どうも、ライブも音響もやるDTMer、萩原悠です!
サンプラーって、使う人によって色んな使い方が出来ますよね。
色んなメーカーが色んな用途のために製品をリリースしていますが、
最近思うんです。
サンプラー使いたいなら全員AKAIのMPX16でいいんじゃね?
先日のライブでの使い勝手もよかったので、今日はAKAIのMPX16の紹介をしたいと思います!
(ページ後半でMPX8との比較もしています)
AKAI
サンプラーと言えばAKAI!!
AKAIと言えばサンプラー!!
というレベルにまで有名なサンプラーの老舗メーカーです。
昔はでっかい機械に使いにくいボタン、劣化するサウンド、そしてほんとに一瞬のワンショットサウンドしか扱えなかったのがサンプラーの常識でしたが、
それこそAKAI社の弛まぬ努力に他のメーカーも追いつけ追い越せで果敢に開発を続け、
そのおかげで今日のサンプラー文化があると言っても過言ではありませんな!
AKAI MPX16
さてお待たせしました、今日紹介するのがこいつ、AKAIのサンプラーも随分と小さくなりましたね、MPX16というモデルです!
これ、実際にわたしも使っていて、先日のライブでも大活躍してくれました!
2万円で買えるサンプラーとしてこんなにも色んなことが出来る、
おやおや、最強じゃねーか!
ではさっそく、こいつの特徴を紹介していきたいと思います!
16パッド
まずはモデル名の由来にもなってます、16個のパッド!
サンプラーって使い方によっては結構ポンポン違う音を出していかないといけないので、
パッドの数=一度に読み込み出来る数、
つまり4パッドとか8パッドとかだと4種類の音、8種類の音しかスタンバることが出来ないんですね。
もちろんとなりのバンク(プリセット)を読み出せばまた新しく4種類、8種類と読み出せるんだけど……
切り替えてロードしてってのが出来ることばかりではありません。
演奏に使うならロードしてる間はなんの音も出せないし、
舞台音響とかであってもいちいちバンクを切り替えるより出来れば”あとはボタンを押すだけ!”にしておきたいですよね。
MPX16のように、16パッドあればとりあえず安心!
SDカード
最近の小型サンプラーの主流ですね、SDカードに音ネタを入れて管理するスタイルです!
なので、パソコンとのやりとりも簡単です、とりあえずパソコンでSDカードにファイルをぶっこんでおいて、それを MPX16に差し込んで読み込むだけ!
または、USBケーブルで接続してSDカードの中身にパソコンから直接アクセスすることが出来ます!
後述しますが音源はパソコンを介さなくても色んな方法でMPX16に取り込むことが出来ます。
が、このご時世結局パソコン経由であることが多い気がします。
SDカードってのはもうしばらくは第一線で使われることになると思うので、互換性も含めてとても使いやすいですね!
オーディオインプット
さっきチラッと言った“パソコンを介さなくてもファイルを取り込める”やり方のひとつです。
インプット端子があるので、ここに繋いで直接録音することが出来ます!
デジタル機器、シンセサイザーからのサンプリングはパソコンいらずでそのままMPX16に取り込める!
MPX16は内部でトリミング出来たり音量の調節出来たりするので、とりあえず本体にちゃっちゃっと録音してしまうというざっくりな使い方にも対応してます!
内蔵マイク
“パソコンを介さなくてもファイルを取り込めるやり方”其の2!!
なんと本体にマイクがついてて、それに向かって音出せばすぐに録音出来ます!
これほど簡単なことはない!
当然周りの音とかをどう遮断するかとかもあるし、そこまで高音質マイクでもないし、
ステレオでもないので実用レベルかどうかは使い方次第ではありますが、ちょっとした声ネタ入れておくのとかにはいいと思います!
MIDIの入出力
サンプラーはこれ単体で音を出さなくたっていいんです、MIDIコントローラーとして使って、外部の音源ファイルをトリガーする使い方にもおすすめ!
