どうも、エフェクターのルーティングを何年も迷い続けている萩原悠です!
だってマルチにしてもコンパクトにしてもそれぞれ一長一短だし、スイッチャーとかも色々試したけどなんかしっくりいかないし。
しかし、そんな葛藤ももしかしたらこの新製品の登場によって終わりを告げるかもしれない!
BOSSのMS-3、僕らが欲しかったのはこれなんだー!!!
(追記:買いました!)
MS-3
こちら、なんだと思いますか?
エフェクターを使い慣れてる方は即答出来るかと思います。
スイッチャーであると。
しかし!
それにしてはボタンが多い、なんじゃこれ。
このMS-3は、スイッチャーであるのと同時に、マルチエフェクターでもあるのです!!
いや、これは、
マルチエフェクターに3つのセンドリターンがついたモデルなのです!!
すごいな、そして昨日発売されまして、初回入荷があるというお店で見せてもらってきました!
マルチエフェクターとしてのMS-3
では早速、BOSS MS-3の特徴を紹介していきます。
まずはマルチエフェクターとしての側面から!
112種類のエフェクトを搭載
まず重要なのはマルチエフェクターとしてどれくらいマルチなのかってことですが、
なんと搭載しているのは112種類のエフェクト!!
これは去年リリースされてギタリストの足元界隈で一世風靡を巻き起こしたマルチエフェクターGT-1よりも多い数なんです!
その膨大なエフェクトは
FX1、FX2、Mod1、Mod2、Delay、Reverb
の6つのカテゴリーに分かれていて、それぞれのカテゴリーから1つずつ、最大6つの内部エフェクトを同時使用することが出来ます。
(ここ重要だから覚えておいて!!)
ちなみにFX1とかFX2ってとこに歪みとかコンプとかピッチシフターとか、いわゆる音程系とダイナミクス系が入ってます。
ベーシストにも対応
実はGT-1よりも内蔵エフェクトが多いってのは、
ベース用のエフェクトが入っているからです。
そう、このMS-3はギタリストにもベーシストにも使えるんです!
エクスプレッションペダル等を接続可能
外部入力端子としてコントロールインプット端子を装備。
これにより、内部エフェクトのワウやピッチシフト、コーラスのかかり具合などを調節可能!
こういうところが大手エフェクターブランドのBOSSらしいところですね。
これがもしスイッチャーをメインに作ってるブランドだったら絶対このエクスプレッション入力はなかったと思うな。
フットスイッチはメモリーモードとマニュアルモードの切り替えが可能
4つあるフットスイッチ、これのそれぞれにあらかじめ作っておいたプリセットを登録しておくわけですが、
右上のスイッチ、Manual/Memoryの切り替えスイッチになります。
これを4つのスイッチがプリセットの読み出しモードになったり、
それ以外の色んな設定を変えるためのスイッチに変わったりが変わります!
なので、大まかなサウンドをプリセットに入れておいて読み出し(ここまではメモリーモード)、
そしたらマニュアルモードに切り替えてスイッチひとつずつが
・ワウのON/OFF
・ハーモナイザーの切り替え
・リバーブのON/OFF
などに割り当てられるってことです!
これは便利!
これが出来るマルチエフェクターはパッチの管理が格段にラクになるんですよ!
ちょっとした音色違いとかだったらひとつのパッチ内で出来るからね!
便利!!
スイッチャーとしてのMS-3
それでは、次にスイッチャーとしての側面から見たMS-3の特徴を紹介します。
3系統のループを制御可能
まず、ループスイッチャーとしては3つの回路を持っています。
それぞれのループに別々にエフェクターを入れておくことによって、瞬時に狙ったエフェクターだけ使うことが出来ます。
使ってないエフェクターは回路が通ることもないので、音質の劣化を最小限に抑えることが出来るのもループスイッチャーのいいところですね!
プログラマブルスイッチャーだよ
このサイズだとちょっと怪しかったかもしれませんが、ちゃんとプログラムプリセットを登録しておくことが出来ます!
プログラムが出来ないスイッチャーだと、結局1番のループに繋いだエフェクターを使うには1番を踏む、それをキャンセルするためにはもう一度1番を踏む、ということになります。
これはエフェクターが増えてきたら面倒なんです。
だって、イントロは1番のエフェクトを、Aメロに入ったら2番と3番のエフェクトをってなったときに、
Aメロに入る瞬間に1をオフにするために踏んで2と3をオンにするために踏む、つまり一瞬で3つのスイッチを踏まないといけないのです!
やだ!面倒!
