専門学校に通い始めて割と早いタイミングで、
校内のメーリス的なものにちょっと面白そうな話が舞い込みました。
“EXILEと大物アーティストのミュージックビデオのエキストラ募集。”
“ロックな服装で5月31日朝n時に渋谷のなんちゃらタワーに集合で参加出来る人は写真を添えて返信を。”
とのこと。
今日はそんなお話。
とりあえず応募
当時から僕は裏方仕事とかにも興味があって、
撮影の現場に行けるとなればこれは面白そうだと。
こんな機会はそうそうなさそうだしね、
ってことで、とりあえず持ってた革ジャン(フェイクレザーですけどね)と、
ありったけのシルバーアクセをつけて写真を応募。
目つきはもともと悪いから大丈夫!
参加出来るかどうかは後日返信が来るそうです。
友人からのメール
参加希望のメールを送ったその日だったか、
高校のときの友人からメールが来た。
「萩ちゃんやばい!私GLAYのPVに出れるかもしれない!!だからダンサーっぽいカッコ教えて!!」
は?
舞台関係の専門学校に進学した彼女は、僕と同じくらいのかなりコアなGLAYファンで、
ちゃんと知り合う前からたまたまGLAYのグッズTシャツを着てた僕に
「それGLAYでしょーーーーぅおおお!!」
って遠くから叫んで来たヤバい奴だ。
そんな彼女が、僕らが卒業して2ヶ月、
なにやらGLAYにPVに出れるとかで興奮してGLAY友達である僕にメールをよこしてきた。
くそぉ羨ましい奴め。
話を聞いてみると
GLAYと大物アーティストのMVのエキストラ募集。
ダンサーっぽい服装で5月31日朝n時に渋谷のなんちゃらタワーに集合で参加出来る人は写真を添えて返信を。
とのこと。
……ん?
……おや?
うぉおおおおおお!!!
これじゃんん!!
これってそれじゃん!!!
嘘じゃん!ほんとじゃん!!!
たまたま僕らは知ってしまった、
GLAYとEXILEがコラボすることを……。
そう、5月31日はGLAYxEXILEという当時話題になったコラボのミュジーックビデオの撮影だったのだ。
(ちなみに、僕がダンサーっぽいカッコわかるわけないだろw)
当日
朝の7時くらいだったか、渋谷に集合した。
友よ、すまない、僕だけ受かってしまって。
集められた僕らはバスに乗せられロケ地へ向かった。
茨城だっけ?栃木だっけ?
全編室内だったから忘れたわ。
集合場所についたあたりで母から写メール(←時代ww)が届いた。
目覚ましテレビでGLAYとEXILEのコラボが発表されたって。
なるほど、
たしかにエキストラ多数の撮影なんかしたらここから情報漏れちゃうもんね。
この日に発表はまさに必然だ。
撮影現場だ!!
めちゃめちゃたくさんのスタッフさんがいて、
入念なカメラテスト。
集められた僕らエキストラ(うちの学校から参加してるロックなやつら半分、そしてダンサーっぽいやつらが半分。)はぎゅうぎゅうのライブハウススペース(撮影用セット)に押し込められた。
そしてついに
「GLAYのメンバーさん入りまーす!」
生GLAY!
うぉおおおおおお!!
本物!!
いる!いる!目の前に!
