どうも、NORD欲しい!萩原悠です!
真っ赤な筐体が魅力的なキーボードシンセサイザーNORD。
でも実はNORDってシリーズがたくさんあるんすよ。
- NORD LEAD
- NORD ELECTRO
- NORD PIANO
- NORD STAGE
……なにが違うねん!
見た目じゃ違いがよくわからん。
でもたしかに違う機種です。
使い道によって全然違います。
このページではそんな各機種の違いと、どんな方におすすめかをまとめます!
NORDとは
スウェーデンのキーボーディストHans Nordaliusさん。(ノードの名前の由来がここに!!)
プレイヤーとして活躍していたHansさんは一方でシンセサイザーの製作もしていて、
なんなら自分のために、どうにか機材をもうちょい小型化出来ないかと考えておりました。
(当時はまだシンセサイザーが箪笥サイズだったので。)
1983年にClaviaとして会社を立ち上げ、電子ドラムなどが話題になりその後のシーンに影響を与えました。
1995年、お待たせしました!
Clavia社初のシンセサイザーとなるNord Leadが発表になります。
これは世界初のアナログモデリングシンセとしてシンセサイザー業界のひとつの革命となりました。
Nord Leadのヒットを機にClavia社、そしてNordの名は一躍有名になり、今では世界のトッププロに愛されているというわけです。
Nordの機種、歴史
1995年 | Nord Leadリリース/ノードシリーズの始まり |
1997年 | パソコンと繋いで使うシンセ、Nord Modularをリリース(当時はすごいことなんやで!) |
1998年 | Nord Leadのちょい改良版、Nord Lead2をリリース ハーフラック型外部音源、Nord Rackをリリース |
2001年 | エレピとしての使用に特化したNord Electroをリリース。ドローバーもついてる! Nord Lead3リリース |
2005年 | なんでも出来る超万能機Nord Stage降臨 |
2007年 | オルガンに特化した、というかもはや最高のコンボオルガン、Nord C1 オシレーター部に様々な波形サンプルを内蔵したNord Waveリリース |
2008年 | Nord StageがNord Stage EXにバージョンアップ Nord Electroのヒットを受けてNord Electro 3にバージョンアップ |
2009年 | コンボオルガンC1がNord C2にバージョンアップ |
2010年 | ステージピアノの決定版Nord Pianoリリース |
2011年 | Nord Electro 3-HP73リリース Nord Stage 2-HA76リリース Nord Stage 2-SW76リリース。HPとかHAとかそういう表記が始まる。 |
2012年 | 好評につきさらなる改良型Nord Electro 4をリリース Nord Piano 2-HAリリース コンボオルガンNord C2Dリリース |
2013年 | Nord Lead 4リリース Nord Piano 2-HPリリース |
2014年 | Nord Lead A1リリース |
2015年 | Nord Electro 5リリース |
2016年 | Nord Stage EX 2リリース |
2017年 | Nord Stage 3リリース |
こんな感じで、Nordはいくつかのシリーズがあり、
それぞれナンバリングされることによって徐々に改良を重ねられて現在にいたっているというわけです。
HA,HP,SWは鍵盤の違い
2011年以降のモデルにはHAとかHPとかSWという表記がついている製品があります。
これがなにを意味しているかというと、鍵盤の作りが違います。
それによって弾き心地が違うので、どのように使いたいかによって鍵盤のタッチを選べるというわけです。
HA-ハンマーアクション
ハンマーアクションとはまさにアコースティックピアノが音を出す方式のこと。
Nordの最高級ウェイテッドハンマーアクションはその生ピアノのような弾き心地を追求するために作られ、
Nord StageやNord Pianoに使われています。
もし本格的なピアノらしい弾き心地を求めているならば、型番の最後にHAとついている機種を選びましょう!
HP-ハンマーアクションポータブル
語尾にHPとついている機種が積んでいるのはハンマーアクションポータブルという鍵盤の型です。
HAの鍵盤を少し軽くすることによって弾き心地を軽くしています。
生ピアノほど鍵盤が重いと疲れてしまうという方や、もうちょっとオルガンやシンセの弾き心地を重視したい方はこのHPがいいかもしれません。
鍵盤が少しずつですが軽いわけです。
それが73個とか88個もあったら……そうです、Nord自体の物理的な重さもHAの型よりHPの方が軽くなります!
これは大きいメリットですね!
SW-セミウェイテッドウォーターフォール
Nord Electroなどで採用している軽めの鍵盤。
生ピアノのように弾きたい方にとってはちょっと軽すぎて使いにくいけれど、
シンセとして、オルガンとして、エレピとして、リズムや小回りを重視する方には是非おすすめ!
白鍵の先っちょが丸くなってるので、手のひらグリッサンドをやっても痛くない!
これ助かりますね。
鍵盤数は数字にて
ちなみに、さっきの年表では省いたのですが、Nord Stageなどには型番のうしろに88とついてたり76とついてたりします。
これは鍵盤の数を意味します。
つまりNord Stage 2 EX HP76とあれば、これはハンマーアクションポータブル(ちょっと軽いピアノ鍵盤)の76鍵盤シリーズということです!
慣れればわかりやすい!
【Nord】Lead,Electro,Stage,Piano
さて、だいたい型番の見方がわかってきたところで、ようやく本題です。
ノードのシンセサイザーは結構なシリーズの数になってきまして、今でも大人気です。
しかし実は細かい違いまでよくわかってないという方もいるのではないでしょうか。
ステージで誰かが使っている真っ赤なシンセサイザーに憧れて、自分も欲しくなったけど、
実際どれがいいのかまではわからない。
ってことで、現行機種の中から
- Nord Lead
- Nord Electro
- Nord Stage
- Nord Piano
の4製品の違いをまとめます!
