どうも、本はあまり読まない萩原悠です!
普段作曲家、ギタリストとしてお仕事させて頂いていて、
このサイトでも普段は機材の紹介や作曲理論などについて書いてるのですが、
先日購入した本についてどうしても感想を書きたくなっちゃって!
オードリー若林正恭さんの書籍、ナナメの夕暮れ のレビューにおつきあいくださいませ!
若林正恭さん
オードリーというお笑いコンビで2008年のM-1グランプリで準優勝を機に一躍有名人となった若林正恭さん。
あまりお笑い芸人さんが好きではないわたしも、
何故かめちゃめちゃ大好き!
なんだろう、この憎たらしいけど憎めない感じ……
なんだか好みなんです。
今作”ナナメの夕暮れ“の前にも数冊の書籍を出版し、
エッセイを連載してることでも有名な若林さんですが、
わたくしこの度初めて購入させていただきました!
ナナメの夕暮れ
2018年8月に発表したこの書籍、
前半はもともとKADOKAWAダ・ヴィンチにて連載していたエッセイを元に構成されています。
そして後半、後ろ3割くらいかな、エッセイの連載が終了した時点での若林さんによる書き下ろしが収録されています。
“自分探し“という言葉を馬鹿にしてきた若林さんの、
ひとつずつ答えを見つけていく過程が前半、
見つけ終わって振り返っている部分が後半って感じです。
前書きより
ぼくはずっと毎日を楽しんで生きている人に憧れてきた。
ずっと、周りの目を気にしないで自分を貫ける人に憧れてきた。
(中略)
なんとか死ぬまでに、そういう人間になりたいと願ってきた。
だけど、結論から言うとそういう人間になることを諦めた。
諦めたし、飽きた。
それが不思議なことに、
「自分探し」の答えと
「日々を楽しむ」ってことをたぐり寄せた。
この本には、その軌跡が描かれています。
前書きより
めんどくさそうですね〜!!笑
そう、若林正恭さん、この本を読めば読むほどめんどくさい人なんだと思います。
ただ、この本を書き終えた時点の若林さんはとても強い。
強くなった、その過程をまとめたというのがこの”ナナメの夕暮れ“です。
ナナメの夕暮れ の感想
ブロガーらしく冷静にレビューをしようと思っていましたが、
この本に関しては無理そうです。
それくらい、あまりにも心が震えた。
というのもですね、
この本はわたしのことを書いてくれたんじゃないかってくらい全面的に大共感の嵐だったのです!!
もちろんわたしはお笑いを目指してもいなければM-1にも出てないし、
キャバクラに行ってもなければキャバクラに飽きてもいない。
そういうことじゃなくて!
このヒネくれ具合、
いや、拗らせ具合?
まさか自分と同じことを考えている人がいたなんて。
わたしがたどり着いた結論と同じことを言ってる若林さん。
わたしがモヤモヤと疑問だったことを「こんな時期がありました」と書いている若林さん。
自分はめんどくさい奴で人とできるだけ関わらないようにしたいと思っているけれど、
若林さんもまさにそうで、
そうやって40手前まで生きてきた先輩がいるんだということにすごく勇気をもらいました。
ネタバレになってしまって方々に申し訳ないけれど、
いくつかわたしを震わせた言葉たちを
こんな感じで引用して
お届けしたいと思います。
何故 が気になって仕方がない
一度物事が気になってしまったら、
その原因、根本、ルーツが気になる。
“何故”という疑問が湧いてしまったらそれを解消したい。
それを人は”めんどくさい人“という。
疑問を持ってしまう人は”自分探し”と”社会探し”をしなければ”生き辛さ”は死ぬまで解消されない。
自分はなにが好きでなにが嫌いか。
自分がなにをしたくてなにをしたくないか。
めんどくさい人と言われても考えすぎと何度言われても
この国を、この社会を、この自分を、
解体して解明しなければ一生自分の心に蓋をしたまま生きることになる。
この言葉のしっくり来る感がヤバくて、
「はぁあああ」と謎の声を漏らしながら涙が出ました。
この国でわたしよりヒネくれてるのはこの方だけ。
— 萩原悠 (@hagiwaraU) 2018年9月18日
2018年は本を買わないつもりだったのに、大好きなので買っちゃいました。まだ前書きしか読んでないのに涙が止まらん。#若林正恭 pic.twitter.com/hPrF0nZcCE
それがこのとき。
一人で平気なんですけど
みんなといないと寂しい人は
「みんなが、みんなといないと寂しい人だと思っている」
「他人に自分を開かないと成長はないよ」
という人がいるが、
こっちは内面開いたら未来が閉じてしまうくらいに内面が腐ってるから閉じている
これだよ、これがわたしと若林さんの世界だよ。
わたしは世界が嫌いなんじゃない、世界に触れると自分の嫌なところが見えるのが苦しいんだ。
「話を聞くよ」と言ってくださる人はいるけど、いやいや、そういうんじゃないんだって。
聞いて欲しい話なんてないんだって。
そしてひとりでも平気なのは、
いつも自分と会話してるからで、
黙ってても一人色んな謎を自分で生み出しては考えて解決して、
それを繰り返してるんですね。
これが好きかと言われたら”どちらかと言えば好き”くらいだけれど、
好きでやってるんじゃない、もう止まらない気質なんです。
「私の話聞いてる?」付き合ってる女の子によく言われていた。
話しているときは彼女と話しているようで自分と話していたのだろう。
それは「自分のことした考えない器の小さい男」となるのだろう。
反論は、ない。
いつまで自分と話しているつもりだろうか。
人の話を聞くってどういうことだろうか。
聞く。とはどういうことをいうのだろうか。
どうも、器の小さい男、萩原悠です。
僕は紅茶を「飲みたい」か?
