V-Pianoテクノロジー音源によるピアノはもちろん、

最新エンジンZEN-CoreによるバーチャルアナログサウンドはKORGやYAMAHAに比べてかなり美味しいです。

最近のHi-Fiだけどシンセも活用するというバンドでは大活躍でしょうね!

世界最大の電子楽器メーカーRolandの最強シンセ、是非導入してみてください!

最後まで読んでくれてどうもありがとう!

萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!