Nord Lead
ノードの最初期モデル。
世界初のアナログモデリングシンセとしてシンセサイザーの歴史を変えた赤い衛星。
アナログシンセサイザーとして使うことを前提としているため、生楽器のシミュレーションはお門違い。
サンプリング音源の質がどんどん高くなっている今の時代でのノードリードの使い方は、
まさに個性的で目立つシンセサイザーサウンドを奏でることです。
テクノ系やEDM系に使うには最高ですが、
バンドのキーボードを担当することになった人が初めて買うのはおすすめしません。
全てのノブやパラメーターが目に見えて手に取れる、これがアナログ機器のいいところですよね。
デジタル化のいいところは自動化と小型化。
しかしそれではおもしろくないって方にはこのNord Leadは最高に楽しく頼もしいです。
ちなみに現行機種にはNord Lead 4とNord Lead A1の2機種がありますが、
後発であるNord Lead A1の方がちょっとだけ出来ることも多い上に3万円くらい安くなってるのでとりあえずこちらがおすすめです!
Nord Electro
エレピとオルガンサウンドに特化したNord Electro。
生楽器系はやはりそれほどではないけど、Nord Leadと比べると大分使える。
極上のアコースティックピアノバラードを奏でようと思うとちょっとしょぼくなってしまうけれど、
それを補ってあまりあるほどにエレピのサウンドが魅力的で、プリセットを端から聴いていくとどのサウンドでも気持ちよく弾けてしまうはずです。
音域が下はEから、上もEまでとギターやベースと合わせてあることからもわかるように、
とにかくバンド向けのNordと言えましょう。
そしてNord Electroの最大の特徴はオルガンのドローバーがついていることです。
オルガンサウンドはドローバーの抜き差しで大きく音を変えることが出来るため、
これを直感的に触れるというのはとても魅力的……というか、オルガンサウンドを出すなら実は必須でしたね。
その他にも、最新機種のNord Electro 5からはレイヤーやスプリットの簡単に出来るようになり、エンベローブもすぐにいじれて、エフェクトは多くはないけれどエレピやオルガンに最適なものがぎゅっと詰まってる、
そしてこのクラスのエレピにしてはわりと軽め。
まさに鍵盤弾きのためのロマンの集合体、それがNord Electroだ!
ラインナップは61鍵盤のセミウェイテッド。
73鍵盤のセミウェイテッド。
そして73鍵盤のハンマーアクションポータブル。
つまり73鍵盤だけはピアノっぽいちょっと重めの鍵盤にするかどうかが選べるというわけです。
ただし!
ドローバーがカチカチと操作出来る本物じゃなくなります。
ボタンを押して光るタイプ。
はっきり言って、リアルタイムの操作には向きません。
もちろん全ての物理ボタンが立ち上がってるからリアルタイム操作出来るけど……
ドローバーってそういうんじゃないじゃん!わかる?この気持ち!!
ってことで、NORD ELECTRO 5D 73がオルガン向けのNord Electroで、
NORD ELECTRO 5D HP73がピアニスト向けNord Electroってわけです!
ちなみに、どちらのドローバーでもプリセットの保存&読み出しは可能です。
追記!!Nord Electro6リリース!!新しくなった点をコチラでまとめました!
Nord Stage
Nordシリーズの現在のフラッグシップモデル、いわゆる全部乗せNordです。
最大のメモリー容量に贅沢に津め込まれた最高の音質。
ピアノの音も素晴らしいし、
Nord Leadクラスのシンセサイジングが可能、
Nord Electro譲りのドローバー(ボタン式の方だけど)もある。
そしてなによりこのNord Stageはパッチを切り替えても音切れしないというとてもありがたい仕様。
これが出来ないからスプリット機能でどうにか繋がなきゃいけないキーボードってたくさんありますからね。
→キースプリットの基本と役立つ使い方
こんなにもなんでも出来る、なんでも揃ってるスーパー万能Nordですが、
実は生楽器系のサンプルはNord Pianoの方が多く、
Nord Leadの方がオシレーターが豊富だったり、
Nord Electro(とNord C2)にしかリアルドローバーがなかったり、
そうやって各モデルの特徴的な部分をちょこちょこ省いていることによってNordファミリーは全機種が人気になっているといえるでしょう。
Nord Piano
もはやこれはピアノじゃ!
極上のピアノサウンドを多数収録し、電子ピアノとしての使い勝手を極めたモデルです。
スーパーなんでも出来るNordであるNord Stageよりも生楽器系に特化していて、
ベル系、弦楽器系(ギター等を含む)を鳴らすのはNord Pianoの得意分野です。
他社のステージピアノと同じくシンセサイジングにそれほど重きをおいてないモデルなので、その分操作は簡単です。
とりあえず音を選ぶ、
もうちょっとアタックを硬くしたければエンベローブをいじる、
コーラスをかけたい、リバーブをかけたいなら該当箇所をすぐに操作する、
ものの数秒で目当ての音が、しかも最高の音質で飛び出します。
まとめ:Nordを正しく選んで正しく使え!
さてさていかがだったでしょうか。
あなたにぴったりのNordは決まりましたか?
ぶっちゃけNordは安くありません。
同じようなことが出来るシンセサイザーや電子ピアノなら、他のメーカーからもっと安く出ています。
しかしNordにはNordでなければいけない不思議な魔力があります。
同じスェーデン発のインテリア店IKEAでカートに乗って写真を撮るより、
Nordをステージ上で使いこなす方がよっぽど“いいね!”ですよ。
ではでは、今日はそんなところでおしまいです。
最後まで読んでくれてありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!