ソフトシンセのサウンドを鳴らすもよし、電子ドラムにアサインするもよし、使い道が広がる!!
サイズ
今更ですがサイズ!
いい感じに小さいっす!
横幅 295mm
奥行き 147mm
高さ 30mm
重さ680g
ファイルフォーマット
MPX16はWAVでもMP3でもシームレスに使えます。
WAVはCD音質の16bit-44.1kHzだけでなく48kHzにも対応しているので、より高音質でのファイル再生を行いたい方でも満足出来るレベル!
AKAI渾身のサウンドライブラリがもらえる!!
サンプラーだけ手に入れても音ネタがなければすぐに使うことは出来ません。
でもやっぱり買ったらすぐに使ってみたいよぉ!
ってことで、いや、そういう用途に限定してるわけじゃないんだけど、
“サンプラーと言えばAKAI!”
の渾身のサウンドデータがもらえます!
これに往年の名機808や909のサウンドが入ってるし、シンセフレーズとかもドカドカ入ってます!
これらを片っ端からポチポチ押してくだけでも面白いし、普通に即戦力です!
初めてパッドサンプラーを触る人なんかは、とりあえずこれで指ドラムするだけでめっちゃ楽しいっす!
実際使ってみて気に入っているところ
さてさて、ここまでは実はメーカーサイトを見て各項目を挙げながらそれにコメントを書き足してった感じです。
たしかにいい部分だなあ、便利だなぁと思いながら。
で、ここからが実際にわたしが使って本当に良いなと思った部分を列挙していきたいと思います!
絶妙なサイズ
正直ディスプレイがもうちょい大きければ色々やりやすいのにとも思ったけれど、
ボタンの配置とかシステムは随分とうまくレイアウトしたなぁと感心するばかりです。
すぎょい!
エフェクターボードにすっぽり!
パッドが程よい押し加減と、光る。
パッドサンプラーのインターフェイスとしてやっぱり一番大事なのがボタンのタッチ。
これがなんか押しにくいとか戻りが悪いとかベロシティが不自然とかだとパッドサンプラーとしては駄作となるわけですが、
MPX16、よいぞ!
ちょうど先日のライブで
- ポン出しのSE
- パーカッション
- シンセサウンド
どれもとてもスムーズに使えました。
ちなみに、この写真でうまく撮れてるかわかりませんが(注:後述)、光ってないところにはなんのデータも入ってません。
赤く光ってるところが音ネタの入ってるパッド、
光ってないところにはなにも入ってない、
緑に光ってるところが現在再生中のパッド、だそうです!
(注:筆者萩原悠は色弱なのでこの赤と緑の見分けがつきません。)
ベロシティのon/off切り替え
これ!
超必要!!
サンプラーを演奏に使う方はベロシティ、つまり押す強さによって音量が変わるというのは必須、それがないとただの”音が出る機械”になってしまって、サンプラーを楽器として使うことは出来ない。
でも、
逆に”音が出る機械”として使いたいときも沢山あります。
どんな強さで叩いても必ず同じ音量で出る。
舞台音響とかで効果音出すときとかは絶対そうじゃないとですよね。
さぁ、どっちの仕様のサンプラーの方が優れているのだろう……
ご安心ください!
TRIGGER MODEってとこでMPX16はボタン1つごとに、音ネタひとつごとにそれが選べます!
たとえば先日のライブで使ったパッチですが、
ノイズSEはどんな強さで叩いても同じ音量になるようになっていて、
他のパッドは曲の間奏でメロを奏でる用のサウンドパッチたちなので、ベロシティ対応です。
こういうことがサラッと出来る、本体のボタンとディスプレイですぐに出来ます。
便利!!
グループ機能が簡単便利
意外と便利、いや、超便利な機能がこのグループ機能!
そもそも複数のパッドがあるサンプラーって、
あるパッドを叩いて音が鳴り始めて、
その音がまだ鳴っている状態で別のパッドを叩くと、
A.先に叩いたパッドの音が止まって次の音が鳴る
B.先に叩いたパッドの音も鳴りながら重ねて次の音も鳴る
のどちらかになるわけですが、これを
“どのパッドとどのパッドは重ならずに前の音が止まる”
っていうのを設定出来るんです!
