どうも、どちらかというとコンパクトエフェクター派の萩原悠です!
今では作曲だったり講師の仕事の方が多くなったためライブは数が減りましたが、
それでもやはりエフェクターはコンパクトが好きです。
しかし数を並べるとなるとどうしてもスイッチャーが必要になります。
自分も昔から大分お世話になってました。
今回はそんなループスイッチャーの基本的な仕組みや使い方についてのお話です!
大前提:エフェクターが増えると音は劣化する
まず初めに知って頂きたいこと。
ギターの信号というのは元々かなり微弱なので、エフェクターが増えれば増えるほど音が劣化するんです!
これはまぁ考えてみれば当然で、
エフェクターがひとつ増えるとインプット端子とアウトプット端子、
少なくとも2回のコネクションを通過することになり、
当然内部の基盤にも寄り道していかなければなりません。
このひとつひとつの基盤やパーツで、少しずつ音が劣化するというわけです。
悲しいですよね、
いい音で演奏するためにエフェクター繋ぐのに、逆にそれが劣化の原因だなんて!
そこで!
ループスイッチャーの登場なのですよ!
ループスイッチャーの基本
ここでは一番シンプルなループスイッチャーを例にとって説明したいと思います!
(プログラムスイッチャーとはちょっと使い方が違うのでまた別ページで)
繋ぎ方
まず、ループスイッチャーを使った繋ぎ方を説明します。
例えばこの4つのエフェクターを使う場合。
普通ならこうやって直列に繋ぎますわな?
繋ぎ方は各々好みはあるだろうけれど、
ここではこんな感じにしました。
- 基本の歪みがあって
- ワウは歪みの後ろが好き
- リードパート用のイコライザー(音量も上がる)
- リードパート用のディレイ
当たり前ですが、踏んでオンにしたものだけエフェクトがかかり、
それ以外のエフェクターは中を通ってるだけで音色変化はありません。
で、これをループスイッチャーを使うとどうなるか。
こんな感じではないでしょうか。
それぞれのエフェクターをスイッチャーにループ状に接続します。
これがループスイッチャーと言われる所以です。
ループの数は製品によってまちまちだけど、ここでは説明しやすさを重視して3ループのスイッチャーにしました。
基本は全ループスルー
ループスイッチャーの特徴として、
それぞれのループにそれぞれのオンオフのフットスイッチがあることです。
つまり1番を踏めば1番のエフェクトだけがかかり、
その状態で3番も踏めば1と3のループを経由するということになります。
ってことは、なにもオンにしなければ全てのエフェクトをスルーするということ!
右から来たものを左に受け流すだけの存在になります。(ちゃらちゃっちゃっちゃらっちゃ〜)
難しそうに見えてるかもしれませんが、本当にこれだけの役割です!
ループスイッチャーのメリット
では、何故わざわざこんなもの使うのでしょうか。
別に全直列でもよくない?
いやいや、ループスイッチャーを使うことによって様々なメリットがあるんです!
音質劣化を防げる
多くのエフェクターを直列でつなげると、使っていないエフェクターも通ることになり、その分端子や回路が増え、少しずつ元の音が劣化していきます!
もうこれはしょうがないことで、トゥルーバイパスとかこだわりのパーツとか綿密なシールド加工とかで程度に差はあれど、
接続機材が増えれば確実にノイズは増えます!
ループスイッチャーを導入すると通る道が減るので、音質の劣化具合が減るというわけです。
こだわりのコンパクトエフェクターをたくさん並べている方、
なんのためですか?
いい音を奏でるためですよね?
だとしたらこういうところに気を配らねばなりません!
特に古いエフェクターだとかアナログ物とかはどうしても繋ぐだけで音質劣化が激しいので、
わたしはワウペダルが必要なときはほぼ必ずループに入れて、使うときだけループを解放するようにしています。
踏み替えが少し楽になる
先ほどの接続例でいうとループ3。
ここにはEQとディレイを入れてました。
ソロパートになったらディレイで響かせて、それと同時にEQで音質補正もしたいんですね。
でも直列にエフェクターを繋いでいたら、ソロの入るときと終わったときはEQとディレイの両方を同時にオンオフしないといけないですよね?
これは大変!
だとしたら、ひとつのループの中に入れておけば一発でオンに出来ます!
便利!
スイッチャーについてるその他の機能
これ以降はスイッチャーを名乗るための必須機能でないけれど、オプションとしてついていることの多い機能の紹介です。
おまけと言うには便利すぎる機能が多いので、
このあたりまで含めてどのスイッチャーにするか選ぶのが一般的です。
チューナーアウト
ギターからエフェクターを経由してアンプに向かう信号線とは別に、分岐してチューナー等に出力するための端子がついてる機種も多いです。
回路としては、入力された音がエフェクターなどに向かわずそのまま出力されるのが特徴です。
チューナーを直列に繋いでも若干の音質劣化があるので、こうして分岐したラインにチューナーを入れておくというのは便利ですね!
