どうも、最近はすっかりアコギも弾くようになった萩原悠です!
アコギはそもそもエレキギターよりも生音が大きいので、普段自宅ではアンプはいらないかもしれませんが、
ちょっとだけセッションとかで音量を出したいときってありますよね。
D.I用意して大規模なPAシステムに突っ込むとかじゃなくてもっと手軽に鳴らせないものか……
そんなエレアコ奏者さんのためにはYAMAHA(ヤマハ)のTHR5Aが最適!!
そんなTHR5Aの音質や使い方をバッチリレビューしていきます!
THR
そもそもTHR5Aとは、2011年に発売開始されたギターアンプTHR10の派生機種です。
THR10は今までの自宅用ギターアンプの常識を覆し、大ヒット商品となります。
詳細は→コチラのページに詳しく書きました!
では、このページではTHR5Aについての話をしていきましょう!
THR5A
→サウンドハウス ¥20,366-(税込)
THRシリーズ初の(2016年現在”唯一の”)エレアコ用のアンプ!
THR10がリリースされた翌年に発売され、わたし個人的には現在の”ちょっと使い”のエレアコ用アンプとしては最高だと思ってます。
様々なサウンドが簡単に作り出せるTHRシリーズなだけあって、
エレキギターほど積極的な音作りを必要とされないアコギであってもこのTHR5Aなら色んななアコギサウンドがつくれます!
サウンドキャラクターの充実っぷり、そしてエフェクトの充実っぷりをレビューしていきますね!
THR5を含む公式Presents動画
まずは一応公式さんの動画を。
THR10の翌年にこのTHR5Aと、そしてTHR10C、THR10Xという3機種が同時リリースだったためまとめての動画になってます。
ストーリーがあるようなないような動画ですが、ちょっと面白いと思いますよ!
最後は絵的にちょっとカッコいい!!
THR5Aの特徴
それでは早速THR5Aについて細かくレビューしていきましょう!
他のTHRシリーズとはちょっと色々勝手が違うので、混同しないように気をつけなきゃ!
アンプシミュレーションタイプ
各THRの最大の違いであるのがここ。
どんなサウンドにするかを大まかに決めるセクションですが、
つまりどんなサウンドが出せるのか、それ次第でTHR10だったりTHR10CだったりTHR10Xだったりという違いがあったわけです。
しかしこのTHR5Aはアコギだ!
となると当然ここで選べるのはアンプのタイプではない。
選べる項目はこんな感じです!
- CONDENSER
- DYNAMIC
- TUBE
- NYLON
- EG CLN
ちょっとわかりにくいですね〜。
それぞれ説明します。
CONDENSER
CONDENSERとかDYNAMICってのは、アンプの種類ではなくてマイクの種類ですね。
“どんなマイクで集音したアコギサウンドっぽくなるか”
というのを選べます。
コンデンサーマイクっては繊細で高音質、ちょっとしたニュアンスも見逃さない、でもわざとらしさがない。そんなマイクです。
で、このCONDENSERってモードは、そんなコンデンサーマイクで収音したアコギのような音が出るというモードなのです!
ハッキリ言います、このモードが一番いい!
わたしなら基本的にこのモードで固定して、よっぽど他のサウンドにしたいときだけ他のモードにしますね。
音がクリアなので、後述するエフェクターとの相性もすごくよいです!
DYNAMIC
で、DYNAMICモードはダイナミックマイクで収音したような音になります。
ダイナミックマイクは、繊細さには欠けるけど、ハッキリと力強いアタック感が特徴です。
ジャンジャカ系のストロークをするときや、ロックバンドの中のコード弾きアコギとかだったらこのダイナミックモードの音はすごく合うと思う!
奥行き感はCONDENSERモードに比べるとなくなる感じですが、スピーカーに張り付くような音がする!
後述するコンプレッサーとかをかけてパキパキにするのがいいかも!
TUBE
ああああああああああああああ夏休みぃいいいいいい!!!
