ハッピーハロウィーン!!!
どうも、ハロウィンの文化に未だ馴染めない萩原悠です。
あいあむめっちゃじゃぱにーずやねん!
さて、わたし一応作曲家なのでハロウィンちっくな曲でも作ろうかと思ったのですが、
今回は私は既存のカッコイイ曲(ディズニー、ボカロ、V系など)を紹介したり弾いてみたりするだけで、
むしろハロウィンちっくな曲はみなさんに作ってもらいましょう!
今日はハロウィンっぽい曲を作るためのメロディ作りのコツの全部をお教えします!
キーワードは[跳躍と半音階]です!
ハロウィンの曲のイメージ
さてさて、
まずはじめに、どんな曲がハロウィンっぽいのでしょうか。
いや、逆に考えましょう。
ハロウィンっぽいと思う曲からは他にどんな印象を受けるか
ちょっと仲間内に訊いてみました。
そしたらこんな感じに回答してもらえました。
- 陽気
- 無邪気
- ダーク
- 怪しい
- 洋風
などなどこんな感じなのですが、
だいたい誰に訊いてもこんな感じじゃないでしょうか?
でもまぁさあすがに青空っぽい感じとか桜っぽい感じって思う人はちょっともう帰ってくれwww
陽気とダーク、
無邪気と怪しい
が混在しちゃうってのがハロウィンの特徴ですね。
さて、そんな感じで、リストアップは出来ました。
じゃああとは上記のような印象になる曲を作る、ただそれだけです!
ではさっそくいってみましょう!
の前に、ここで本記事の趣旨を改めて説明します。
このページではメロディ作りに重点を置いてます。
ハロウィンのお祭りっぽい感じだったりゴシックっぽい音色とかは
どっちかというとアレンジ、編曲の段階で出されるものが多いので、
実はこのページに従って完璧にハロウィンっぽいメロを作っても
それだけでハロウィンっぽい曲にはならないことをご理解頂いた上でお読みください。
(もし好評でしたらそのうちハロウィンっぽいアレンジ特集します。)
ハロウィンのお祭りっぽい感じだったりゴシックっぽい音色とかは
どっちかというとアレンジ、編曲の段階で出されるものが多いので、
実はこのページに従って完璧にハロウィンっぽいメロを作っても
それだけでハロウィンっぽい曲にはならないことをご理解頂いた上でお読みください。
(もし好評でしたらそのうちハロウィンっぽいアレンジ特集します。)
とりあえずオープニング曲としてnightmare before christmasから“This is Halloween”を置いておきます。
なんとなくです(ページが重くなるぅぅ)。
この曲はちょっと無邪気&陽気な要素がちょっと少なめか。
ハロウィンっぽいメロディ作り、スタート!
前提:キーは短調で作る
まず!これはもう大前提でいきましょう。
長調の明るいパッパラーハロウィンもありますが、
まずは短調で作ってみてください。
短調、つまり使うスケールはマイナースケールです。
長調で使われるメジャースケールと比べて3番目、6番目、7番目の音が半音下がります。
ホラ、短調の方がちょっと暗くて、ハロウィンっぽさに近い気がするでしょ?
なので大前提、短調で曲を作り始めてください。
今回このページでは、この後も色んな曲やフレーズを紹介したりしますが、
の説明と音源と楽譜を便宜上キーをAm(エーマイナー)に統一します。
だって、これだったら黒鍵弾かなくていいから見やすいでしょ?
では続きいきましょう!
テクニック1!1度→5度への跳躍を入れる
メロディってのはもちろんなめらかな階段状にするも遠い音にジャンプするも自由です。
普通遠い音にジャンプすると元気さや力強さが出ますし、
その進行先が5度上だったりしたら普通は安定感が出ます。
しかし使い方によってはハロウィン感を出してくれることがあるんですね〜。
どういうときかというと……
5度の後に次のどちらかへ進行する場合です。
テクニック2!5度から6度へ上がる
マイナーなので6度は半音下がってるため、5度のすぐ上にあるんですね。
つまりここは半音階なのです。
ミとファ、つまりEとFは半音ですよね?(ギターだと間になにも挟まない隣のフレット)
ってことでこれが暗い感じを演出してくれます!
