どうも、ディレイ大好き萩原悠です!

昔はスタジオにバカデカい機材が置いてあったディレイも、

ギタリストが個人でボードに入れて活動する時代になってはや数十年。

今では本当に多種多様なディレイエフェクターがあるわけですが、

その選び方のひとつ、とっても大きな分かれ道として

デジタルディレイなのかアナログディレイなのかというところがあります。

この両者の違いっていったいなんなんでしょう?

それぞれの長所と短所を紹介しましょう!

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ディレイとは


ディレイの効果はみなさんご存知、やまびこですね。

そもそもディレイ(DELAY)とは、

電車の運行情報とかでもよく見ますよね、遅延遅れる遅らせる、の意味です。

音が遅れて発音される、という原理を作り上げ、

それを原音に混ぜることによって音が複数回反射して響いているようなやまびこ効果をつけるというわけです。

リバーブ(残響)と混同されがちですが、

リバーブの方が自然な”空間の鳴り“なのにたいして、

ディレイは明確にやまびことして、

ジャン!……ジャン……ジャン……ジャン

と明確に跳ね返り音が聴こえます。

(設定次第だけどね!)

そんなディレイ音、現代では大きくわけて2種類の生成方法があります。

それがアナログディレイと呼ばれるBBD粒子によるものか、デジタル演算処理によるものか、ということなんです。


アナログディレイとは






そもそもなんでもそうですが、最初に生まれたディレイはアナログだったんです。

デジタルディレイの台頭に際して区別するためにアナログディレイと言うようになった、

という背景は”エレキギター”が作られるようになってから”アコースティックギター”と呼ばれるようになったのと同じですね。

どれだけアナログかと言うと、

テープに録音した音声を一旦別のテープに録音して、それを時間差で再生させる、的な。

(わかりやすさ重視でそこそこ間違ってますがこんな感じです)

こうすることによって現実世界で起こるやまびこ効果を擬似的に再現することに成功したのがディレイの始まりですが、

一度再生した音声を磁気ヘッドを使ってテープにダビング→再生とするため、

ここで若干の音質の劣化が生まれます。

また、のちにBBD素子という電子部品が開発され、

BBD(Bucket Brigade Device)日本語でバケツリレー素子と呼ばれるこの素材は、

バケツに入力した音声をちょっと遅延させて次のバケツに渡していく

という性質を持った、数1000個のバケツたちの集合体です。

現在アナログディレイというとほとんどがこのBBD素子を使ったタイプになります。

磁気テープを使った方式でもBBD素子でバケツリレーした方式でも、

どちらもやっぱりジャン!……ジャン……ジャン……ジャン……と繰り返されるごとにどんどん劣化していってしまうというのが欠点で、

当時はどうにかこの音質劣化を防ごうと頑張っていた時代でした。


デジタルディレイとは






対してデジタルディレイは仕上がってしまえば簡単。

入力した音声データをデジタルコピーして、指定したタイミングで再生する、それだけ!

当然ここに音質の劣化もないし、ましてや熱でテープがヘロヘロになっちゃうなんてこともありません。

デジタル演算能力が上がれば上がるほどディレイタイムも無限に伸ばせるし、

ディレイタイムを外部のフットスイッチからのタップ、MIDIで受信なども出来、

パラメーターのプリセットなんかも出来ちゃう、

便利of便利&使いやすいwithクリアなサウンド

という素敵なエフェクター、それがデジタルディレイです。

あれ、最強じゃね?


デジタルディレイはこんな人におすすめ!






そんなデジタルディレイ、まさに最強です。

出来るだけ高音質で演奏、録音したいと思うのが当たり前ってもんです。

曲のテンポに合わせてフットスイッチを数回踏むだけでディレイタイムが設定したい、

複数のセッティングを保存しておきたい、

エクスプレッションペダルでディレイレベルを変えたい……などなど、

モデルによって本当に色んな機能があります。

しかもデジタル製品はどんどん値段が下がってきているので、

今ではデジタルディレイの方が安いものが多いです。

きらびやかで伸びのある残響を得られるので、

リードプレイに華やかさを持たせたいというギタリストにもおすすめです!


