どうも、歪みにはこだわりたい萩原悠です!
ギタリストにとって、自分の最強歪みを求める旅は終わりがなさそうですよね。
そんなみなさんに今日紹介したいのは、もしかしたらその旅を終わらせてしまうかもしれないくらいにめちゃめちゃいい1台。
マキノ工房(makinokoubou)さんの250 of GRAYです!
マキノ工房
そもそもマキノ工房ってご存知ですか?
想像通り、日本のエフェクターブランドです。
それまでエフェクターの修理、改造を請け負っていたり、レコーディングスタジオの店長をしていたり、
そんな蒔野努氏が2004年、
「自分自身が最高だと思えるエフェクターを作りたい!」
という燃える闘志と共に立ち上げたのがマキノ工房(makinokoubou)です。
わたし萩原悠も実際に蒔野努さんとお話させていただいたところ、
まぁ〜製作に対するこだわりがすごくて、多くのエフェクターをPOINT TO POINT(後で説明します)で作ってるし、
今では手に入りづらいパーツを仕入れられただけしか作らないし、
組み込みにも時間をかけているおかげで月に数台しか作れなかいし、
とにかく音質に対する妥協が一切ない!
でも実際どんなもんなのよと、作業が遅いことはなんの自慢にもならんぞと、そんな口の悪いわたしも、いくつかエフェクターを弾かせていただいたわけですよ。
そしたらもう……うぉ……マジか……わぁぁああ!
ってことで紹介します!
いくつか弾かせていただいたのですが、ここでは250ofGRAYという一台を!
250 of GRAY
これです!
まだまだ少数の店舗でしか販売されておらず、通販ページを探したらコチラしかありませんでした。
→マキノ工房 / 250 OF GRAY【御茶ノ水本店】
で、お値段見てみるとそこそこ躊躇してしまうくらいには、お高い!!笑
しかし、音を出せば納得してしまうというのがこの250ofGRAYなんです。
早速レビューを。
250とは
そもそもこの250ofGRAYは、
DOD社が1974年にリリースしたOVERDRIVE/PREAMP 250というストンプが元になっています。
名前だけ聞いてもわからないかもしれないけれど、これ見たらギタリストならわかるのでは?
見たことあるでしょーーーこの黄色いボディ!
OVERDRIVE PREAMPという名前ですが、
ぶっちゃけこれ一台ではそんなに歪まず、マーシャルなどの歪むアンプをブーストするためのブースターとして使うのが正解かな。
イングヴェイ マルムスティーンが使っているということで一躍話題になり爆発的なヒットになったという背景があります。
こうしてこの黄色いエフェクターは多くのギタリストに求められることになり、
今でも復刻版のDOD250が売れ続けているのですが、
しかし実はイングヴェイが使っていたのはこの黄色い250ではなかったんです!!
彼が使っていたのは超初期型の灰色、グレイモデル。
250 of GRAY。
そう!
このマキノ工房さんの250 of GRAYはそんな超初期型のDOD250を模して作られたんです!
音質は、思ったより歪む
ここで、今まで偉そうに語って来たことを謝ります。
わたし、250の初期型グレイモデル、弾いたことないんですorz
だからなんとも言えないんですけど……
マキノ工房さんの250ofGRAYは、思ったよりかなり深く歪むんです!
初期型がこんなに歪むものだったのかな、それともマキノ工房さんの方で現代風にしているのかな……。
やはりマーシャルアンプ繋いだところかなりいい感じだったのですが、
ジャズコーラスに繋いでも結構歪む!
よほどハードなジャンルではない普通のバンドサウンドだったら、
ちょっと強めにピッキングすればこれ1台で十分ですよ!
ピッキングニュアンスにを全く殺さない
今シレッと書いたことで気づいた方も多いかもしれませんが、
この250ofGRAYでは、歪みをマックスにしてもピッキングニュアンスで音がめちゃめちゃ変わります!
