どうも、やっぱりピアノ鍵盤じゃなきゃね!萩原悠です!
YAMAHAの新しいステージピアノが発売になりましたね!
いや〜びっくりした、今までのCPと全然違う!
ってことで、CP88とCP73のレビューをしたいと思います!
それぞれの違い、過去のフラッグシップモデルCP4との違いもまとめてみます。
CPシリーズとは
そもそもCPとは、世の中のステージピアノの定番機種とされているYAMAHAのラインナップです。
1976年にCP-70とCP-80がリリースされてからというもの、
電子ピアノか電気ピアノかという違いはあれど、
“ピアノを持ち運んでステージで演奏する”
という分野において常に第一線で使われています。
ライブハウスやスタジオで
「ピアノ貸してください」
というとほぼこのYAMAHA/CPかROLAND/RDが出てきます。
フラッグシップC4の生産終了
いや〜驚きました。
2013年リリースの最上位ステージピアノCP-4が、2019年に生産終了になってしまいました。
ステージピアノとして完成を迎えたというCP-4は、それまでのCPユーザーも多くがこれに乗り換えたようで、
そんな大ヒット商品が意外と早く生産完了になってしまいました。
それとほぼ時を同じくして、ひとつ下位モデルという位置づけのCP-40も生産終了になってしまいました。
そしてYAMAHAはCP88、CP73という新しいCPを世に送り出したのです。
CP88
お待たせしました!
こちらがCP88です!
なんというか……今までのCPシリーズとはだいぶ印象が違いませんか?
なんかボタンが多い!!
シンセサイザーみたい!!……ではないけれど、とにかく今までとは違いそう!
CP73との違い
CP88の説明の前に、
今回同時に発表されたCP73についてもお話しておきます。
これは機能などはほぼ同じで、
- 鍵盤数が違う
- 鍵盤の質が違う
- そのため総重量が違う
型番 | CP88 | CP73 |
---|---|---|
| ||
鍵盤数 | 88鍵 | 73鍵(EtoE) |
鍵盤の質 | YAMAHA最高峰,木製象牙調NW-GH鍵盤 | 新開発バランスドハンマーアクション(BHS)鍵盤 |
総重量 | 18.6kg | 13.1kg |
違いとしてはこんな感じです!
で、以下に紹介する特徴は特筆しない限り全てが共通になりますので、
「CP88は-」と書いている部分はCP73でも同様だと思って読んでくださいませm(._.)m
公式動画
こちらがYAMAHAさんの公式動画です。
ひたすらオススメのサウンドを弾いてるだけのシンプルでわかりやすい動画ですね!
対して、こちらはみんな大好き氏家さんの解説付きです。
氏家さんのお話聞いてるとなんでもかんでも欲しくなってしまうので、
もはや彼は罪人のようですwww
ボタン
ステージピアノの新製品って、その多くがウリはタッチとサウンドクオリティです。
が、CP88の最大の特徴はなんと言ってもボタンです!
なんだかいっぱい押すとこがあるでしょ?
一気に見ると難しそうですが、セクションごとに分けてみれば意外と簡単です。
左から順に見ていきましょう。
ライブセット
いわゆるここがプリセット選びセクションです。
ボタンひとつで全く違う音色を呼び出せるってわけでづね。
正直いうともうちょっと大きくしてくれてもよかったかなとも思いますが、
全体のスタイル的にはこれが一番かっこいいんだろうということで納得!
スピリットやトランスポーズ、タッチの重さ調整などもここで行います。
で、今この画面の中に
- P
- E
- S
という表記があるのわかりますか??
これがこのあと紹介する、
- ピアノセクション
- エレピセクション
- その他セクション
の略です。
(まぁ、Sは”その他”ではなく”Sub”なんですけどねw)
このCP88の最大の特徴は、
それぞれのセクションの音を簡単に個別に抜き差しすることが出来るってところなんです!
ピアノセクション
ここから音色ごとのセクションになります。
まずはピアノセクション、
ミニスイッチを操作することによってオンになり、
ここでベーゼンドルファーのグランドピアノの音だとか、ヤマハのU1やSU7などのアップライトピアノだとか、
合計10種類の中から選びます。
それに加えて、ピアノに最適なエフェクターも用意されているので、ここでなにをかけるか選びます。
エレピセクション
こっちはエレピです。
生ピアノ系ではなく、ウーリッツァーとかローズとかの電気ピアノ系の音色がここに14種類入っています。
もちろんここにもエフェクターが多数入っていて、生ピアノセクションに収録されているエフェクトとは違う、
エレピに最適化されたオートパン、タッチワウ、フェイザー、トレモロなどが用意されています!
それらのエフェクトとは独立して歪みもワンタッチで加えられるので、
アタックの硬さや倍音を調整するのに役立ちます。
その他の音色
ここにシンセ系だとか、ブラスだとか、ステージピアノとしてはちょっと使用頻度の低めな”その他”の音色が収録されています。
大まかにPad/Strings,Organ,マリンバとかの打楽器,その他という風に分かれていて、そこから選んでいくということになります。
ピアノセクション、エレピセクション、その他セクション共通ですが、
セクション内のミニスイッチを入れると光るようになります。
(すぐ上の画像と比較してください。こっちが音出る状態)
パッと見でわかりやすくなってるのが便利です。
で、エフェクターやオクターブ切り替えがあるのは他のセクションと同じですが、
Subセクションにはアタックタイムとリリースタイムを操作するノブがあります。
たしかにこれがいじれるとめっちゃ便利なんだ!