……えっと。
チューブマイクを使用したかのような太く暖かいサウンド。
低音がちょっと強めに出る感じがするな、ちょっとこもる印象にもなるので、トーン上げめで使うのがいいかも。
NYLON
ナイロン弦のギター(ガットギター,クラシックギター)のためのセッティング。だと思う。
なんかこれを“ガットギターの音に変わるプリセット”だと思ってる方も多いみたいだけれど、そうはならない。
これはもしかしたらTHRシリーズのプリセットの名前のややこしいところかもしれない。
CONDENSERというモードはコンデンサーマイクを使ったかのような音に変わる、
DYNAMICというモードはダイナミックマイクを使ったかのような音に変わる、
DELUXE(THR10Cにある)というモードはデラックスリバーブというアンプを使ったかのような音に変わる、
BROWN(THR10Xにある)というモードはエディヴァンヘイレンの通称”ブラウンサウンド”のような音に変わる、
どれもその名前の音に変わるのだが、このNYLONはナイロン弦のギターの音に変わるわけではない。
ナイロン弦のギターのためのモードだ。
でもこれはよく考えれば当たり前で、THR10にある“ACO”や“BASS”もアコギやベースの音になるモードではなく、
それぞれアコギやベースを接続するためのものだ。
でも、ナイロン弦でラインアウトしてアンプにつなぐなんて、そんなギターあんまりないじゃん……
わざわざそんなニッチなモード作るなんてヤマハも随分と……ヤマハ……
ヤマハか!
サイレントギターだ!!
→サウンドハウス YAMAHA/SLG200N
なるほど、これをつなぐためのモードなんですね、
サイレントギターを売るためのモード、
そしてサイレントギターを買った人のためのTHR、
よく出来てますね!
あ、サウンドはやっぱりマイルドに丸くなります。
EG CLN
これが5つめ、最後のモードです。
なんとこのモードだけはエレキ用です!
EG CLN、エレキギターのクリーンチャンネルです!!
そしてこのモードのおかげでNYLONが誤解をされているのかなと思います。
アコギをつないでこのEG CLNモードにすると、ちょっとエレキっぽくなるんですよ。
あまり知識のない方はこれだけで
「うぉ!アコギをエレキにするモードか!!」
と言ってしまいそうです。
はっきり言います、違います!
このEG CLNは、THR10やTHR5に使われているCLEANモードと同じセッティングで、
エレキ用のアンプに繋いだ音がします。
エレキ用のアンプに繋いだ音がします!
エレアコをエレキ用のアンプに繋いだ音になります。
そうすると、やっぱりアコギ用のアンプとは全然違って、ギターアンプとしてのクセが付加されます。
それ故に「あ、エレキギターっぽい!」と錯覚してしまうのです。
“エレキギターっぽい音”ではありません、言うなれば“エレキギター用アンプっぽい音”です!
BLENDってなに
他のどのTHRシリーズにもない、THR5Aにだけ備わっているこの機能このノブ。
BLEND。
なにをブレンドすんねん!
なにとなにをブレンドすんねん!!
答えは、アコギの素の音と、THR5Aのアンプシミュレーションで作った音です。
BLENDを左いっぱいに回すとDIRECT、つまりTHRのアンプシミュレーションは機能しません。
どのモードにしても全く同じ音になります。
そしてこのBLENDを右いっぱいに回せば素の音は出なくなるので、アンプシミュレーションで決めたモードの音がでます。
素の音とアンプシミュレーションで作った音を好きなバランスでミックスする、これがTHR5Aでの音の作り方になります!
アンシミュの音全開だとちょっとわざとらしいなと思ったときにダイレクト音を少しずつ混ぜるもよし、
逆に素の音にちょっとだけアンシミュの音を足して色付けするという使い方もよいでしょう!
THR5Aの理にかなった使いやすいエフェクター
さて、それでは次はエフェクターについてです。
はっきり言って、すごくよく出来てます!THR5Aの一番いいところがこのエフェクトセクションの使い勝手だと思ってます!
COMP/CHORUS
まずはこちら。
他のTHRシリーズとは決定的に違います。
THR10を始め他のTHRアンプでは
- CHORUS
- FRANGER
- PHASER
- TREMOLO
であるのに対して、このTHR5Aでは
- COMP
- COMP/CHO
- CHORUS
となっています。
素晴らしい!!
たしかにアコギではフランジャーとかトレモロなんてほとんど使わないですよ。
それがコンプレッサーに変わってるってのはわかる。
それより素晴らしいことは、[COMP/CHO]という風に両方使いが可能になっているという点ですよ!
コンプレッサーとコーラスはにても似つかない全く別物のエフェクター。
そしてどちらもアコギには欠かすことの出来ないものです。
本来別々にオンオフが出来るようになっているべき。
でもTHRの設計上の都合でこれ以上ノブやボタンは増やせない。
そこで考えられたのがこの、
- COMP
- COMP/CHO
- CHORUS
という三段可変ノブ!