入力する音量の違いで250ofGRAYの歪みの量が変わるというわけです。
ある意味歪みエフェクター共通の常識とも言える現象ですが、
それにしてもこの250ofGRAYは音質が気持ち良く変わります。
右手でニュアンスをつければそれが出音にしっかり反映される、
つまり気持ちと出音がしっかりリンクする、これがめっちゃ気持ちいいのよ!
もちろん、ギター側のボリュームノブでも歪み量が変わりますので、セクションごとの音を変えるのにも便利です!
音質はとてもシルキー
シルキーな歪みって想像つきますか?
……言葉にするの難しいなぁ。
まず高音域に滑らかな伸びがあって、
つまりそれは粒が整ってるってことで、
倍音が多いのでつまりはそこそこ歪んでて、
サスティンも長め、
という感じですね。
バッキングをしてても気持ちいいし、リードを弾けば最高にハマります。
ディレイやリバーブなどの空間系との相性もとても良いです!
トーンがない
今更ですが、250OFGRAYはトーンが調整出来ないということも一応書いておきましょう。
本家の250がそうであるため当たり前と言えば当たり前なのですが、
最近のエフェクターは多機能だったり色んな音が出たりしますからね。
それと比べたら出せる音の幅は狭いと言えるでしょう。
ただ、絶妙なところなんだよな〜。
とても良き!
Point to Point
冒頭でもチラッとお話しましたが、この250ofGRAYはPOINT to POINTという製法で作られています。
このPOINT to POINTがなにかと言うと、
内部の配線に基盤を用いずに結線するという作り方のこと。
点から点へ、それがポイントtoポイント。
メリットとしては、基盤を通ることによる音質の劣化などを防げて、レスポンスも早く、音圧も少しあがるよう。
しかし、べらぼうに難しい!
基盤というボードの上に組んでたから安定して作れているのに、そのボードなしで空中で結線するということになるんだから。
これを安定して作るというところに職人のワザが光るわけです。
わたしなんかTシャツをたたむのだって空中だとへたっぴなのに!!笑
マキノ工房さんが「月に数台しか作れない!」と言っているのはパーツの希少さと、このPOINT to POINTの難しさ故なんですね。
蒔野さん……そこまでしますか!!
手書き
配線が完全なる手作業であるのと同じく、ロゴや文字もプリントではなく全て手書きだそうです!
たしかに、今回お借りした個体以外のをネットで見てみたら微妙に大きさとか違うわ!
それと、内側を開けてみたらシリアルナンバーと共に可愛い絵が描いてありました!
写真も撮らせていただきましたが……この個体もどなたかが買っていくことになると思うので、
その方への配慮として掲載は割愛致します。
見たけりゃ買うといい!笑
まとめ:極上の250であることは間違いない!
さて、そんなマキノ工房の250ofGRAYを紹介してきました。
マキノ工房のラインナップの中でも新しい、2018年にリリースされたモデルです。
M(ま)K(き)N(の)工房のアルファベットと、250 of Grayを一緒に撮影してみました。 pic.twitter.com/81F7zS910w
— マキノ工房ーmakino koubou (@MakinoKoubou) 2018年8月1日
やっぱりね〜どうしても安くない。
本家の復刻版250が3つくらい買えちゃう値段ですからww
しかし当たり前ですが、本家の復刻250はどれだけ初期と同じ音にするかよりも量産することを念頭に置いて作られています。
それに対してマキノ工房さんの250ofGRAYは大量生産なんて全然求めてない、
「わかる人だけが使ってくれ!」
そんなスタンスで作られています。
(むしろそうじゃないと生産も間に合わないw )
ヴィンテージで稀少なパーツをPOINT to POINTで。
だからこそ為し得たこのサウンド、本家のグレイモデルを知らないわたしが聴いても一発で惚れ込んでしまうというすごいペダルです。
だとしたらDODの復刻版を3つ買うより250ofGRAYを1つ買った方がいいよねww
是非ご検討くださいませ!
最後まで読んでくれてどうもありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!