これは普段からわたしもよくやっちゃうのだけれど、
質問をされたときに、なんて答えたら相手に都合いいのかを爆速で考えてます。
自分に自信がないので、自分がやりたいことを口に出さなくなり、
そして自分のやりたいことが自分でわからなくなったという順番だと思います。
紅茶飲む?
と聞かれて、
飲むと答えるのがいいのか、飲まないと答えるのがいいのか。
面倒かな、図々しいかな、せっかくだから頂いた方がいいかな、紅茶の話したいのかな、そんなに長居するかな……
一度「飲む」と答えてから「やっぱりいらない」と言うこと、わたしめっちゃ多いんです。
「一緒に行きたい!」と言ったあとに、迷惑だったかなと思って
「やっぱり仕事が入っちゃった」という嘘はつい先週にもあった。
これこそが人生の満足度を大きく左右するY字路なのではないだろうか。
自分の気持ちを優先するか、相手の気持ちを探るか。どっちかではないだろう。バランスだろう。
相手の気持ちを気にしすぎる人は病気になって、
自分の気持ちを優先しすぎる人は自己中心的だと嫌われるだろう。
ただ、他人の気持ちばかりを気にしている人は、そのカーソルを自己中側に少しだけ移動させる方がいいのかもしれない。
「なに食べたい?」
そんな雑談にも怖くて答えられないわたしの先生がここにいたよ。
ナナメの殺し方
こんなにもこじらせているわたしと若林さんですが、
若林さんはこの拗らせ地獄から少し脱却したようです。
なんだかんだ言いながら大人になり、トゲトゲするほどの体力もなくなり、
そしてホンの一握り、彼の話を笑い飛ばしてくれる人にも出会い、
今のわたしと同じように、若林さんにも「自分と同じように考えている人がいたんだ!」という方との出会いがあり、
徐々に生きるのが楽になったと書いてありました。
これはホントに、わたしにとっても希望です。
そういう道があるんだ、こんな重症なおじさんでも、
40歳を前にして変われるんだ。
わたしは真っ当な人間になりたいわけでもない、
幸せな結婚がしたいわけでもない。
ただ、今より少し生きやすくなれたらなぁとは思っていた。
若林さんのケースがそのまま自分に当てはまるとは思わないし、
若林さんからしても
「いやお前だれだよ、お前に俺の気持ちわかるわけもねぇし俺はお前の気持ちに興味ねぇよ」
と言われるのがオチだと思うし、
なんならそう言ってほしいところもある。
ただ、本当に一方的に共感だらけで、
救われたし泣かされたし喜びました。
ゴルフはやってみてわかったことがたくさんある、続けるかはわからないけど、飲み会よりはマシでした。
この皮肉が若林さんらしいです。
注射や飛行機が怖いのはぼくの”せい”なのだろうか
普通に出来る人は、普通に出来ない人のことを理解出来ないんですね。
僕の悪い癖で「大体わかった」と舐めるとすぐにやめてしまうのだ。
これ。
多分趣味を持てない理由はこれなんじゃないかと思ってます。
そこそこハマったものでも「そろそろ冷めるだろうな」という時期が自分でわかるようになりました。
自己否定とまともに戦っても勝ち目がない
カッコ良さげな口調ですが、すごいカッコ悪いこと言ってます。
それがわたしたちの戦いです。
高価な洋服が一流への通行料だとして、それで一体どんなものが手にはいるのだろうか
若林さんもわたしもいい歳なので、少しは気にしないといけないんですけどね。
ストーリーをメモしながら小説を読んでるし、映画や舞台のときもそうだ
これが書いてある187ページ(残り30ページ)まで、メモを取りながらこの本を読んでた自分大爆笑。
そんな拗らせおじさん若林正恭さんが、この本のあとがきでハッキリと
自分探しと社会探しはここで終わり。
と書いていた。
そして、そのときの締めの言葉がカッコ良すぎて震えた。
ドヤ顏しながら書いたんだろうな。
ここよ、こういうところが好きなのよ。
若林さんの自分探しを辿ったら、一番最後に何故若林さんが好きなのかがわかったよ。
カッコ悪いしかっこいい。
ここまで散々本の内容書いちゃったから、最後だけは隠しておいてあげよっと。
最高の締めを知りたくなったあなたは是非読んでみてください。
それでは、萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした。
P.S.
このページは夜の公園でドトールコーヒーを飲みながら書きました。
わたしもスターバックスには入れないからさ。
ましてやMacbookを持って行って執筆なんて、まだ若林さんでも無理だろ?笑