ってことで、プログラムが出来るやつだと、
1番のスイッチには 1on 2off 3offのセッティングを、
2番のスイッチには 1off 2on 3onのセッティングをという感じで事前に登録しておくことが出来るのです!
これがプログラムスイッチャー、ちょっといいスイッチャーにはこういう機能がついていて、
むしろ足元で色々こだわって演奏している人には必須の機能ですね。
MS-3もちゃんとプログラムモードがあるぞ!
アウトプットの切り替えも可能
ループの選択だけではありません!
アウトプットを2系統、選択することが出来ます!
つまりはアンプを切り替えることが出来るってこと!
クリーンと歪みでアンプを使い分けるなんてよくあることですよね、そんなのもループのセッティングと共に登録しておくことが出来ます!
MIDI信号も送れる
MIDI端子も搭載!
すっかり当たり前になってしまったMIDI通信。
これによりシーケンサーや他のマルチエフェクターのセッティングをMS-3で一括管理出来ます!
ホントいまどきのスイッチャーはすごいな……(実はこの機能は随分前からあります)
MS-3独自の使い方
さて、ここまではマルチエフェクターとしてのMS-3の長所、
そしてスイッチャーとしてのMS-3の長所を語ってみました。
しかし、マルチエフェクターとスイッチャーを併用して使ってる人なんていくらでもいるし、
そういう方にとっては今のところ全然魅力的に感じてないと思います。
しかしMS-3のすごいところは、このマルチエフェクターとスイッチャーが一台に合体したというところなんです!
どんなにすごいか、紹介します!
内部エフェクターと外部エフェクターを同時使用、一括管理出来る!
これは本当にすごい!!
さすがBOSSとしか言いようがない。
スイッチャーにエフェクターが入ってる状態なので、接続したエフェクターの他にMS-3本体に入ってるエフェクトも使い放題!!
そしてそれらを全部ひとつのプログラムに登録しておくことが出来る!!
プリセット1には外部オーバードライブだけを使うセッティングを登録して、
プリセット2には
内部コンプレッサー→外部コーラス→内部リバーブ
を登録、
そしてプリセット3には
内部コンプ→外部ディストーション→外部コーラス→内部ディレイ
を登録、
これらをスイッチ1発で切り替えるなんてことができてしまいます!
なんだこれすごい!
マルチエフェクターとスイッチャーの垣根が本当になくなっている!!
マルチエフェクターを使ってる人の多くが
「本当は俺が愛用してるPHASE90を使いたいんだよなぁ。」
「歪みは本家のBigMuffじゃなきゃ満足する音が作れない。」
「ほぼ同じ効果のピッチシフトってのがあるけどやっぱりワーミーはデジテックのやつを使いたい。」
などなど色んな悩みを抱えていると思います。
でもそんなこと言ってると接続が面倒だったり、実質不可能だったりしました。
が、MS-3なら全部解決します!!
また、
「エフェクターは3つで充分、でもホンの一瞬だけフランジャーが使えたらいいなぁ。でも買うほどでもないしスイッチャーがデカくなっちゃうと意味がない。
て方いますよね。
そしたらMS-3の内部エフェクトを使うといい!
しかも切り替えはスイッチ1発なんだから!
超便利ですね!
アウトプットの選択もMIDI送信も全部スイッチ1発!!
内部のエフェクトと外部のエフェクトを一括管理、に加えて!
アンプも切り替えられるしMIDIも送れる!!
そう、これはさっきも一度書いたことなんだけど、やっぱりこれはすごい!
エフェクターの切り替えと同時にアンプも切り替えられて、アンプのチャンネルも切り替えられる!
外部エフェクターと内部エフェクターの接続順が自由!!
MS-3は絶対大人気になると思う!!
その根拠がこの機能です、外部エフェクターの接続順が変えられる!
チャンネルごとに
内蔵エフェクト→外部エフェクト→内部エフェクト
にしたり、
外部エフェクト→内部エフェクト
にしたりが自由自在!
たとえば内蔵のワウとコンパクトの歪みをチャンネルごとに入れ替えたり出来るし、
今までセンドリターンが1系統だけあったマルチエフェクターと違って、必要な外部エフェクトだけルーティング出来る、これは音の質にもキャラクターにもこだわるギタリストにとってめちゃめちゃ嬉しい!!
MS-3の価格
→サウンドハウス ¥41,500-
GTクラスのエフェクターと、3ループのプログラムスイッチャー。
これだけのことが出来て4万円代ってのはまぁまぁだと思います。
専用の電源アダプターも付属します!