それがグループ機能。
重ねたい音と重ねたくない音、自在に設定出来る!
これすごいな、効果音とか持続音系は重ねて、
シンセ音とかのフレーズ楽器系はグループでまとめることによってすごく色んな使い方が出来ました。
チューニング変更がわりと良い!
内蔵のフィルターとかもなかなかよいのですが、使い勝手で言うならチューニング変更機能!
まぁつまり半音単位のトランスポーズなのですが、サンプラーを使うときって、シンセの音を一音だけサンプリングとかするじゃない。
それを元に音階を作っていったりするのだけれど、それがめちゃめちゃ素早く出来て、しかも音質劣化も気にならない!
びっくりです、あまり複雑なサウンドとかだともちろん難しいけど、ワンショットのシンセとか、スネアとか効果音とか、そういうものだったらどんどん好みのピッチに変えちゃいましょう!
ステレオ素材に対応
今更ですが、サンプラーってモノラルファイルしか扱えないものとか多々ありまして、でも大丈夫!
MPX16はちゃんとステレオで扱えます!
ステレオであることによってサウンドに左右の広がりを持たせられるのもそうだし、舞台のどこから音がするっていう定位決めにもとても重要です。
MPX16よりも安いサンプラーで済ませようとすると、こういう箇所で痛い目をみるのだよ!
USBバスパワー
これ別に使わないやと思ったんだけど、MIDIのトリガーとして使うときはUSBケーブルでパソコンにつないだりしてるわけで、そしたら別途アダプターがいらなくなるのでよいね!
荷物が少なくなることもそうだし、会場で使う電源もひとつ減り、ケーブルが減ってるということはセッティングも速くなりトラブルも減る。
あ、よいじゃん!
ループ再生モード
ぶっちゃけループを用いたDJっぽい使い道ならRolandのSP-404SXの方が使いやすいです。
つまみもぐりぐりしやすいように作られてるし、なによりカッコイイ!
でも、そんなにがっつりループプレイをメインで使うとかでなければ、MPX16でも出来ます!
一回押すとファイルがループで再生され続けるモードあります!
ドラムパターンとかをこれで流して、他のパッドでワンショットやフレーズを奏でるとか、かなりアリでしょ!
AKAI MPX16を使ってみて微妙なところ
さて、結構好印象なMPX16、でもやっぱり完璧ではありません。
メーカーサイトのようにいいことばかり書いててもつまらないので、
あまり気に入ってないとこも書いちゃうよ!
ロードが遅い
これなーww
SDカードから読み出して音を出すわけですが、バンクを切り替えたらいちいち全部のファイルをリロードします。
そんでもってそれがやったら遅いんだわorz
全部のファイルがワンショットならよいけど、ちょっとしたBGMとかまで使う場合は大変だぞー。
もしライブハウスで使うなら、サウンドチェックとかの際に出来るだけ速く電源をつけてバンクのロードを始めてください。
まじでわたしは先日ロードに3〜5分くらいかかってたと思う。
このロードの遅さがあるので、舞台音響でSE出しするときとかに別のバンクに音があるとかだと心配だと思います。
音の読み込みが終わってないのにもうすぐそのSE出すシーンが来ちゃうよ〜!!
なんて怖くて想像もしたくない……
ちなみに、”内蔵マイク”の項目の写真のときにまだロードしてましたww
この時点で55%。途中何枚写真撮ったと思ってんねん……
使い方がわかりにくい
まぁしょうがないんだけどね、もうちょっとだけ親切な取り扱い説明書があってもよかったかなぁ。
ユーザーバンクってどこにあるのよ!って結構悩み倒したし。
どうやら、初期の工場出荷時プリセットをいじって、保存しようとするとそのタイミングでようやくユーザーバンクの書き出すってことが出来るようで、そんなこと知りもしなかったのでこれだけで随分時間をかけてしまったorz
でもまぁもう一回り小さいMPX8よりかははるかに使いやすいですけどね!
