アマチュアでも最初の一本として手を出し易いコンデンサーマイク2本、

AKG社 C3000

RODE社 NT2-A


どちらを買おうか迷っている方も多くいるかと思います。

今日はそんな方のために、主観全開の評価をまとめてみたいと思います!

スクリーンショット 2015-03-08 21.55.52

わたしは本業の録音屋でもPA屋でもないですし、
世界中のマイクを試したなんてことも全然ありません。

それを踏まえた上で
「なるほど〜そういう風に思う人もいるのね〜」
くらいに読んで頂けたら幸いです。

※1実は今手元に両マイクがないので、記事内の写真は全て公式サイトorサウンドハウスさんからの借り物になります。

※2この記事は2015年3月13日に公開しましたが、その後価格の変動が大きいためお買い求めの際はお気をつけ下さい。

Audio Technicaのコンデンサーマイクについてはこちらにまとめました!

マイク特集はコチラ!

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RODE NT2-A

まずはRODENT2-Aです。



脅威のコストパフォーマンスを誇るRODE社ですので、
初めてのコンデンサーマイクとして選ぶ方も多いと思います。

まず、見た目がデカいですね。
そして重い!

私も学生の頃このマイクを購入し、
「これがコンデンサーマイクか〜ずっしり重いぜ!フヒヒ」
とニマついていた過去があります。

別に コンデンサー=重い とかはないですよねw


音質は…


とにかくピーキーです。

高域の、4kHzとか6kHzでしょうか、強烈に突き抜けた箇所があります。

この部分がクセがとっても強いのですが、
初めのコンデンサーマイクがこのNT2-Aだと

「うぉ〜すげぇ、これがコンデンサーマイクならではの明るさかぁ!マジですげぇクリアだな!」

と感心することになります。(←数年前の私。)

それはそれでステップとしては全然悪くないのですが、
しかしフラットなのとは程遠いです。
完全に作り込まれた音です。

機材というのは多かれ少なかれそれ特有の色というのがあります。
ですので、この飛び抜けた高域ももはやEQと割り切ってしまえば、
シーンによってはとてもグッジョブになります。

ホラ、だいたい歌モノのミックスの場合ボーカルトラックの4kHzとかEQで持ち上げません?
女性の場合モロにこの部分にオイシイポイントがありますよね。

それが最初から持ち上がっていると思えば、
録音するだけでボーカルが一歩前に来てくれるというお手軽さです。

“ミックスとかわかんないけど歌ってみた動画作りたい!”

って方にはめっちゃお手軽。

ただ、NT2-Aだとちょっと強調具合が度を超えてるような気もしなくないです。
その上ミックスでのEQ処理と違って、
「オイシイ周波数はもうちょっとだけ下なんだよな〜。」
ってときに対応出来ません。

その際は結局EQで調整することになります。
まぁそれはなんのマイクでも同じなのですが、これだけピークの強い箇所があるマイクだと、色んな音を作るのには苦労するかも知れません。



気になるお値段は……


税抜き27,800円!

いいねいいね。
クセも強いですが最初の一本として
「あーコンデンサーマイク買ったわ。」
と実感するにはとてもいいです。



2015年11月現在の最安値はこちらです。
サウンドハウス NT2-A セット 税込¥40,824サウンドハウス NT2-A セット


値段が1万円くらい上がったように見えるけど違うんですよ!

以前まではマイクだけ、単体だったんです。

それがまさかのポップガード、サスペンションホルダー、ケーブル、ケースが付属するようになりました!

すごっ!

金額だけ見るとちょっと最初の1本としてハードル上がったけど、

結果的に必要なやつで、必ず必要になるものばかりだからむしろお買い得になってます!

羨ましいよ!

AKG C3000



AKGはもしかしたらヘッドフォンの方が有名でしょうか。

マイクのメーカーとしても超一流で、プロの現場には必ずこのAKG社のC414が複数本あります。

C414はバカ高いので、またの機会に致しましょう。

ちなみに、その下位機種のC214についてはステレオペアで所有しているので、
近々レビューをしたいと思います。

とりあえず開封したって記事だけこちらwww




さて話をC3000に戻しましょう。

どんなソースにも使えるオールマイティマイク


見た目はちょっと丸っこくて可愛いですね。
用途を選ばない系のマイクにしては少し小さめです。

先走って言ってしまいましたが、
このマイクは……というより、
AKGのコンデンサーマイクは本当にオールマイティに使えます。

極力フラットな特性目指して作られているため、
ボーカルにもピアノにもギターにもアンビエンスにも。
近づけてオンマイクにしても離してオフマイクにしても。
二本立ててステレオで録っても。

本当になんでもいけます!

そのAKG理念はこの安価なC3000でもばっちりつぎ込まれています。

しかし、残念ながらそのフラットな特性はときにデメリットにもなります。

とにかく無個性!!

面白くない音がします。

NT2-Aと比べたら余計なのですが、いや〜ホントにフラット。
つまらないです。
これはAKGシリーズの宿命ですね。

じゃあ何故AKG C414はプロの世界で使われているのか。

それは、

C414には独特の色気と立体感があるからです。

さすが高級機、使ってるパーツなどが違うんでしょうね。

周波数特性はフラット気味ですが実は高域がうっすらあがってる。
ちょっとキラっとするんですね。

そこがAKGのC414…まぁその下位機種のC214もかな。

両機種はそんな特徴があるので重宝されるんですね。


ではC3000はというと………


ちょっと厳しいorz


AKG特有のフラットな感じ、そしてC414にはあるキラっと感があまり感じられない…つまりなんか音源によっては少し暗く聴こえるんですよ。


414に比べると少し…カメラでいうところの露出の値が低いというか。華がない…


そう!