また、ボディもGT-1とは比べものにならないくらいしっかりしてます。
それでいて重量は1.1kg、あれ、GT-1より軽い!(GT-1は1.3kg)
スイッチャーを入れるくらいの人だと、エフェクターも複数入れることになるので、
少しでも軽いってのはとても嬉しいですね!
MS-3で出来ないこと
とても素晴らしいMS-3!
絶対流行るぞMS-3!!
でも、まぁ褒めちぎるのはメーカーサイトを始め、色んな販売サイトがやってることだと思うので、
ここではわたしなりの“惜しい!”と感じる部分をば。
これが出来たらよかったのに!
っていう箇所をいくつか見つけたのでお話します。
特にMS-3の最大の利点でありウリ文句である
内部エフェクトと外部エフェクトのルーティングが自由自在!!
という部分に少々の穴を見つけまして、最強説が若干覆ります。
外部エフェクト同士の順番を入れ替えられない
まず、ループ1,ループ2,ループ3の順番は変えられません。
例えばループ1に歪み、ループ2にコーラス、ループ3にリバーブを入れた際に、
ひとつのパッチだけ
2コーラス→3リバーブ→1歪みという風につなげたいとなってもこれは出来ません。
外部エフェクターを使う場合は
- 1
- 1→2
- 1→3
- 1→2→3
- 2
- 2→3
- 3
のどれかの接続順のみになります!
いまどきの高級スイッチャーだとこれが順番完全自由だったりするのでMS-3でももしかしてと思いましたが、
さすがにそれは出来ないようです。
外部エフェクトを挟み込む位置を分けれない
これが最大の欠点だと思います。
内部エフェクトと外部エフェクトを垣根なくルーティング出来る
というMS-3ですが、
外部エフェクト123は内部エフェクトの1箇所にまとめて挿入されることになります!
この表記はそういうことだったのか!
自由に外部エフェクトを配置出来るのかと思ったら、
実は配置の位置は決まっていてその前後の内部エフェクトを配置出来る、
そういう意味だったんです。
LOOP1,2,3の前にFX1と2があり、Modulation1と2がある、どちらにも同じエフェクトが配置出来るので、実質外部エフェクトを好きな位置に挿入しているのと同じ接続順になるってことですね。
まぁそれだったら別に使い勝手は一緒ですね、わたしがただ屁理屈をこねているだけになります。
しかし、実はMS-3のこの仕様だと、
外部エフェクトと内部エフェクトを交互にルーティングするってことが出来ない!!
内部コンプ→ループ1の歪み→内部トレモロ→ループ3のリバーブ
という接続順は不可能!!
ループ1-2-3はいつも同じ位置に接続され、この3つの間に内部エフェクトを挟むことが出来ないということです。
なるほど、これはちょっと痛いですね。
むしろみんなそれも出来ると思って買うだろうから。
内蔵エフェクトが豊富で高品位だから妥協は出来る人もいるだろうけれど、
この妥協出来るかどうかのラインはきっと、MS-3を
“スイッチャーにマルチエフェクトが入ってる”という解釈か、
“マルチエフェクターに外部ループがついている”という解釈かによって分かれるかなと思います。
ちなみにわたしは、多分我慢出来るw
電源の分配は出来ない
出来たら嬉しかったけどな〜www
スイッチャーの中にはあるんですよね、パワーサプライの役割を果たすやーつ。
MS-3は無理で〜すww
まとめ:MS-3はスイッチャー兼マルチエフェクターの新ジャンル!!
→サウンドハウス ¥41,500-
このMS-3は、新しい時代の幕開けに思います。
こんなすごい製品は今までなかった。
・コンパクトエフェクターを複数使うならスイッチャーが必須。
・マルチエフェクターを使うならほぼそれひとつで完結、ちょい足しでコンパクトの歪みを前に足したりってことはあるかも。
この2つに分かれるのが常識だった長い歴史にひとつの終着点が見えました。
これが日本のメーカーRolandの、BOSSというブランドの底力だなぁと、なんだかすごく嬉しいというか、ワクワクみたいのを感じています。
わたしのボードにもこのMS-3があればもっとシンプルに使いやすくなるなぁと思って、これは是非欲しい!!
情報を得るのが遅すぎて初回ロット分は手に入れられなかったけれど(恐らく次のロットも無理)、今後もライブのする機会がそこそこありそうならMS-3は買っておこうと思う。
(追記:買いました!)
マルチ派の方も、コンパクト派の方も、是非このMS-3で新しい時代の足元作りをしてみてはいかがでしょうか!
ってことで今日はおしまい、最後まで読んでくれてありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!