まぁまずはこれを聴いてください!
これがハロウィンじゃい!
本当は1→5→6 っていうサンプルを用意したかったのだけれど、
この曲は5→6 だけですねwww
楽譜を用意してみましたが、後半は適当に弾いて1度に落ち着かせちゃったので割愛してます。
もうこの半音階を使いたさがマックスですね。
原曲は最初に貼り付けてたやつです。
もっかい聴いてみてね!
それでは次です。
いよいよ本日のメインイベントですよ!
テクニック3!4度をシャープさせる
これ!
これが僕が思うキング オブ ハロウィンノート!
もはや他のなにを試さなくてもいい。
これだけでいいからやってみて!
4度をシャープさせる、つまりAmのキーで言うとレがシャープします。
で、このシャープした4度をどうやって使うのか!
簡単です。
5度から降りてきてください。
そこにさっきの1度→5度の跳躍もつけて
1→5→#4
ラ→ミ→#レ
と弾いてみてください。
どうよ!
ハッピーハロウィン!
本来4度はシャープとかなんもつかないべきなんです。
だってホラ、シャープしちゃったおかげでこんなにも気持ち悪い。
でも、なんかハロウィン感は出てきましたね!
こういうところが音楽の「セオリー通りがいい曲とは限らない」っていう面白いとこですよね。
下がってる方向にズレてるんじゃなくて上がってる方向にズレてるので、すごくふわふわするでしょ?
1度と5度は絶対安定音なので、そこから飛んで来るこのシャープ4度の気持ち悪さはすごく耳につきます。
イイネ!
で、
このシャープ4、今後どう処理したらいいのか。
そんな迷えるシャープ4さんの一番簡単で一番人気の就職先をお教えします。
テクニック4!4#から5度へ戻る
シャープ4を鳴らしたら、そのあとは必ず5度に戻れ!!!
つまりこういうことです。
1→5→#4→5
ラ→ミ→#レ→ミ
ホラホラ!
もはやなんかの曲に聴こえて来た!
この半音階の不安定さがハロウィンの醍醐味です!
しかもルートの大親友である5度から行くっていうのもまたいいところなんでしょうね。
まぁイメージしにくいかもですが、このページの下の方で実際に楽譜付きで弾いてみてますので聴いてね。
では、音階に関しては次が最後です。
テクニック5!1度でメロディを終わらせる
これが鉄則です。
Aマイナーキーでいう1度ってのはラのことですね。
途中散々フワフワさせてきましたが、
だからこそメロディの一区切りのときにしっかりと1度に戻ってフレーズを終わらせましょう。
そうすることによってフワフワ感を心地よくさせることが出来ます。
このフレーズが無事ひと段落して収束することを[解決する]という言い方しますが、
つまり、
ハロウィンっぽいフワフワしたメロはしっかり1度に解決させましょう
ということです。
あれだ、
“生活が安定してるから放浪の旅が楽しい“みたいな感じ?
毎日が放浪の旅じゃ不安で仕方ないよねwww
そんな感じで、しっかりと一度というホームに落ち着いてリスナーさんたちに安心してもらいましょう。
で、その1度に戻るときに効果的なテクが2つあるのでご紹介します!
テクニック6!5度から急下降して1度に解決する
1度に解決するためのメロディラインなんていくらでもあるのですが、
そのうちのひとつの選択肢として、5度から1度へ という流れがあります。
これは400年以上前から、
なんなら調性音楽における最初のルールのひとつと言ってもいいでしょう。
ありがとうバッハ先生!
このクラシカルな感じ、おどけたハロウィン感に妙にマッチします。
これに関しては美しいラインとか難しいことは考えない方がいいです、
むしろちょっと強引なところがいいんですから。
で、ひとつ気をつけるべきなのは、
5度→1度の上昇(ミ↑ラ) ではなく
5度→1度の下降(ミ↓ラ) にすること。
オクターブが入れ替わるだけなので、理論的に、楽典的には全く同じなのですが、
下降してきた方が俄然ハロウィンっぽい!