華がない!!!!(いい表現を思いついたことによる驚喜)

ただ、フラットだということはそれだけEQの効きもいいということです。
いまどきトラックにEQをかけないことの方が少ないので、後からの補正前提でしっかりフラットで録っておくというのは大事ですよね。

C414と同じマイクホルダーも一緒についてきますし、
丁寧に仕上げる自信がおありでしたら、
この価格帯ではありえないくらいとてもいいマイクです。



どの価格帯かというと……




サウンドハウス 税込19,224円 (2015年11月修正)

安い!!

2015年3月の時点では税抜き19,800円だったんすよ。

つまり税込で21,384円…2000円以上安くなってる!!

しかもそのときも「俺が買ったとき(2012年)より安くなってる!」

こういうのっていつまた高くなるかわからないので、

今がチャンス!


NT2-A C3000 ガチンコ比較!!


実はですね、2つのマイクを同時にたててボーカル録りをしたことがあったのです。
そのときの感想も書かせて頂こうと思います。

ちなみにこの実験はクライアント様の録音のときに懇願して行ったものでして、
サンプルで声をお聴かせすることは出来なくて申し訳ありません。
萩原悠の語彙力にご期待下さいwwww

録音環境は以下です。

・Machine : MacBookPro
・DAW : LOGIC 9
・AudioI/F : MOTU Traveler mk-2
・マイクケーブル : Belden 8412  プラグ : Switchcraft

・都内のバンド練習用スタジオにて
・20代女性 ささやき系ボーカル(相対性理論に近い?)
・ダイヤフラムが同じ高さになるように並べて配置
・口元から20cmほど



感想は……




まず最初に気になったのが、やはりNT2-Aの子音の立つこと立つこと。
ブレスの音や[s]の子音が耳に貼り付きますね。
これは後からEQで落とす必要がありそうです。

しかし子音が立つということはリズムが際立っています。
ギターやドラムがガチャガチャやってる曲でもこれだけリズムがビシっと出て来るなら問題ないですね!今回そういう曲じゃないけど…。
多分このまま適当にコンプかければいい感じのロックボーカルが仕上がりそうです。

今回の曲はささやき系だったので、軍配はC3000に上がりました。
レコーディング中は勿論立ってて、脚でたまにリズム踏んでるくらいのノリでしたが、
音だけ聴くと
「ソファに座って録ったでしょw」
ってくらいゆったりな音に仕上がっています。
曲のイメージにピッタリました。


ちなみにこの日、そんなわけでC3000の音を本チャンに使用すると決めてから、コーラス録りのときに面白いことが起きました。

実験も兼ねて両方のマイクを立てっぱなしでコーラスまで録り、適当にプレイバックしてみたところ……

NT2-Aで録ったコーラスがC3000で録ったボーカルの上にちょうどすっぽりハマったのです!!

高域が出ているということは、全体のレベルを下げると相対的に「低域を削っている」というのに似た形になりますよね?
その周波数が見事にマッチし、急に立体感が生まれたのです。

これには驚きました。

ちなみに、C3000のボーカルにC3000のコーラスだと………

つまんね〜!ww

ボーカル1人がソファでささやいてるのはOKでしたが、コーラス入れたら2人でソファで身内話してるだけみたいに聴こえて、も〜ホントつまらなかったですね。

いや勿論フラットに録れているのでこれからEQやコンプやリバーブで音場を作っていくのですが、
それは重々承知でしたがあまりにNT2-Aによるコーラスがハマっていて、その場でボーカリストさんにも納得してもらえたのでそちらを採用しました。



まとめ


このように、マイクは適材適所で使い分けていくというのが1つの面白さでもありますね。

だからこそ世の中には沢山のマイクがあるのです。そうじゃなかったらみんなノイマンのU87だけ持ってればいいことになりますからね。

今回のRODE NT2-AとAKG C3000の比較、ざっくりとまとめると


NT2-Aは高域にクセがあるが、特に歌に関してはオイシイ部分でもある。
C3000はフラットでつまらないがどんな楽器にも使えどんな後処理も出来る。




そんな感じで、今日は終わろうと思います。

どちらがあなたの使い方に合ってましたか?
なにか質問などありましたらコメントなどからお気軽にどぞん!


めくるめくマイクロフォンの世界は僕もまだ知らないことの方が俄然多いですが、また少し勉強したらここで皆さんと共有したいと思っておりますので宜しくお願いします〜!


それでは、また!

Audio Technicaのコンデンサーマイクについてはコチラね!

…そういえば!


先日書いた記事
ルパン三世のテーマ/ムーンライト伝説/おジャ魔女カーニバル[COVER メドレー] について
で歌録りに使ってるマイク、これがたしかAKGのC3000です。

このマイクで歌うとスピード感が出にくいですね。
出だしとかもう少しシャキシャキしてもよいかもと今になって思います。(ライブの印象が強いだけかな)


そのうちノイマンのU87で録った音源とかも機会があれば紹介出来ればと思います。

それでは、今度こそ終わります!

萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!




サウンドハウス NT2-A セット
サウンドハウス NT2-A セット



サウンドハウス AKG C3000


→Audio Technicaのコンデンサーマイクまとめ
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