どうも、シンセも弾くギタリスト萩原悠です!

世界最大の電子楽器メーカーRoland内のギターエフェクターブランドBOSS

そのBOSSから今までとはまた少し違うエフェクターが発表されました!

SY-1 Synthsizer

コンパクトサイズでポリフォニック!

レイテンシーフリーで121種類の音色!

なにこれ面白そうじゃないですか!

ってことで機能とかを見てみましょう。

(追記:デモ機を貸して頂いてからのレポートも書き加えました!)

SY 1 00

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BOSSのギターシンセサイザー






これまでもRoland/BOSSは積極的にギターシンセサイザーを開発して来ました。

それがGR-55などのGRシリーズ

GKドライバーという専用のピックアップをつけて専用のケーブルでGR本体まで引き回して使わなければいけないのがちょっと面倒でしたが、

最近では通常のギターケーブルを使ってマルチエフェクター感覚で使えるSY-300というギターシンセサイザーもリリースしています。





誰もが簡単にギターシンセサイザーを演奏出来るようにしたBOSSですが、

ここでさらにコンパクトで手頃にギターシンセサイザーに手を出せるようになりました!

それがSY-1!

SY-1 Synthesizer


SY 1 2
こちらです!

うわお!

本当にコンパクトエフェクターだ!

BOSSのデジタル技術はここまで来たか!

で、どれほどのことが出来るんだ?

公式動画





こちらが早速アップされたBOSSの公式動画です。

かっけぇ!

ところどころ本当に鍵盤型シンセサイザーなんじゃないかと聴き間違えるような瞬間もありました。

ポリフォニック、つまり和音で鳴らしても問題なく検知してシンセサウンドを生成してくれるのはすごい!

ですが基本的にはギターの音にプラスしてかっこよく演出するというのがよさそうですね。

121種類のサウンド


SY 1 7
まさかの、こんな小さなボディで121種類のサウンドを出すことが出来ます!

ギターシンセサイザーと言うくらいだから、

ちょっと歪むとか響くとかじゃなくて、元のサウンド自体を大きく変えて出力してくれるわけですね。

121種類ってのは、

11タイプx11バリエーション=121種類。

11のタイプというのは
  • LEAD 1/2
  • PAD
  • BASS
  • STR
  • ORGAN
  • BELL
  • SFX 1/2
  • SEQ 1/2

です。

LEADはワイドレンジで派手めなシンセリードサウンド。

PADは音の隙間を埋める柔らかいパッドサウンド。

アタックが緩やかでサステインが長めの音が多いはずです。

BASSは図太いシンセベースで、ピッチシフトでオクターブ下がった状態で、そこからエンベローブフィルターやらがかかってブンブンしたりビョンビョンしたりする音色だと予想します。

STRはクラシックなシンセストリングスサウンド。ROLANDのJupiterやJUNOに収録されていた往年のストリングスアンサンブル系の音を目指したと思われます。

ORGANはオルガンサウンド、Electro HarmonixのB9やC9でもあるように、ハモンドオルガン、チャーチオルガン、ロックオルガンなどのシミュレートです。基本的には全く減衰しなくなるはずで、バリエーションによってアタックの質感や倍音具合が選べますね。

BELLはFM合成したような奇数倍音が付加され、金属的な響きのサウンドです。高音弦での単音、大きめのアルペジオがオススメ。

SFXは効果音、単発のSE関係が多く含まれています。

SEQはシーケンスの略で、ピッチや音質がリズミカルに変化するサウンド。コードを弾いてるだけでめまぐるしくフレーズを奏でていくので、RATEのノブてテンポを合わせましょう。(動画の最後にSEQの音でピコピコーコとかやってます)


そんな11カテゴリー(LEAD,SFX,SEQは2つずつカテゴリーを使っている)の121音色

どの音を使うか楽しみすぎる!

ちなみに、最近軒並みコンパクトエフェクターにも搭載されてるUSB端子はないようなので、

後からアップデートだとか書き換えだとかはないみたいですね、


SY-1のノブ


SY 1 8
ノブは全部で4つ、そのうちふたつがタイプとバリエーションの選択で、残り2つが2軸になっています。

(つまり実質回せるのは6箇所)

一番左がエフェクト音とダイレクト音それぞれの音量。

ギターシンセサイザーの音とそのままのギターの音を同時に出すことができて、それぞれの音量を自由に決めれるということですね。

その隣のノブがDEPTHと、TONE/RATEです。

SY 1 10
DEPTHはシンセの効果の強さなのでわかりやすいですが、TONE/RATEは音色によって役割が変わりますね。

たとえばリードサウンドとかだとHPF(ハイパスフィルター)のようになり、実質ギターのトーンノブのような効果

シーケンスサウンドやロータリーオルガンなどでは揺れやシーケンスのテンポを調整するようになります。

音色を作るというのがシンセサイザーの醍醐味ですが、

それにしてはまぁちょっとパラメーターが少ない。

とは言えギタリストにはこれくらいササっと音作り出来るのが一番よいでしょう!

うまく落とし込んだなぁと思います。

外部コントローラー


SY 1 4
シンセサイザーをギタリスト向けに作るということで、やはりフィジカルコントローラーの導入は必須です。

ギタリストにとっておなじみのエクスプレッションペダルやフットスイッチを接続して、

より自由なサウンドが可能です。

たとえばシンセサウンドをピッチベンドさせたり、

トーンやレイトを連続的に変化させたり。(まるでカットオフフリーケンシーをいじっているようだ!)