覚えておいてください。
さて、実はもうひとつのテクの方が重要。
絶対に覚えてください!
テクニック7!1度に解決する直前にM7を入れる
これめちゃくちゃ大事なのです。
実は普通のマイナースケールだと、ちょっと歌謡曲っぽくなっちゃうんですよ/
もう少し「怪しさ」とか「洋風」な感じが欲しいなぁ……。
ってことで、7度の音(ラシドレミファ[ソ])を半音上げましょう!
つまり、7番目の音は長調のときと同じ音を使う。(メジャー7th、M7と略します。)
こうなります。
この音階にはハーモニックマイナースケールという名前がついています。
200〜400年前のクラシックの大先生たちも、
20〜30年前のヘビメタアニキたちも、
みんなが大好きなスケールです。
ここでハロウィン曲でこのM7を使う際の注意!
M7のあとは必ず半音上がって8、
つまり1度に(オクターブだからね)解決してください。
もう一度言います。
M7度を使ったら必ず1度に解決してください!
絶対!!
上に貼り付けたスケールの音源聴いて6→7のときにビックリしたでしょ?
M7から下がってm6に行ったり、その逆でm6からM7に上がってきたりすると
イカツイ感じになってハロウィン感が薄れます。
メタル系とかだとM7からm6の流れはめちゃくちゃ多用されていて、
これはこれで気持ちよくてクセになりますwww
なので逆に言えば、M7は一瞬だけ、1度に解決することがわかってるときのみ、
その直前でだけ使いましょう。
この半音階が、短調なんだけどちょっと明るいような…陽気なような…怪しいような…を作ってくれます。
このテクニックは効果絶大、ぜひ覚えてってください!
ちなみに、下にいる6度とかと繋がるフレーズにするならばメジャー7thじゃなくて普通のマイナー7thにしておいた方がいいです。
これは4度をシャープさせるときも同じで、
フレーズが3度と繋がるときはシャープさせない方がいいでしょう。
最後に、リズムについてちょっとだけお話しましょう。
テクニック8!シンコペーションを使わない
シンコペーションってのはあれですね、リズムのアクセントが前にツッこむやつ。
スピード感が出てカッコ良くなりますよね。
ですが、ハロウィンにシンコペはいらん!!
なんでかわからないけど、あまりやってる人いないんですよね〜。
この後何曲か例を挙げますが、みんな4つ打ちとかの単調なビートです。
あれかな、やっぱりパーティーとか、マーチとかを意識した方がいいんでしょうね。
ということで、リズムは縦を刻みやすいようにしましょう!
ハロウィン的メロディーまとめ
いかがだったでしょうか。
- 1度から5度や6度への跳躍音階
- 5度から6度への上昇半音階
- 4度をシャープさせて5度からの下降半音階
- シャープ4度から5度に戻る
- メロディの解決先は1度
- 5度から跳躍下降して1度に解決
- 1度に解決する直前にM7を使う
- シンコペは使わない
さて、ここまでをしっかり整理出来てる人はもう気づいているはずです。
5度から上がっても下がっても半音が出来るっていうことに。
ってことで、5度の周囲を半音でウロウロするだけでカッコイイ曲が出来ちゃったりします。
そして、そこに向かうための1度から大ジャンプしていって、また大ジャンプで1度に帰ればいいのです。
あれあれ、なんかすごい簡単な気がしてきたでしょ?
ハロウィンっぽい曲を紹介!
さぁお待たせしました!
それでは最後に参考曲祭りします!
これまで書いてきた定理に当てはめながら聴いてもらえるように、
全てのメロディを同じキーで(楽譜もAmに統一)、同じ音色で、だいたい同じアレンジで僕がギターで弾かせてもらいました!
で、ここまで読んでもらって申し訳ないのですが、
ギターの方の音源を聴くと怪しさや滑稽さは残ってるけどハロウィンっぽさはすごく薄れています。
結局”ナントカっぽい”っていう曲調はアレンジによるものが大きいことってことを証明してしまうかもしれないwww
それではレッツハロウィン!