リアルタイムでいじるにはつまみが小さすぎる
パッドサンプラーって本当に色んな使い方が出来るから、それこそリアルタイムにパラメーターをいじるって方もたくさんいると思います。
MPX16もそういうユーザーがいるのわかってて、その人たちにも使ってもらえるようにってためにフィルターとかを搭載したのだろうけど……ちょっとつまみが小さすぎるかなぁ。
たとえばひとつだけでも大きいつまみがあって、そこに好きなパラメーターをアサイン出来るとかになってたら完璧だったなぁ。
フィルターとかパンとかそういうのをアサインしておいて、
トリガーしながらグリグリいじるとか最高じゃん?
MPX8との違い
AKAI製のお手軽サンプラーの中で最もお手軽なのは実はMPX8という、もうワンサイズ小さいモデルです。
お値段もさらに安くて、もはや1万円ちょいで買えてしまう!
ではこのMPX8とMPX16、どのような違いがあるのか比較してみましょう!
→MPX8については以前こちらで紹介しました。
パッドの数
もう名前から想像ついてると思いますが、MPX8はパッドが8個、MPX16はパッドが16個です。
同時に読み出せる数が単純に倍になっているので、ここは自分の使い方次第で8個で足りるのか、それ以上必要なのかを判断するのがよいでしょう!
ベロシティ固定が出来ない
これ!
これだよ!!
最大の注意点!!
MPX16のよいところでベロシティに対応してたり固定したりを選べると紹介しましたが、
MPX8ではなんと固定が出来ない!!
どんなサウンドファイルも叩く強さによって音量が変わってしまう!!
これはねぇ〜……めっちゃ不便なんだよ。
楽器として使う場合はベロシティに対応しててほしいんだけど、
効果音出しとかのときにはどんな強さで叩いても同じ音量で鳴ってほしい!
この切り替えが出来ないので、舞台関係の音出しにはMPX16の方が圧倒的に向いてます!
パラメーター調整が圧倒的にしにくい
これは小型化した機器に必ず起こる弊害で、操作パネルやボタンが少なくなりすぎて、直感的な操作がしにくい1
“MPX16と同等のエディットが出来ますよ!”
と言われても、
MPX8では内部メニューの奥に入り込んでようやく音量が調整出来るとかだと、
これは使い勝手の面において大きなマイナスポイントです。
何故か横幅が全く同じ大きさwww
これちょっと面白いwww
MPX8は縦に2列x横に4個の8パッド。
MPX16は縦に2列x横に8個の16パッド。
なのに横幅が全く同じという奇跡のデザインwwww
まぁその答えはつまり操作ボタンとかを奥に配置したからなんだけど、なんか面白いですよねww
結論:MPX8よりMPX16を激推しします!
以上のことから、MPX8とMPX16で悩んでいる方がおりましたら、激しくMPX16をおすすめします!
安いけどね!
1万円ちょっとで買える簡単サンプラーはたしかに魅力的!
でもベロシティの固定も出来ないからSE出しには使いにくいし、
かと言って直感的なエディットもしにくいから演奏にも使いにくいし……
そのあたりがうまく解消されているのがMPX16!!
最強!
【まとめ】お手軽パッドサンプラーはAKAI MPX16で決まり!!
さていかがだったでしょうか。
かなり色んなことが出来ますよね?
1万円台でこれだけの機能と使い心地は本当にすごい!
単体パッドサンプラーとしても、
MIDIパッドとしても、
ループサンプラーとしても、
思いつく限りの使い方でGood JobをこなしてくれるAKAI MPX16、とってもお気に入りなので皆さんもサンプラーが必要な際は候補に入れてみてはいかがでしょうか!
ってことで今日はここまで!
最後まで読んでくれてありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!
MPX8についての詳しいレビューはコチラです!
AKAI / MPX8
→サウンドハウス ¥10,778-
→サウンドハウス ¥10,778-