センド/リターン


SY 1 9
SY-1はセンド端子とリターン端子を備えていて、

シンセ音はそのまま、ドライ音にだけ歪みペダルを使う、なんてことも出来るようです!

いやこれは絶対必要だわ!

だって、ギターサウンドとシンセサウンドを混ぜて使いたいのにディストーションを前や後ろにつないだら全部が歪んじゃってわけわからなくなるもの。

これは必須。

歪みペダルはセンド/リターンの中に使いましょう!

レイテンシーフリー!


ギターの入力を取り込んで、そこから色々変換して出力するのだから、厳密にはちょっとの遅れはあるはずです。

しかしBOSSの最新テクノロジーとカスタムDSPチップにより、

レンテンシーを感じさせない自然な弾き心地になっています。

(多分INTEGRA-7GT-1000に入ってるやつを応用したんだろうな……)


ギターサウンドとのミックスがキモ


SY 1 1
SY-1は、恐らくシンセサウンドだけを出してシンセとして使うより、ギターの音と混ぜて使うのが良さそうです。

入力するのがギターである以上、どうしたってギターらしい特性が出てしまいます。

としたら、これでオルガンさながらの演奏をするというよりも、ギターとうまく混ぜてカッコいいというサウンドを目指すのが得策です。

ギターソロにLEADのサウンドを混ぜて不思議な響きをつける、

アルペジオPADの音を混ぜて広がりを出す、

BASSの音にはギターの低音弦の音も混ぜて重さとアタック感を両立させる、

ORGANとギターを混ぜて”1人Deep Purple”をする、

コード弾きにSEQを混ぜて有機的なサウンドにするなどなど、

いかにギターと混ぜるか、これがSY-1を面白く使うキモに思います!

追記:実際に弾いてみた!


(この部分だけちょっと後に書いています。)



SY-1弾いてみました、

たしかに、これがこのコンパクトサイズで出来るんだったらかなり面白いです!

やはりGR-55には敵わないけれど、そりゃ専用のGKドライバーをつけなきゃいけないのと比較しちゃいけません。

で、よく見たらこれ、ベースモードに切り替えることが出来るんですね。
(ベースで使ってる動画を見つけました、もうちょい下で紹介します)

SY1 5
GR-55では内部メニューの奥の方で切り替えて再起動が必要でしたが、SY-1だとここでプチっと切り替えるだけ、お手軽!

ちなみに、ギターサウンドとの混ぜ方、繋ぎ方はこうです。

SY1 8
こうすることによって、シンセサウンドとディストーションサウンドをそれぞれバランス取って使うことができます。

SY1 2 2
ちなみに、SY-1を実際に使ってみてちょっと微妙だなと思ったのは3点。

・収録されてるサウンドの順番に規則性がなく、片っ端から聴いて探す必要がある

・サウンドによって音量がバラバラでいちいちバランスを取り直す必要がある

・タイムを調整出来ない


こんなところですかね。

ひとつめとふたつめは音を探す時点での不便さなので、一旦音作っちゃえば問題なし。

ただ、当てずっぽうで片っ端から聴いていく中で、

各パッチごとにエフェクト音の音量感が違うもんだから毎回音量を調節するってのが結構面倒。

あとは、シンセで音を重ねるときってアタックタイムがすごく重要なんだけど、

SY-1ではアタックタイムをいじるノブがないため、

「この音のアタックがもうちょっとマイルドだったら……」

「この音の立ち上がりが速ければよかったのに……」


みたいなことが頻発します。

これが操作出来たらスーパー便利エフェクターで、もはやSY-300とかにする必要がなくなるところだったなぁ(それは嘘、言いすぎです。)

ベースで使うのめっちゃいいやん!





たまたまYouTubeで見つけました、これはどうだろ、この人のセンスかな。

ベースにSY-1使うのめっちゃいい!

もともと音も太くて周波数の低いベースなので、効果もはっきり出やすいですね。

BOSSのベースシンセサイザーSYBよりもいいんじゃね?


ハイセンスな使用動画を見つけた





こちらはギター用、数多くのエフェクターをレビューしているピーターソーン氏の動画です。

前半にデモプレイ、後半で色々説明してくれてます!

まとめ:SY-1で手軽にギターシンセサイザー!


SY 1 6
SY-1に一番の推しポイントは手軽さです。

もっと本格的にギターシンセサイザーをやりたいのであればGR-55、最低でもSY-300を買うのがいいです。

むしろきっとROLANDさん的にもこのSY-1で新時代を作ろうとか大儲けしようってのより、

SY-1を出すことによってSY-300GR-55を知ってもらおう、買い上げを狙おうという魂胆だと思います。

ループステーションRC-1を出してそれより前に出てた上位機種RC-3RC-300を売った商法と同じ!

(ちなみにわたしのそのタイミングでまんまとRC-3を買ったwww)

しかしSY-1単体でもかなり色んなことができます。

今のバンドサウンドにマンネリしているあなた、

ピッチシフターやフランジャーでどうにか頑張って変態サウンドだそうと思ってたけど限界を感じてるあなた、

これです。

SY-1でギターの概念を超えるのです!



最後まで読んでくれてどうもありがとう!

萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!