これならコンプだけもコーラスだけも、その両方がけも出来る。
しかも難しい設定とかいらずに、ただひたすらに簡単に。
ちなみに、つまりはフランジャーやフェイザーはこのTHR5Aではかけられないのか……
かけられます!PCつなぐ必要があるけど!(後述)
DELAY/REVERB
もうひとつのノブは他のTHR10とかと同じ、残響系です。
- DELAY
- DELAY/REVERB
- HALL
ちなみに、HALLってのはホールリバーブ、つまり、REVERBですなw
エレキギター用のTHRにあったスプリングリバーブがなくなっていますが、アコギなので当然ですね!
(ルームリバーブは欲しかった。自然な部屋の残響が得られる、ルームリバーブが欲しかったよ。)
パソコンにつないで出来ること
このTHR5Aは、USBケーブルを用いてパソコンと繋ぐことが出来ます。
詳しくはTHR10の紹介ページで書いたのでそっちを見てもらうとして、
ここではとりあえず出来ることをリストアップだけしておきます!
- パソコン用外部スピーカーになる PC内蔵のスピーカーで音楽聴くより100倍いい音だよ!
- オーディオインターフェイスになる パソコン内のソフトに録音することが出来るよ!
- 録音、編集ソフトCUBASE AIがついてくる これがあれば別に買い足す必要なくデスクトップミュージックが始められるよ!
→THRシリーズの元祖、THR10の機能紹介
電池駆動!!
エレキと違って、家で弾く分にはアンプがなくても十分だったりします。
外で弾きたいんだよ!
ライブハウスに行けばPAさんに全部お願い出来るけど、そうじゃないタイミングで使いたいんだ!
ってなったときに、電源入らずで音が出せるのはすごく嬉しいですね!
恐らくこのTHR5AがTHRシリーズの中で一番電池駆動で使われる率が高そう。
単三電池8本というちょっとガッツリな消費ですが、
エネループも使えるようなので前日からしっかり充電していきましょうね!
重量、サイズ
THRシリーズでわたしが一番いいと思っているのは
サイズの割に音がいい
です。
いい音のアンプなんていくらでもあります。
デカくて高いやつ。
しかしこのTHRシリーズ、こんなに音がいいのに卓上サイズだというところが本当に革命的なのです。
サイズ:271mm×167mm×120mm
重量:2.0kg
すごい!
2キロってあれですよ、2リットルのペットボトル!
ふいにあれを持つと重いけど、このクオリティのサウンドを作れるギターアンプがあの重さだと思うと、めちゃめちゃ軽い!
THR5Aという名前だけど、10ワットです
そもそもTHR10が10ワットなんですよ。
で、THR5Aはというと……10ワットです。
まじか!!!
そこは5ワットって言う流れじゃん!!
えぇ、10ワットです。
ただ、やっぱりTHR10に比べると若干スピーカーの性能が劣ります。
そしてそれ故に……ちょっと低音とかビリつきます。
特にTUBEモードにしたときとか。
このビリつきがTHR5Aの最大の欠点だな〜。
そんなに大きな音を出さなければビリつきません!
ただ、エレキと違ってアコギは、
そんなに大きな音出さなくていいときはアンプ使わないんだよな〜。
2万円という価格について
→サウンドハウス ¥20,366-(税込)
ここまでYAMAHA THR5Aについて色々語ってきました。
このアンプ、これだけの音質と機能で2万円です!
これは結構すごいことだと思うんです。
エレキ用と違って、そもそもアコギ用のアンプって少ないですからね、そこにエフェクトもチューナーもついて、オーディオインターフェースにもなってAUXインプットもある。
エレアコを使ってて、CUBE STREET(Roland)とかを使うほどではないけれどアンプに繋ぎたいと思ってる方にはとってもおすすめです!
まとめ アコギ用で小型アンプだったらTHR5A一択!!
そんな感じのTHR5A、アコギ用としては最高だと思います。
それこそRolandのCUBEとかだとアコギの音作りは全然出来ないけど、このTHR5Aなら用途、ジャンル、好みに合わせたアコギの音が作れる。
これ一台でコンプもコーラスもリバーブもかけられる。
取っ手もとっても丈夫で持ちやすい。
アコギ一本担いで活動している方にはとても強い味方になりそうです!
ただひとつわたしが望むのは、
THR15Aとかの、もっと大きな音の出るTHRnAが欲しい!
サイズを大きくしたらTHRじゃなくなる。
そんなことはわかってるんだけども……
でもこんなにも使い勝手がよいならやっぱり期待してしまうよ。
THRシリーズの中で一番”本番”で使うことが多そうなTHR5Aだけに、もっと広い場所でやりたい方の需要も叶えて欲しいな。
ということで、
ヤマハさん!
度々わたしのブログ見て下さってありがとうございます!
THR15Aは!THR20Aはまだですか!!
それでは今日はここまで。
最後まで読んでくれてありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!
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