1→5→#4→5→6→5→#4→5くらいしかやってない!!
まずはこちらを聴いてくださいませ。
この記事内で紹介した全てのテクを網羅しているこの曲、
こちらは日本のV系ハロウィンの魔王、HYDEさんの曲です。
元曲こちら。
1度から5度へのジャンプ、5度から1度への急降下など、
お手本のようなハロウィンメロディですね。
ちなみに、M7から1度に行く前に2度に寄り道してますが、
ちょっとだけ1度への解決を焦らすワザです。
V系の音楽はシンコペーションが大好きで、
L’Arc〜en〜Cielさんの曲でもめちゃめちゃ多いですが、
この曲ではフルコーラス聴いても一度もシンコペしません!
はい次です。
シャープ4とナチュラル4の使い分け!!
ハロウィンといえばもはやディズニーですかね?
ギターで弾いて一番カッコイイ曲を選びましたwwww
5度から来て5度へ還る4度はことごとくシャープさせまくってますが、
後に3度が来るときには一度足りともシャープさせてないというスマートな使い分け。
瞬間瞬間のメロディは流れるように綺麗だけど、4度がこうして揺らいでることによってフレーズ全体で調性がよくわからなくなる、=フワフワする、そんな感じです。
1段目最後(4小節目)では1度にいかずに2度までしか落ちないというのが、焦らしのテクニックです。
ちなみに、ディズニーハロウィンはこの2008年のが一番ロックですよね〜。
元曲こんな感じです。
ボカロってハロウィンっぽくね?
ボーカロイドから1曲ご紹介します。
ちょいちょい跳躍したり1→5→#4とかもありますが、
他の曲よりも色んな音を使ってるのでメロだけだとちょっとハロウィン色が薄い?
これはボカスカガチャガチャ入ってるアレンジがボカロっぽいのかもしれません。
Aメロで7度がシャープしてるのに合わせて6度までがシャープしてるってのが特徴かも?
それでは次で最後です。
鉄則無視でどこ行くか全くわからないけど最後は1度でしっかり締める
これもまたディズニーハロウィンなんですけど…とにかく聴いてもらおうかな。
バッキング(伴奏)をシンプルにしたのでまだわかりやすくなってると思う。
今まで紹介してきたテクニックを踏まえてるような踏まえてないような…
ぶっちゃけなにが起きてるかわからない凄まじいメロディなんだけど
どうにかこうにか最後にはルートに戻ってきてくれるという綱渡りメロディ。
2段目と4段目の終わりの54321下降ライン、
これはつまでテクニック5で紹介した”5度から下の1度に解決しろ!“が使われています。帰ってきてるでしょ?
ちなみに冒頭の1→5→6→b2 ってのは
1→5への大ジャンプ
5→6の半音進行
6→b2は5度下降(ただし半音転調してる感覚)
ということになってます。
そう考えるとなんとか説明はつくけど……難しい!
こんな難しいメロディみんなパークで覚えられんですかね…
明らかに年パス持ちをターゲットにしてるなと思った2010年ディズニー。
ちなみに私はサントラだけ買って現地には行ってませんw
おわりに
さぁいかがだったでしょうか!
今回はメロディ自体の雰囲気を味わっていただくために全部ギターで弾いちゃったのでハロウィンっぽさは薄れたかもしれません。
「結局楽器編成とか音色次第だな!」
って気づいたきっかけになってしまったかもしれません。
たしかに、曲の印象ってのは割と編曲次第でどうとでもなってしまいます。
でももしあなたが作る側の方ならば、ぜひこうした音階のことも気にして作っていくと、
最終的な完成度がグンと違ってくるとおもいますよ!
そんな感じで、今日は終わりたいと思います。
この記事があなたの役に立てば、もしくは楽しんでもらえたならば幸いです。
ではでは!
最後まで読んでくれてありがとございました!
萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!
ハッピーハロウィン!!