どうも、実はダンスビートは苦手だった萩原悠です!
自分はギタリストからDTMerになって今は作編曲をやらせてもらっているという流れなので、
テクノだとかハウスだとかは未知のジャンルでした。
そんなわたしにクラブミュージック、ダンスミュージックの作り方を教えてくれたのがこの教則本、参考書です。
DAWトラック・メイキング クラブ・ミュージック的作曲術
曲は作れる、トラックもなんなくいじれる、
そしてもっとちゃんとしたダンスビートを作りたい、
そんな方は是非この本を読んでみて欲しい!
ってことで紹介、レビューしていきましょう!
DAWトラックメイキング/クラブミュージック的作曲術
こちらです。
めちゃめちゃに実用的な参考書です!
クラブミュージック、ダンスミュージックを制作するなら絶対に読んだ方がいい!
逆にこの一冊だけで十分なんじゃないかな。
著者はCOLDFEETのWatusiさん
えっと、慌ててどなたか調べましたwwww
プロデューサー、ベーシストとしても活躍するDJさんだそうです。
やっぱりトラックかっこいいな。
このWatusiさんが今まで身につけたテクニックやセンス、タイム感などを惜しみなく披露してくれてます。
てかこのYouTubeで流れてるトラック、ほぼ同じのが付属CDに入ってるぞwww
ジャンル別、パート別のトラックメイキング
本書の進行は、
最初にちょっとした基礎知識、最後に楽曲全体の捉え方のお話がありますが、
メインは
- PART1/ビート編
- PART2/ベース編
- PART3/上モノ編
で構成されています。
そしてそれぞれの中
- ハウス
- テクノ
- エレクトロ
- ヒップホップ/R&B
- ダブステップ
- ドラムンベース
ジャンルを決定づけているのはなにか、
バスドラ、スネア、ハイハットなどの各パーツごとの音選びや微妙に前に後ろにずらしたりが実にわかりやすく説明されています。
今までハウスとテクノとエレクトロの違いがわからなかった方でも、
この本を読んで、付録のCDの音源を聴いて、さらには実際に自分で打ち込んでみたらたちまちダンスミュージックが得意になるでしょう!
それぞれのパートが対応している
この本の一番優れているところはここです。
PART1で紹介したハウスビート1、ハウスビート2、ハウスビート3。
PART2ではそのビートに乗せるためのハウスベース1、ハウスベース2、ハウスベース3が紹介されています。
これはめっちゃ便利なんですね。
とても実践的。
というのも、なかなかベースだけを作る、ビートだけを作るってことはないんです。
大抵のトラックメイカーは両方自分で作るんです。
なのにビート編とベース編で違う題材で作られたら、
1曲を仕上げることが出来ないんですよ。
たとえばミキシングの教則本とかでよくあるのが、
“バスドラの音作りはこんな感じです。しかしベースとの兼ね合いなので一概には言えません。”
“ベースの音作りはこんな感じです。しかし一番大事なのはバスドラとの関係性です。バスドラ次第でこの設定を自分なりに変えてみましょう”
“ベースの音作りはこんな感じです。しかし一番大事なのはバスドラとの関係性です。バスドラ次第でこの設定を自分なりに変えてみましょう”
みたいな!
おぃ!
それじゃわかんねーよ!
そのベース編でやってたときのバスドラの音はどんな音なんだよ!
みたいな。
とか、アレンジの教則本あるある。
“ギターはかなり自由度の高い楽器です。例えばこんなバッキングとかがあります。ピアノとうまく分離していますね。”
“ピアノのバッキングは多岐にわたりますが、ギタリストとぶつからないように気をつけましょう。”
みたいな!“ピアノのバッキングは多岐にわたりますが、ギタリストとぶつからないように気をつけましょう。”
ギター編のときのピアノバッキングの作り方のコツ教えてよ!
みたいな。
そうなんです、トラックメイキングもアレンジもミキシングも、
トータルコーディネートなんですね。
おすすめのジャケットとおすすめのTシャツとおすすめのパンツだけ紹介されても、
それをどうやって組み合わせるかわからなかったら
「いやいやいやお前そのカッコなんかチグハグじゃね?喧嘩しちゃってるよ」
って言われるのがオチです。
このDAWトラック・メイキング クラブ・ミュージック的作曲術では、
じっくりドラムを作ったら、次のパートでそれに合わせたベースを紹介してあり、
そしてそれを最終的に仕上げるにはこういう上モノがいいよね、
そこに更にこんなパートを足してもいいよね。
という風に、
まさに全パートのトラックメイキングを通して曲が仕上がるようになっています。
各パートを細かく説明していながらにして、最終的に全体が仕上がるというのはとても使いやすいです!
(大絶賛)
全てのAUDIOとMIDIが収録されている
いやもうこれ本当に贅沢です。
この本で紹介されている全てのオーディオデータとMIDIデータが、付録CD-ROMに収録されているんです!
すごいっしょ、ベースの微妙なツッコミ具合とかハイハットの絶妙な短さとか、
全部もらえるんです。
さすがにオーディオデータをそのまま使って自分のCDとして販売するのは著作権上NGですが、
習作を作ってみるのに使ったり出来るし、
第一線のプロが自分の耳で調整したデータがそのまま手元にあるってすごくないですか?
本当に贅沢です。
あ、つまりこの本についてくるのはCDではなくCD-ROMなのでご注意。
メロディ作りのための”作曲術”ではない
一応勘違いしないでいただきたいのは、
この本は“DAWトラック・メイキング クラブ・ミュージック的作曲術”というタイトルですが、
あくまでクラブミュージック的な作曲術です。
なので、一般的な歌モノの作曲術とは根本的に異なります。
メロディを作ってコードをつけて……
という作曲を学びたい人はちょっと待ってくれ!
この本ではあなたの役に立てない!!
逆に、メロディとコードは出来ているけどいまいちテクノっぽさやエレクトロっぽさが出せないと悩んでる方は今すぐ購入すべし!
DAWド初心者にもちょっとだけツラいかも
この本はトラックメイクの考え方やタイム感、抜き差しなどのお話なので、
リージョンてなんですか、グリッドってなんですか、
という方にはまだちょっと早いかもしれません。
まぁ、そんなのは数時間DAWを触ってればわかるようになるからいいんですけどね、
新規トラックってどうやって作るんですかみたいなのは先にググって解決しておいてください。
DAWの使い方さえちょっとわかっておけば大丈夫でしょう!
用語はいちいちページ内に注釈あり
「DAWの扱い方はわかるけれど、細かいジャンルの違いはおろか、用語とかもよくわからない。」
それだったら大丈夫!
割と頻繁に用語の注釈が入ります。
- ブレイクビーツ
- クレッシェンド
- スクエアなノリ
- シーケンサーの自走
よくわからなくても読み進められます。
まとめ:ダンスミュージックの全てがここに!!
今回レビュー書くにあたりもう一度読んでみましたが、
いやはやよく出来ている。
これら全てを理解して吸収出来たら、
もうダンスミュージックに関してはマスターしたと言ってもいいでしょう。
もちろん音楽の習得に終わりはないので、
この本をマスターしても、クラブ音楽に関して未来永劫新しく学ぶことはないかといわれたら、全くそんなわけはありません。
ただ、基本は全て抑えてくれているので、
ここまで理解出来ていればあとは自分で聴きながら理解できるようになるでしょう。
それくらいに、原理、成り立ち、聴覚上の仕上がり、そのデータ、の説明がよく出てきています。
是非とも皆さんも参考にしてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでくれてどうもありがとう!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!