ミュートスイッチ
踏むと音がミュートになる、ただそれだけの機能を備えている機種もあります。
ライブのMC中など、全く音を出したくないときに使いますね。
また、わたしは曲中の4小節くらいでも空白があればミュートしちゃったりします。
ギター本体のボリューム絞るよりも手っ取り早いし、綺麗に音を消せますからね!
そしてこのミュートスイッチは、チューナーアウトと併用することでめっちゃ便利になります!
チューナーアウトはミュートスイッチよりも手前で分岐しているので、
ミュートしてもチューニングは出来るということです!
これ結構便利でしょ、活用しているバンドマンは多いはずです!
パワーサプライ
この機能もちょこちょこありますね。
スイッチャーを使うくらいにコンパクトエフェクターをたくさん使うということは、電源もたくさん用意しなければいけません。
まさかその数だけアダプターを使うわけでもなかろうて。
別途パワーサプライを用意するのがいいんだろうけれど……
結構この機能がついてるスイッチャーも多いです!
なので、とりあえずスイッチャーだけ電源確保して、ここから各エフェクターに分配する!
これなら荷物が減るし、セッティングも速い!
便利ですね〜。
アンプのチャンネル切り替え
ループスイッチャーは進化していく中で、ループ内の機材以外も制御出来るようになってきました。
そのうちのひとつがアンプのチャンネル切り替え。
アンプのですよ?
エフェクターを切り替えるのと同じようにアンプのチャンネルをスイッチャーの操作で切り替えられます!
クリーンチャンネルとか歪みチャンネルとかがあるアンプは普段アンプ前面に切り替えスイッチがあることが多いです。
これとか、
これとか。
で、これを演奏中に切り替えられるようにフットスイッチを繋げられるようになったてるのです。
このフットスイッチと同じ役割をスイッチャーで補うことができるってわけ!
これは特にプログラマブルスイッチャーを使うときには恐ろしく便利ですね。
このセッティングのときはアンプはクリーン、このセッティングにしたらアンプも勝手に歪みチャンネルに変わる、
みたいなことが設定が簡単に出来てしまうってわけ!
2台のアンプを切り替える
これは機能というか、基本機能を応用した使い方のひとつです。
ループのうちのひとつ(ここではループ3)をセンドから出したら別のアンプ(Bと名付けます)に繋ぎます。
そうすると、ループ3をオンにした途端、当然アンプBに信号がいくのでアンプBから音が出ます。
ループ3のセンド端子から出た音がリターンに帰ってきてないので、
今まで鳴らしてたアンプからは音が出なくなります。
つまり、ループ3をループとしてでなくアウトプット切り替えとして使ったのです!
歪みはマーシャルで、クリーンはジャズコーラスで。
そんなことが出来てしまうってことですね。
贅沢!!
MIDIアウト
この辺まで来ると大分高度な使い方になりますね。
音声信号の制御だけでなく、機種によってはMIDIアウト端子も装備しています!
MIDI設定を吐き出すことによって外部のエフェクターに複雑な命令を送れちゃうんです。
ループの中にマルチエフェクターとか、高機能デジタルエフェクトとかを入れたいという方は是非このMIDIアウト機能を活用してください。
スイッチャーの操作だけでループ内のマルチエフェクターのプリセットも変更できちゃったりしたら便利でしょ?
独立ループ(セパレートループ)
ここまで使いこなせるようになるとループスイッチャー上級者かな?
1つのループスイッチャー内で、2つのループスイッチャーの役割を果たせるものがあります。
……全く意味わからないですよねwww
画像ではループ4というのを新しく作りました。
これはループ1〜3と違って、独立したインプットとアウトプットの中に入ることになります。
つまりは全然違う使い方とか、なんなら他の人のエフェクターのループをこっちの足元に入れるってことも出来ますが、
一番よくある使い方はこんな感じでしょうか。
こういう繋ぎ方するには、アンプの裏にひっそりついてるセンドリターン端子を使います。
ループ1〜3をアンプの前段でかまして、
ループ4だけをアンプからセンド送りでかける。
そんな複雑なセッティングも独立ループを持っているスイッチャーなら楽々可能です!
バッファー機能がついてる
ギターの信号というのは随分ノイズに弱いんです。
ケーブルが長くなればなるほど、端子やエフェクターが増えれば増えるほどにどんどん劣化していくわけですが、
それを防ぐためにノイズに強い信号に変えるための機工があります。
それがバッファーというもの。
バッファー付きのスイッチャーなら入力したギター信号を劣化しにくい強い信号に変えてくれます。
“エフェクターをつなげすぎると音が細くなる”
この常識とはおさらばです!
まとめ:つまりループスイッチャー便利!!
いかがだったでしょうか。
今やスイッチャーはかなり色んなメーカーからリリースされていて、
各製品でループの数や機能にかなり差があります。
自分にあった一台を探すのは結構大変かもしれませんが、後々このサイトでもおすすめスイッチャーや選び方についてまとめたいと思っています。
なにかあったらご相談ください!
ってことで、今日はこの辺で。
最後まで読んでくれてありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!