こんにちは萩原悠です!

台湾に来てからは日本の書籍を買う機会もなくなったので
Kindleで色々と本を読んでいるわけですが、

それとは別に、過去に自炊(本を裁断してスキャンする行為)した漫画のデータも持って来ていたので、
今日はそいつについてのレビュー、主に“ジャンプ漫画として”という観点でいきます。


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ヒカルの碁 を自炊した遠い日


学生の頃ですね、数人でお金出し合っていくつか漫画を買ってデータとしてシェアしようぜって話になり、
程よい人気程よい巻数ヒカルの碁がその1つとして選ばれました。

当然裁断機とか持ってなかったからみんなでカッターで切るわけですよ。
なので下手なページとかもあってなんとも醜かったけど…見にくくはなかったのでよしとします!


1〜2年に1回は読み始めては途中で終わってしまうを繰り返していましたが、
先日、一気読みしました!

途中まではなんとなく覚えてたし、むしろよく読んでも囲碁のルールなんてわかんないんだからってことで
割とさらーーっと読みました。

それでもレビューをブログに残そうって思うくらいには面白かったのですよ。



ヒカルの碁 あらすじ


原作:ほったゆみさん(デビュー作だそうです)
漫画:小畑健さん(DEATH NOTEでの美麗っぷり、バクマン。での絵柄の描き分けっぷりが神懸ってる方です)

週刊少年ジャンプにて1999年〜2003年連載。


あらすじは…難しいな。


Hikaru 5

ジャンプ漫画の主人公らしい主人公 進藤ヒカル 12歳 (運動好き、頭悪い、髪型イタい)
1000年前に死んだすごい棋士、藤原佐為=サイ(無駄に美形)
日本のトップ棋士の息子、塔矢アキラ(千と千尋に出てませんでしたっけ)


ある日突然進藤ヒカルは藤原佐為の霊に取り憑かれる
取り憑かれるって言ってもアレよ、身体が乗っ取られたりとかはなく、心の中に寄生して会話しちゃうタイプ。

なんでサイの霊が1000年ぶりに目を覚ましたのか…それは「神の一手を極めるため」だそうです。
つまりは1000年ぶりに囲碁がしたいってこと?

ヒカルは当然囲碁なんて地味なもんに興味ないけど、取り憑かれっぱなしなのも嫌なのでしょうがなく近所の碁会所へ。
たまたま同い年くらいの子供がいたので取っ捕まえて1局交える。
サイさんはヒカル君の中にしかいないので、ヒカル君が打ってる風に、お身体御借りしまーす。
そりゃもう1000年前の超すごい棋士です。近所のお子さんなんてコテンパンにします。

が、実はその子供、日本で一番強い囲碁のおじさんの息子で、自身もプロ級の腕の持ち主塔矢アキラ。

父親以外に負けたことのなかったアキラ君はそりゃもうびっくり。

アキラ君の囲碁人生(つってもまだ小学生w)最大級にとっても悔しかったので何度も一人反省会をした後に再戦を申し込む。

そんなアキラ君の真剣さに影響されたか知らんけど、ヒカル君も途中からサイさんの言いなりではなく自分で打ってみたくなる。

でもねーアキラ君めっちゃ強いわけですよ。
そのアキラ君はヒカル君がめっちゃ強いと思って本気で臨んでたのになんだこの途中からフザけた打ち方は…。

ってことでヒカル君のことはもう忘れ、振り切るようにプロを目指すことを決意。
しばらくして余裕でプロになりますが、なんとなくヒカル君のことが気になり続けるアキラ君。
そうです、ツンデレです。

ヒカル君はアキラ君と自分の力でもう一度戦いたいため、その後なんやかんやの出会いや対局を経て、プロの棋士になりたいと思うようになる。

おっと忘れてた!ヒカル君が囲碁本気でやりはじめちゃったらサイさんが囲碁出来ないじゃん!
もうなんか強過ぎてヒカル君の身体使って打つのやべぇし。

ってことで思いついた。ネット囲碁。
適当なハンドルネームでヒカル君が打ってあげればいいんですね〜。
じゃ、ハンネはsaiで。ふっつーー!!

そったらまぁsaiはやっぱり強過ぎるわけで。

日本のプロ界隈の皆さん「コイツ絶対プロだよね…何者?」
外国の強い人たち「saiハJPN、ニホンジンダヨースゲーヨー」
塔矢アキラ「この打ち方…この強さ…僕は見たことがある…!!……進藤?」

やっぱり話題になりすぎちゃったのでネット囲碁もおしまい。

突然現れ突然消えたsaiの存在に囲碁界は騒然とする。


その後の展開まとめ。
進藤ヒカル「塔矢アキラと戦いてぇっす!追いかけてやんぜ!そしてぎゃふんと言わせてやんぜ!」
塔矢アキラ「別に進藤のことなんて気にしてないし。え、ところであいつのプロ試験の日程決まった?え、何時から?いや、行かないし、僕もその分腕を磨くだけだし。いや負けないし当たり前だし。」
藤原佐為「囲碁やらしてよぉぉぉぉおお!!!!!!!(←神の一手はどうした)」
ネット上のみんな「っべー!俺ゆうべもずっとsaiを待ってて2時間しか寝てねぇわ!っべーわぁマジ俺!」


そんなやつ。




わーすごい、わかりやすい!(←言ってほしいやつ。)

まぁ実際プロになったりするんすよ。

間にも色々トラブル起きたり葛藤があったり、ジャンプ漫画にしてはわりと盛り沢山な漫画だと思います。


そもそも囲碁の漫画ってどうなのよ


あらすじ書いたら疲れちゃったぞw

ようやくここからが感想です。

 



えっと、いきなりすみません。

囲碁って、地味じゃないですか?