こうして大興奮している僕らの最初のシーンはライブシーン。
僕らは大盛り上がりの観客。
鳴り響く新曲。
パフォーマンスするGLAYxEXILEのメンバー。
このとき僕らエキストラの大興奮は決して演技ではなかった。
場当たり
ワンシーン撮るごとにGLAYとEXILEのメンバーさんは裏にハケて、
僕らはまた別の控え室……部屋ではなくだだっ広いスペースに移動。
そんな中、たまたま「照明とカメラのあたりを見るために何人か残ってー」と言われ、
撮影現場を見ていたい僕は真っ先に名乗り出た。
そしたらまさかのステージに上がらされた。
メンバーの立ち位置での確認らしい。
ベース専攻の奴がひゃっほーなテンションで
「俺JIROやりてぇ!!!」
と言いながら走っていったので、
なるほどそういうことかと、
僕は本能的にHISASHIさんポジションへ。
(GLAYオタなのでHISASHIさんが大体どのへんにいるかわかるのだ。)
そしてカメラと照明のテストが終わったところで本番。
メンバーが出て来た。
スタッフさんに連れられて、HISASHIさんが僕の元へ。
「大ファンなんです!!」
よく勇気を出したぞ自分。
僕の元に、いや違うよ、
自分の立ち位置に歩いて来たHISASHIさんに勇気を出して言った。
「大ファンなんです!GLAYに憧れてバンド始めました!」
どれくらいの声量だったかもわからないし、声は震えていたかもしれない。
けれどHISASHIさんには伝わったようで、
「そうなんだ、頑張ってね」
と言って握手してくださった。
おーーーーーーーーーふぉおおおおおおおおおおおお!!!
俺この学校入ってよかった!!!
このとき本当にそう思ったのを覚えている。
HISASHIさんが目の前にいて、
普通に実在する人間で、
身長も僕とほぼ一緒で、
全然よそ行きじゃなさそうな声量で僕だけに話をしてくれた!
いや本当に嬉しかったんですよ。
本当にありがとうございます、大好きです。
終わらない!
僕らには全然わからなかったけど、
どうやら撮影はかなり押していたようで、
全然スケジュール通りには終わらず。
しかし終電の時間もあるし、
というのは渋谷だか新宿だかからのね。
それを逆算して僕ら未成年エキストラを返さないといけない。
しかし撮影スタッフさんからは、どうにか残ってくれる人はいないかと。
うちの専門学校の先生兼スタッフも同行していたので、
先生が言うには
「残りたいやつは、親御さんに連絡がついて、許可をもらえたなら残っていい」
という懸命な判断を下しました。
うちの母は理解してくれて残ることを許してくれたので、
残業組に参加。
ハッピーバースデー!
日付をまたいで6月1日。
撮影のワンシーンかと思われたところでいきなりみんなでハッピーバースデーの大合唱。
この日はEXILEのHIROさんの誕生日だそうな。
みんなで楽しげに誕生日をお祝いする24時。
大人の楽しみ方だな〜と思ったワンシーンでした。
ていうか、エキストラはその日のうちに撤収だけど、もともとメンバーのみなさんとスタッフのみなさんは夜通しやるつもりだったんでしょうね、そうじゃないとこんなケーキ出て来ないですよね……。
ということに今になって気付きました。
僕らはその日始発の時間に渋谷に着き、翌日は……どうしたかは忘れたww
最大級のアホ
この日のことは僕の人生においてとても大きな意味を持つシーンや発見があったのですが、
その中でも僕のめちゃめちゃ大きな失敗、
というか、意識の低さで迷惑をかけてしまったことがあります。
それは、衣装を勝手に少し変えたんです。
革ジャンはそのままだったのですが、
中に来ているTシャツを変えました。
GLAYのグッズTシャツに。
だって、GLAYに会えるとなったら!
もはやそうなるじゃないですか!
という当時の考え。
もうホントにアホ。
こういう奴が出ないためにロックの専門学校にはEXILEのMVだ、ダンサーを集めるときにはGLAYのMVだって言ってエキストラを集めたのに、
MVの世界観を壊すようなGLAYグッズを一人身にまとってしまった。
撮影の中盤にスタッフさんに注意されました。
「これグッズだよね?映らないようにして」
と。
当時はなんやねんと思ってたけど、
そりゃそうだよホントなにやってんだよ……
編集とかでご迷惑おかけしてたら本当に申し訳ない……orz
ホント余計なことしたわ。
「俺JIROやりてぇ!!!」の奴
これに関しては、
きっと僕の人生中でとても大きいことだと思うので、
次のページに書かせてもらおうと思います。