アナログディレイはこんな人におすすめ!






対してアナログディレイは、そんなに多機能なモデルはありません。

ディレイタイムも短めだし、なにより音質が劣化します。

音質が劣化します!

これがね、いいんですよwww

アナログ独特の暖かみ。

例えるならデジタルカメラフィルムカメラ

どう考えても現代のデジカメの方が画質もいいし便利な機能も盛りだくさんです。

なんならスマホのカメラとかもすごすぎる!!(これもデジタル)

でもフィルムカメラ独特の暖かみってあるじゃないですか。

線もちょっと曖昧で、光もぼやってしちゃう。

それが!

なんか!

イイネ!

全然便利じゃない。

もちろん多機能でもない。

でも!

なんか!

イイネ!

これがアナログの良さなんです。

手打ちの蕎麦のなんかバラバラな太さの麺もおっちゃんの手垢混じってそうな麺も、

なんか!

イイネなんです!

特に1960〜1980年くらいまではアナログディレイしかなかったので、

当時の音楽をやりたい方は是非アナログディレイの導入をおすすめします。

なんかイナタイ、でもどこか暖かい、

そんな良さがありますよ!


アナログディレイは発振する





アナログディレイの面白い使い方として、“発振させる”というのがあります。

動画をごらんください、ぎょぇえええええええええええええ!!!!!って鳴ってるでしょ?笑

これはFEEDBACK(リピート回数)を最大にすることによって、無限にリピートしてしまってそれが回路の中を超高速無限ループ、ぶっ飛びサウンドが完成というわけです。

しかもこの発振中にディレイタイムのノブを回すことによって、

テープの再生速度を変えているかのように(若い人には伝わらないかなww)、音程も一緒に変わってしまうんです。

音程が変わりながらももちろんディレイは続いてしまうので、そこで強烈なぎゅわんぎゅわんが続いてさらにエフェクティブになるという仕組みです。

近年ではこのサイケデリックなサウンドを求めてアナログディレイを欲しがるギタリストも多く、

わたしもライブやレコーディングでしばしば使います。

だって、音も太いし面白いじゃない!

ここにさらにリバーブなんかかけちゃってぐぁああああああああああおぇええええええええ!!!ってやるのが好きです。


ただ、思った以上に大音量になることもあるので、

アンプに繋いでるときなどは注意が必要です。


耳かスピーカーがイくよ?


デジタルディレイは発振しない?


デジタルディレイはデジタル処理なのでこんな不具合は起こりません。

フィードバックを最大にしても綺麗にリピートしてくれちゃうため、ぶっ飛びサウンドにならないというわけです。

が、一部モデルはアナログディレイのこの挙動を真似て作っているものもあるため、

デジタルディレイでも発振するモデルもあります。

アナログに比べて音もちょっと細いので、あまりデジタルディレイでやるメリットってないかもしれませんが、

ちょっと手持ちでやってみたいという方は是非お試しください。


まとめ:デジタルとアナログ,どっちもいいよ!


結局はそういうことなんです。

どっちの方が正しいとかそういうもんじゃないんです。

現代的な綺麗な空間、残響が欲しければデジタルディレイだし、

古臭くてファットなやまびこがほしければアナログディレイ。


どっちが好きか、ただそれだけです。

ちなみにわたしが持ってるのは、

今や全然高音質とは言えないBOSSDD-3(デジタル)、







伝説のデジタルディレイKORGSDD-3000

アナログディレイの大定番MXRcarbon copyです。



高音質なディレイはプラグインでかけちゃうので、こういうちょっと味のあるのが好きです。

もしわたしがDTMをやらない純粋なギタリストだったら、

DD-7あたりを買ってたと思います。



皆さんのディレイ選びの参考になったなら幸いです。

最後まで読んでくれてどうもありがとう!

萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!