ジャンプ漫画ですよ?

1999年に連載開始したので、
ONE PIECEが3年目、
HUNTERXHUNTERとシャーマンキングが2年目、
テニスの王子様とNARUTOが同期です。

異能の力でぶん殴る要素がないと人気にならないとまで言われてたジャンプ漫画です。

普通にテニスやったって続かないから分身したり恐竜絶滅させたりしてたわけですから、
碁盤の上でポチポチ石置いてってもそりゃまぁ地味ですよね。

某カードゲームの漫画みたいに龍とか召喚して滅びのバーストストリームりますか?
やりませんよ。

しかも囲碁のルールもよくわかんないし。

そんな絶望的な設定でしたが、
これが面白かったんですよね〜。

小畑健さんの作画の力ってのも多分にありますけれど、
話がとにかく面白かったんです。

囲碁のルールがわからなくても読めるように描いてたし、
むしろ盤面自体は”わかる人にはわかる”程度にしか取り上げられておらず、
少年達の心の成長とかに重きを置かれてました。

なので、割と対局中じゃないシーンが多かったんですよ。

練習をしてるところ、過去の棋譜を漁ってるところ、メンタル面を鍛えられるようなところ…
ジャンプ漫画では割と地味だとされてるシーンですよね。

「よーし特訓始めるか!」
ってとこでシーン切り替わっちゃいますよね。


また、
サブキャラたちも「主人公スゲー!」の踏み台になることなく
それぞれの葛藤や成長がちゃんと読み取れて、
いい奴キャラだけどもいいところだけじゃないし、

スポーツ漫画の対戦相手にありがちな
「お前ホントはその競技より喧嘩の方が好きでしょ」
っていう
都合上の敵として作られた敵
もいなかったところがよかったです。

あれってつまり主人公を応援したくなるように、
感情移入したくなるようにのために生まれた絶対悪だったりするじゃない?
それなのにとかく後から
「本当は俺だって…うぉぉぉぉ!!!」
みたいな感じになるけどいやいや遅いって。


てか逆に言えば、ジャンプ漫画に必要な三大要素と言われる
[努力 友情 勝利]
をここまで奇麗に取り入れられた漫画ってなんですかってレベル。

囲碁は1人で戦う競技だけども、
サイはヒカルの中にいますし、
塔矢アキラと進藤ヒカルは常にお互いを意識してますし、
団体戦っていう種目もありますし、
院生というライバル兼仲間な出会いも繫がりも沢山ありました。





友情なくして勝利する作品もいっぱいあるし、
努力は上記の通りなかなか描かれない……
というより後付けされた血縁設定とかの方が遥かに強さに直結してることが多い気がする!!

あの人の息子だったの!?
お父さんが実はすごい人だったの!?



それズルいじゃねーか。

主人公が強くなったんじゃなくて強くなることが決まってる人が主人公になったんかい。

それじゃ「僕も頑張ったらすごくなれるのかな」っていう夢が持てないじゃん!




あとよくあるのが、あまり意味のわからない能力覚醒ねwww
練習してたわけでもないのにいきなり戦いの最中に思いついて出来ちゃったりしてるアレ。


そういう意味で、このヒカルの碁はジャンプ漫画では邪道と言われてましたが、
むしろSLAM DUNKと双璧をなすレベルで王道なんじゃないかと思うわけです。


ヒカルの碁も集英社の引き延ばし?



実はこの作品、よくあるジャンプ漫画と同じく、二部構成になっています。
そして、ご多分に漏れず第二部の評価は低いです。あまり面白くないです。


まぁ…ジャンプ漫画の宿命というか…集英社さんの引き延ばしかなぁと予想します。

人気のある連載が終わってしまったら週刊雑誌の売り上げが落ちるって考えもまぁ当然ありますわ。

しかし、これ以上どうしたらいいのかと。

長いストーリーを作る漫画はアンパンマンやドラえもんみたいに一話ずつ増やしてけるわけじゃないんだから。



この漫画のよかったところは、
かなり早い段階で塔矢アキラ君のお父さん
「彼が最強です」
と出してきたところですね。
プロ棋士十段という明確な指標を添えて。

異世界バトルじゃなくてしっかりとした競技であり実際に連盟とかもあるので、
誰がどれくらい強いかがランク付けされてて当然だし、囲碁を初めて数年の中学生がテッペンまで上り詰めちゃうのもさすがにアリエナイ。

それに
「いつから囲碁は二色だけと錯覚していた?」
とか
「塔矢さんはプロ棋士十段ですか。わたしの段位は53万です。」
とか
「滅びよ」(ドカーン!碁盤が粉々に。)

とかそういう輩も出て来ません。

なのでもっと強い奴が出て来る系は無理です。



ってことで!!
引き延ばしによくある“海外編”です!!

これは映画の続編とかでもよくありますよね。なんでアメリカ行くねんとかww

こうすればまたそっちで強いヤツが出て来てもまぁ不思議ではありません。

まぁ前編に比べれば劣ったけども…まぁ読んで損したとは微塵も思いませんでした!


ヒカルの碁 レビューまとめ


さぁ今回も感想がとっちらかっちゃいましたが、
まとめるととても面白かったです!です。

これは連載当時ちょっと囲碁ブームになったのも頷けます。

少年漫画なりに

懸命に取り組むということ
懸命に取り組む理由
人それぞれの敗北の捉え方
ライバルの必要性

なんか色々とチクチクして刺してくる作品でした。
読んでよかった!

ではでは、今日も最後まで読んでくれてありがとう!

萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!





↑全巻セットとかあるのねwww