ストリングスの立ち上がりを操作したり、ピアノと重ねるときのパッドはアタックを緩めたり、
そういうことが直感的にサッと行えます。便利ぃぃぃ。
マスターエフェクトセクション
それぞれのパートにエフェクターがありましたが、
この部分では最後にかかるマスターエフェクトを操作出来ます。
具体的には最終的な音質を調整するためのマスターEQとかですね。
それと、リバーブやディレイはなんと個別にオンオフが切り替え出来ます!
エレピにはリバーブかけるけど生ピアノにはかけない、とか絶妙な調整も簡単に出来る!
ちなみに、どのノブも周りが光って今どの程度上げているのかがわかります。
これは暗いステージでもちゃんと把握出来る便利さ。
安物の製品では出来ないですね!
あ、そういえば、アナログディレイのモードにすると発振させることも出来ますwww
ステージピアノでディレイの発振って誰が使うのwwww使いたいwwww
各セクションのON/OFFの切り替えがとにかく気持ちいい!
生ピアノセクション、エレピセクション、その他セクションそれぞれの音量バランスやエフェクターを決めたら、それをライブセットとして登録しておけばよいのです。
そうすれば、ここまで作ってきたサウンドを一発で読み出すことが出来ます。
が、CP88はこのミニスイッチが絶妙に気持ちいい!
普通こういうトグルって上でオン、下でオフとかじゃないです。(もしくはその逆、もしくは左右)
わたしも現物を触るまではそうだと思っていたのですが、
なんとこれ、常に下になってて、上に押し上げるとオンオフが切り替わるという仕様でした!
つまりオンにしたいときもオフにしたいときも上方向に押せばいい、
これが絶妙に気持ちいいです。
演奏中に上だっけ下だっけと考える必要はありません、そもそも鍵盤は操作パネルより下にあるし体は手前にあるので、
必ず手は下からスイッチに向かうことになります。
そう、押し上げる意識はなくていいんです、触ればいいんです。
これがめちゃめちゃ爽快!
なので、ライブセットを使って一発で音を変えるのもいいけれど、
わたしだったらこのCP88、リアルタイムに音を差し替えて使いたいなぁ。
ベンダーがちょっとショボい?
CP88のピッチベンダーとモジュレーションホイールはここにあります。
お、斜め配置???
作りはう〜ん……
そこだけ見ると悪くはないんだけど、CP88全体の作りの丈夫さを見るとここだけちょっとしょぼく感じます。
が、操作性はなかなか好きです。
特にベンダーの戻りのトルク具合、なんかやみつきになりますww
鍵盤
CP88の鍵盤は、これまでのフラッグシップモデルCP-4と全く同じ、
木製象牙調NW-GH鍵盤です!
CP73の方はちょっと軽い新設計、バランスドハンマーアクション鍵盤、BHS鍵盤です。
この違いが弾いたときのタッチと、持ち運び時の重さの違いになります。
音色数
途中で気になった方もいるかもしれません。
CP88/CP73に収録されている音色の数。
生ピアノ10 + エレピ14 + その他44 =合計57音色。
これらを組み合わせて、ライブセットは80あります。
ん?
少なくね???
ハイ、少ないんです。
1つ前のフラッグシップモデルであるCP4は合計433音色、
廉価モデルのCP40でも合計297音色。
それに比べて80ライブセット?
随分減ったような気がしますが……
まぁいっかww
ステージピアノにとって音色は多ければいいってものではありません、
生ピアノ10種類思いつきますか?
エレピ14種類思いつきますか?
で、CP88はそこに自分で好きなようにエフェクトを加えられるのです。
ぶっちゃけCP4の音色数って、フェイザーの有無とかで別音色とカウントされてたりしたもんね。
そういうのを省いたんだと思えば、全然問題ない!
重量
ステージピアノって、どれも重いです。
自前でライブハウスに持って行こうとすると結構な苦痛です。
例えばギターが1本3〜4kg、エフェクターボードが5〜10kg。
それに対して、CP88は18.6kgです。
おおぅ……。
CP73は13.1kg。
あれ、随分軽い!
当然サイズが小さいのでその分軽いのは当たり前ですが、
鍵盤ひとつひとつの質が違うので、そこでも大分軽くなっています。
こうしてサイズと共に重量を変えることによって、ユーザーに選ばせてくれてるわけですね。
ちなみに前身モデルCP-4は17.5kg、CP-40は16.3kgでした。
やっぱりボタンとか増えた分重くなったんですね。。。
まとめ:YAMAHAの新時代向けステージピアノ
そもそもステージピアノはシンセサイザーではないので、
とにかくピアノを気持ち良く弾ければよかったのです。
その点ではYAMAHA/CP-4の時点で既に完成された世界だと言えます。
しかし、ROLANDがRD-2000とかいうバケモノを投下してきたせいで、時代はまた大きく動き始めました。
YAMAHAはROLANDの後を追うことなく、YAMAHA独自の進み方でステージピアノを次の世代へと進化させました。
これは面白い、今後はこうなっていくのか!
ステージピアノとしては珍しい73鍵モデルも同時リリースし、
持ち運びも考慮して少し軽い鍵盤を新開発するなど、過去の常識にとらわれない姿勢を見せてくれています。
いいぞいいぞ、RD-2000はなんてったって21.7kgだ、
それに比べたらCP88の18.6kg、CP73の13.1kgは軽いもんだぜ!
最初は見た目からしてYAMAHAっぽくなくて戸惑っていた皆さんも、
きっとこれから好きになっていくでしょう。
ってことで今日はこのへんで。
最後まで読んでくれてどうもありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!
YAMAHA ヤマハ / CP88 88鍵盤ステージピアノ
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